サイト内の現在位置

CLUSTERPRO X - 特長/機能

機能概要

1. 迅速にフェールオーバーし業務継続

デフォルトの設定では、障害検出から待機系がフローティングIPアドレスを引き継ぐまで、大体1分前後で完了します。また、障害検出から障害と断定するまでの内部リトライ回数およびタイムアウト時間を調整することにより、最短10秒未満でフェールオーバーすることが可能です。

フェールオーバーの動作概要図

2. 検出可能な障害

障害は多種多様です。CLUSTERPRO Xは、HW障害、OS障害、アプリケーション障害と広範囲の障害対策に有効で、現用系だけでなく待機系も常に監視を行い、フェールオーバーの失敗を予防します。また、サーバーがダウンした場合、ダウンしたサーバーの筐体IDランプの点灯によりクラスターシステムの状態変化に目視で検出できます。

検出可能な障害の図

  • (1)サーバーのシャットダウン/電源ダウン
  • (2)OSのスローダウン
  • (3)OSの部分的な障害(ディスクI/Oのハングアップ)
  • (4)アプリケーションあるいはサービスの停止
  • (5)サービスのハングアップ *1
  • (6)NICやパブリックLANの異常検出
  • (7)CLUSTERPRO X サーバーモジュール自体の異常
  • (8)カスタム監視によるアプリケーションの監視

上記以外でも、運用管理ソフト(例:ESMPRO/AlertManager等)より、本製品のフェールオーバー開始コマンドをキックして、任意のエラー発生時にフェールオーバーすることが可能です。

3. 検出可能な特定アプリケーション障害

監視オプション(エージェント)が特定アプリケーションの状態を定期的に監視し、異常応答・ハングアップを検出した際は、フェールオーバーして業務継続が可能です。

検出可能な特定アプリケーション障害の図

4. アラートサービス

サーバーダウン、フェールオーバーなど重要なイベントを電子メールで通報するオプションです。

  • CLUSTERPRO X のサーバーで発生する重要なイベントを電子メールで通報します。通報先に携帯メールアドレスを登録することにより、離れた場所にいても電子メールで通知を受け取ることができます。
  • クラスターシステムが正常に起動したことを通報することができます。
    (もちろん、起動時の異常についても通報できます)
  • メールサーバー情報と通報先のメールアドレスを設定するだけで、運用を開始することができます。また、メールサーバーのSMTP認証に対応するために、ユーザー名やパスワード等の設定を行うことが可能です。
  • サーバー起動時とサーバーダウン時に、警告灯で通報しサーバーの状態を表示します。
アラートサービスのイメージ図
対応している警告灯はこちら

5. 業務に応じたディスクの構成

拡張性に富む共有型、ハイ・コストパフォーマンスのミラーディスク型について、お客様の環境に応じたディスク構成が選択頂けます。

  • SAN接続、共有ディスク型

共有ディスクを業務データ引き継ぎに利用したクラスターで、共有ディスクの特長である高性能/高信頼/大容量を活かしたシステムを構築可能です。

32台での共有ディスク構成が可能で、ミッションクリティカルな要求に対応するために、待機系N台を有するM:N構成が可能です。

  • ミラーディスク型

サーバーの内蔵ディスクを業務データ引き継ぎに利用したクラスターで、内蔵ディスクを使い低コストで高可用なシステムを構築可能です。
ミラーディスク型は、同期モードと非同期モードが選択できます。デフォルトは同期モードです。
LUN ではなくパーティション単位でミラーリングします。
クラスタリング対象サーバーの配置が地理的に遠隔であっても、共有ディスク型遠隔ハイブリッドクラスターでない場合は、ミラーディスク型となります。

N:1ミラー構成(Windows最大:22:1, Linux最大:31:1)が可能で、待機系を1台で集約することができます。
但し、ミラーの書き出し頻度の多い業務は不向きです。

  • ディスクレス型

引き継ぎが必要な業務データを持たないクラスターで、HW、OS、アプリケーションが最もシンプルに冗長化されたシステムを構築可能です。
尚、図中のフェールオーバーグループとは、サーバー間を移動させる業務サービスの集合のことです。

ミラーディスク型と共有ディスク型の混成やハイブリッドディスク型について、お客様の環境に応じたディスク構成が選択頂けます。

  • 混成型

共有ディスクと内蔵ディスクを業務データ引き継ぎに利用したクラスターで、一部の非常に大切なデータをミラーリングで2重化しておきたい場合や、ミラーディスク型で運用開始した後で、業務データの増大に応じて共有ディスクを導入したい場合に適用できます。

  • NAS型

サーバー間での業務データの引き継ぎ場所として、SANストレージの代わりにNAS上のパーティションを利用したクラスターで、業務システムの開発環境等に使うことができます。また、利便性を向上させることができます。

  • 共有ディスク型遠隔ハイブリッドクラスター

SAN接続、共有ディスク型クラスター同士をクラスタリングし、共有ディスクに格納された業務データを HAクラスタリングソフトウェアによるデータミラーで引き継ぐ型で、共有ディスク型クラスターを丸ごとホットスタンバイするクラスターシステムを構築可能です。

6. 多様な運用形態

遠隔クラスターを含む、多様なクラスターの運用形態があります。

共有ディスク型、ミラーディスク型ともにスケールアウトが可能です。

  • アクティブ-スタンバイ(片方向スタンバイ)

最も典型的なクラスター形態で、大抵の業務サービスはこの形態でクラスタリング可能です。尚、現用系に異常が発生した場合、待機系にフェールオーバーします。

  • アクティブ-アクティブ(双方向スタンバイ)

待機系の CPU を有効活用したい場合のクラスター形態で、通常異なる業務サービスの場合にこの形態を使用します。尚、同種の業務サービスの場合でも、多重実行(起動)が可能な場合は、この形態を使用できる場合があります。また、この形態の場合、業務毎に業務データを引き継ぐためのディスクを分けて構成します。尚、フェールオーバーした場合は、1台のサーバーで2台分の業務を実行することになるので注意が必要です。

  • N:1スタンバイ

双方向スタンバイ型の注意点を回避したい場合のクラスター形態で、1台の現用系に異常が発生してフェールオーバーしても、もう1台の現用系のパフォーマンスに影響が及びません。

共有ディスク型、ミラーディスク型ともに遠隔クラスターが可能です。

  • M:Nスタンバイ

N:1を発展させたクラスター形態で、高価な共有ディスクに多数のサーバーを接続することでコストパフォーマンスが得られる構成です。また、待機系を複数台用意しておくことで、万が一複数台の現用系に異常が発生した場合でも、1台の待機系に負荷が集中するのを回避することができます。さらには、多重実行(起動)ができない業務サービスの場合でも、待機系を複数台用意しておくことで可用性が得られます。

  • 遠隔クラスター

1:1ミラーディスク型クラスター、N:1ミラーディスク型クラスター、N:1共有ディスク型クラスター、M:N共有ディスク型クラスターといったあらゆるクラスター形態で遠隔クラスター構成が可能です。また、業務データを遠隔クラスターで遠隔地にバックアップすることができます。尚、万が一サイト災害が発生した場合は、サイト間を越えてフェールオーバーすることができます。

7. グループ単位でのサーバー切り替え

クラスターシステム内で引き継ぐ対象となるリソース(仮想IP、業務アプリケーション等)をフェールオーバーグループとして定義し、止まらないシステムを実現できます。

  • フェールオーバーグループ
    クラスターサーバーが利用するリソース(クラスター資源)の集まりで、フェールオーバーグループがノード間を移動します。尚、同一グループに属するリソースは必ず一緒にノード間を移動します。

  • クラスター資源
    フェールオーバーグループに登録できるリソースです。

    業務アプリケーション/サービス
    共有ディスク、ミラーディスク
    仮想コンピュータ名(Windows版)
    IPアドレス(フローティングIP、仮想IP)
    等々

8. 監視/制御の画面

GUIによる状態表示を行い、クラスターシステムを監視/制御できます。またコマンドでも同じ操作が可能です。

監視/制御の概要