交通 人々の生活を支える鉄道事業を、デジタルの力で変革
交通

人々の生活を支える鉄道事業を、
デジタルの力で変革

画像:佐藤 大地

佐藤 大地

2009年入社。SEとして、「貨物追跡システム」や「電子カルテシステム」の開発・導入を担当。現在は、鉄道向け事業開発メンバーとして新規DXソリューション企画に従事。

画像:馬野 敬通

馬野 敬通

鉄道会社にて、建設工事の設計施工業務などに経験したのち、2019年入社。鉄道会社のアカウント営業として大型案件・新規プロジェクトに従事。現在は、鉄道事業者のDX推進を担当。

人やモノの輸送にとって欠かせない交通システムである鉄道。その運営主体たる鉄道会社は、いま人材不足や生活様式の変化などに起因する、大きな課題に直面しています。人々の生活になくてはならない社会インフラとしての鉄道をデジタルの力で支え、安全で快適な暮らしを実現するというNECの挑戦。

「社会を止めない。暮らしを止めない。交通を止めない。」果たしてそのメッセージにはどのような思いが込められているのでしょうか。
担い手である、トランスポート・サービスソリューション事業部門の佐藤 大地(さとう だいち)、馬野 敬通(うまの ひろみち)が、思いを語ります。

安全安心で効率的な輸送を実現するという鉄道の社会的価値

NECグループは「社会を止めない。暮らしを止めない。」というコミュニケーションメッセージを掲げています。鉄道もまた私たちの生活基盤を支える社会インフラの一つに数えられますが、具体的にどのような価値があると考えますか。

佐藤:大量輸送サービスを、安価で人々に提供できるというのが鉄道の最大の魅力だと思っています。かつ日本の鉄道は、正確性や安全性が非常に高いという価値もあります。しかし、いまの鉄道システムの基礎は明治時代に作られたもので、そのインフラの形が最適なものなのか、見直しの時期に来ているのかなとも思います。

佐藤 大地・馬野 敬通 インタビュー画像01

現在、鉄道にはどのような課題があるのでしょうか。

佐藤:大きく二つの課題があります。一つ目が鉄道会社の人材不足です。少子高齢化という社会背景の中で、鉄道会社も年々人材の採用が難しくなってきています。しかし、鉄道の品質自体は保たなければいけない。鉄道というのは、安全安心な運用が絶対条件です。つまり、少ない人員でいかに安全安心を保つかが課題となってきます。

二つ目の課題が、収益性です。昨今、コロナ禍の影響によって、人々が外出を控えるようになりました。鉄道事業というのは、やはり鉄道に乗っていただくことで収益が入るようなモデルが基本なので、人々が移動をしなくなることで旅客収入は減り、収益性が不透明となる。これも大きな課題となっています。

私たちは、社会や暮らしを止めないためにNECの高度なデジタル技術を駆使してこれらの課題解決のお手伝いをし、鉄道の未来を支えていきたいと考えています。

熟練者の手によって行われていた業務をNECの先端技術で自動化

佐藤さんと馬野さんが携わっている「運転整理支援ソリューション」について教えてください。

馬野:鉄道会社には輸送障害などが発生したときに、ダイヤ乱れを修復して通常運行に戻す「運転整理」という業務があります。従来は熟練者の経験と勘によって行われていました。しかし、その担い手の確保も、年々難しくなっています。そこで、いままで熟練者によって行われていた復旧ダイヤの作成を、AI技術と、デジタルツインによって構築した運行シミュレーターを組み合わせて自動化し、業務効率化を実現するのが「運転整理支援ソリューション」です。

佐藤 大地・馬野 敬通 インタビュー画像02

どれくらいまで導入や実装が進んでいますか。

馬野:現在、とある鉄道会社の路線モデルをデジタルツインで構築し、輸送障害を想定した復旧ダイヤの自動作成の検証を進めています。お客さまからフィードバックをいただきながら精度を上げていき、将来的には実際の輸送障害の現場で使っていただくことを目指しています。

精度はどこまで高まっていますか。

馬野:アウトプットした復旧ダイヤを実際の指令員の方に見ていただいたところ、人間と同等以上の精度になっているという評価をいただいております。

「究極の鉄道」を実現し、これからの社会に貢献していきたい

佐藤さんと馬野さんが所属するチームは、どのように業務に取り組んでいますか。

佐藤:お客さまに常に新しいものをご提案していく、というのが私たちに求められている役割です。その上で、チームとして一番大事にしているのが、鉄道のあるべき未来像をしっかり思い描くこと。その未来像に沿った価値あるものをお客さまにご提案していくことになるため、将来、社会や暮らしを止めないために鉄道はこういう形になるのが理想だよね、というようなビジョンをメンバー間で議論しながら業務を進めるということを、チーム内の連携として一番大事にしています。

チームメンバーはみなさん、鉄道業界をより良くしていきたいという思いを強く持っているのですね。

佐藤:そうですね。私自身、鉄道会社に勤務していた祖父の影響もあって、学生時代から鉄道会社で働きたい、鉄道の未来を変えていきたいという思いを抱いていました。私がNECに入社して何より嬉しかったのは、鉄道への思いをメンバーと共有できたということです。

「運転整理支援ソリューション」を含む、NECの鉄道DXソリューションは、社会にどのような価値を提供することができると考えますか。

佐藤:先ほどお伝えした鉄道会社の課題である要員確保、限られた人員で鉄道を安全安心に運行させるという取り組みの一助になると思っています。また、将来的には鉄道の自動運転や、駅の無人化オペレーションなどにも領域を広げていきたいと考えています。交通を止めないために、人を介さず、安全安心、かつ効率的な輸送を実現すること、これを私たちは「究極の鉄道」と呼んでいるのですが、そのような社会の実現に寄与できるソリューションを提供していきたいと思っております。

馬野:鉄道会社は、鉄道を軸として、不動産事業で沿線住民の生活を作ったり、アミューズメント事業で人々を喜ばせたりと、人々の生活基盤を構築していくという大きな役割を担っています。そのような観点からも鉄道事業はこれからも社会に必要なものだと考えます。私たちとしても鉄道事業を中心とした幅広い事業領域に対してNECのデジタルの力を活用し、事業変革の実現にチャレンジしていきたいと考えています。

人やモノの安全かつ快適な移動、そして街づくりまでも担っている鉄道事業。私たちの暮らしを根底から支えてきた社会システムともいえる鉄道は変革のときを迎えています。「社会を止めない。暮らしを止めない。交通を止めない。」、NECは先進的なデジタル技術を駆使し、鉄道のあるべき未来、そして人々の安全で幸福な暮らしを実現していきます。

佐藤 大地・馬野 敬通 インタビュー画像03

その他の記事