海底 海底ケーブルで世界を一つにし、生活を、ビジネスを止めない。
海底

海底ケーブルで世界を一つにし、
生活を、ビジネスを止めない。

画像:星長 優美子

星長 優美子

NEC入社後、SEとして従事。その後、グローバルビジネスユニットにてアジア圏や欧米の海外営業を経験したのち、海底ケーブルの営業に従事。現在では、営業グループのマネージャーを担当。

画像:平岡 志帆

平岡 志帆

建設会社の社内システムの開発・保守やプラントメーカー向けアプリケーションエンジニアを経験したのち、NEC入社。現在は、海底ケーブルの営業として、国内外キャリア、OTT向け海底ケーブルプロジェクトを担当。

私たちの生活に欠かせない「インターネット」。その通信ネットワークは世界各国へと広がり、いまやビデオ通話、ライブストリーミング、オンラインゲームなど、多様な手段で世界中の人と交流することが可能となっています。そんなグローバルなコミュニケーションを支えているのが、海の底に敷設された「海底ケーブル」。普段、私たちの目に触れることはありませんが、大陸間国際通信の99%を実現している重要なインフラです。

NECは、海底ケーブル事業において、世界市場シェアが約3割、世界のトップ3サプライヤの一角を常に占める企業。世界に通用するグローバルビジネスを展開しています。「社会を止めない。暮らしを止めない。海底から。」そのために、NECは海底ケーブル事業でどのような貢献をしていくのか。テレコムサービスビジネスユニット 海洋システム事業部門の星長 優美子(ほしなが ゆみこ)と、平岡 志帆(ひらおか しほ)が思いを語ります。

海底ケーブルは、世界の人々の豊かな暮らしを支えるインフラ

私たちの暮らしや、社会の維持に、海底ケーブルはどのような役割を果たしているのでしょうか。

星長:私自身、この事業に関わるまで、生活の中で海底ケーブルを意識することはほとんどありませんでした。「衛星中継」という言葉はよく耳にするので、世界の通信はだいたい衛星によって行われているのかなと思っていたくらいです。ところが、実際には国際通信の99%を海底ケーブルが担っており、いまや空気や水と同じくらい重要なインフラとなっています。また衛星通信と比べると、データ通信の容量や速度で優位性があり、大容量データを送る手段としては、海底ケーブルが主流です。

星長 優美子・平岡 志帆 インタビュー画像01

平岡:海底ケーブルがなくなることは、国際通信のほとんどが失われてしまうことを意味します。そうなると、グローバル社会のつながりが失われ、各国の経済成長も止まり、私たちの生活も立ちゆかなくなってしまうでしょう。社会を止めない、暮らしを止めないために、海底ケーブルは、世界中の人々の暮らしを豊かにし、成長を支える基盤のようなものだと思っています。

日本にいるとインターネットのある環境が当たり前すぎて、通信ネットワークの重要性は実感しづらいかもしれないですね。

星長:そうですね。ただ世界にはまだ、通信インフラが整っていない地域や国もたくさんあります。例えば2023年、南太平洋のトンガ諸島でM7.6の深発地震が発生しました。その際に、NECが敷設したものではないのですが 、一本だけしかない海底ケーブルが海底噴火で切断されたことで外部との通信がほぼ途絶えてしまったそうです。個人的にも、海底ケーブルが世界を支える重要なインフラであることを再認識した出来事でした。

平岡:海底ケーブルの整備が進むことで、世界中で情報アクセスの機会均等が実現されるはずです。NECも海底ケーブル事業を通じて、世界を止めないということだけでなく、世界をさらに豊かすることに貢献していければと思っています。

先端技術と、飛躍するアジア圏での知見がNECの強み

海底ケーブル事業における課題を教えてください。

平岡:世界的な通信需要の拡大に対する対応が求められています。海底ケーブルの敷設というと、従来は各国の通信キャリアが共同で実施するということが一般的でした。しかし、現在はGAFAMのような巨大IT企業が単独で海底ケーブルを引くというケースも出てきています。先進国で通信インフラへの投資が旺盛になってきているのと、アジアやアフリカなど、通信インフラが十分ではないエリアでの需要拡大も今後見込まれます。

星長 優美子・平岡 志帆 インタビュー画像02

通信需要の拡大を受けて、NECではどのような対応を行っていますか。

平岡:ニーズに応えられるよう、大容量ケーブルの開発を進めています。例えばNECが共同で開発し、実際に導入も始まっている「マルチコアファイバーケーブル」は、従来と同じ太さのケーブルで、4倍近くの大容量データを伝送できる技術です。一本のケーブルの中で、どれだけ伝送効率を高められるか、各社が努力を重ねているところですが、これに関してはNECが一歩先行しているところですし、今後も技術革新を進めていきます。

技術のほかに、NECの強みはありますか。

星長:アジア圏での豊富な経験が強みです。海底ケーブルは、先ほど触れたトンガの事例のように、海底噴火などの自然災害で切れてしまうこともあれば、漁業活動の過程で切断されてしまうこともあります。アジアは経済成長が著しく、海底ケーブル需要も多く見込まれる地域ですが、漁業が盛んということもあり、漁業による切断リスクも高くなります。どのようなルートをとれば安全に敷設できるのか、NECのこれまでの経験と知見が生きるところです。

誰もが情報にアクセスできる世界の実現を目指して

仕事をしていて「やりがい」を感じるのは、どんな時でしょうか。

星長:私が関わった案件で、パラオでのケーブルの陸揚げ(海底ケーブルを陸上に引き込む作業のこと)に立ち会うという機会がありました。大統領クラスの要人や、日米豪各国の大使や大使館職員の方なども出席する盛大なセレモニーです。そのセレモニーを通じて、どれだけ現地の方々が海底ケーブルを楽しみにされているかを知ることができました。自分の仕事が世界中の人々の「暮らしを止めない」ことに貢献できていることを実感できた、印象深い出来事です。

平岡:もともと私がインフラに関わる仕事に携わりたいと思ったのは、学生の頃に東南アジアの国々を旅行した体験がきっかけでした。道路が舗装されていない、飲み水も十分ではない、そんな国の実状を目の当たりにすることで、途上国でのインフラ整備の必要性を痛感しました。いまの仕事は自分たちでインフラを作って社会に貢献しているという実感が持てるので、そこにやりがいを感じますね。

国をまたいだ大きなプロジェクトですので大変なことも多そうですね。

平岡:そうですね。国によって考え方もルールも違うので調整は大変ですが、全員が同じ方向を向いて進んでいけるよう、お客さまや社内メンバーとの関係性づくりを大切にしながら、仕事に取り組んでいます。困ったことがあっても、上司の星長がいつでも耳を傾けてくれて、一緒に解決策を考えてくれますので、私としては安心して働くことができています。

星長:平岡は、どんな難しいことも投げ出さないですし、真面目にコツコツと進めてくれるので、すごく信頼しています。
これからも事業部内でも緊密に連携をとりながら、海底ケーブルで世界を一つにし、誰もが情報にアクセスできる社会の実現、そのような暮らしを持続させていくための取り組みに、チーム一丸となってチャレンジしていきたいと思います。

海底ケーブルは、世界の人々の通信、コミュニケーションを支える重要なインフラ。これからも、「社会を止めない。暮らしを止めない。海底から。」という思いを持ち続けながら、NECはさらなる技術革新、世界中の通信インフラの整備に取り組んでいきます。

星長 優美子・平岡 志帆 インタビュー画像03

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