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WebSAM JobCenter - R16.2での変更点概要

WebSAM JobCenterは30年以上の歴史を持ち、多くのお客様にご利用頂いているジョブ管理製品です。
しかし、30年以上前に設計、開発されたということもあり、クラウド環境への導入において、以下のような問題がありました。

・ ジョブ管理マネージャ(MG)、ジョブ実行サーバー(SV)間の通信を暗号化できない
・ JobCenterの正常動作に必要なネットワーク要件が多く、クラウド環境との相性が悪い

JobCenter R16.2では、上記の問題を解決するジョブ実行基盤を新規開発し、クラウド環境であってもより安全に、より簡単に導入できる機能強化を実施しました。

クラシックモードとスタンダードモード

R16.2で新規開発したジョブ実行基盤を利用するか、R16.1以前の従来のジョブ実行基盤を利用するかは、製品のインストール、セットアップ時に指定することができます。

・ クラシックモード
    R16.1以前のジョブ実行基盤で動作するモード
・ スタンダードモード
    R16.2で新規開発したジョブ実行基盤で動作するモード

クラシックモードとスタンダードモードでは、次のような違いがあります。

マネージャ(MG)、サーバー(SV/AG)間の通信暗号化

クラシックモードでは、MG-SV間の通信を暗号化することはできません。
スタンダードモードでは、MG-AG(SV)間の通信を暗号化することができます。

運用イメージ

ネットワーク要件の緩和

クラシックモードでは、すべてのMG、SVの間でいくつかのネットワーク要件があります。
スタンダードモードでは、クラシックモードと比べてネットワーク要件が緩和されています。

・ クラシックモードのMG-SV間のネットワーク要件
   - すべてのMG、SVで、お互いにホスト名、IPアドレスの正引き/逆引きが可能であること
   - MG-SV間で双方向通信が可能であること

・ スタンダードモードのMG-AG間のネットワーク要件
   - AGからMGに通信到達可能であること

このネットワーク要件の緩和により、スタンダードモードでは以下のような環境に導入できます。

・ クラウド上のMGへの通信が片方向(オンプレミス→クラウド)しか許可されていない環境への導入
・ MGのネットワーク、AGのネットワークが動的NATで接続されている環境への導入
・ AGからMGへの接続にプロキシを経由する必要のある環境への導入

旧バージョンとの互換性

クラシックモードではR16.1以前との互換性維持を重視しているため、R16.2以降へのバージョンアップが容易です。
スタンダードモードでは一部の設定情報の移行作業が必要です。
移行作業の詳細は、こちら のページからダウンロードできるマニュアル「スタンダードモード用移行ガイド」を参照してください。

運用イメージ

Web機能を提供するコンポーネントの差

JobCenterは、ジョブの実行結果(トラッカ)の監視や操作をWebブラウザで行える機能や、WebAPIでトラッカの情報取得や操作を行えるWebAPI機能を提供しています。
クラシックモード、スタンダードモードいずれも、Web機能を利用するには有償の「Web Optionライセンス」が必要です。

R16.3からスタンダードモードおよびクラシックモードでも、MGに備わっているコンポーネントがWeb機能を提供します。そのため、MGをインストール、セットアップすればWeb機能を利用できます。
また、クラシックモードでは、Web機能の他に従来からのCL/Webというコンポーネントを別途インストール、セットアップすることでWeb機能を利用できます。

  • R16.2のクラシックモードはMGに備わっているコンポーネントのWeb機能に対応して おりません
運用イメージ

クラシックモードとスタンダードモードの機能差

クラシックモードとスタンダードモードで、利用できる機能に差があります。
機能差の詳細は、こちら のページからダウンロードできるマニュアル「リリースメモ」の4章を参照してください。
ここでは、代表的なものを記載します。

他のジョブ管理マネージャのトラッカ等の一元監視機能
クラシックモードでは、マシングループ機能を利用することで、複数のジョブ管理マネージャのジョブ実行結果(トラッカ)を一元監視することができます。
スタンダードモードでは、マシングループ機能を利用することができません。そのため、他のジョブ管理マネージャのジョブ実行結果(トラッカ)の一元監視を行うことはできません。

ファイル待ち合わせ機能
クラシックモードでは、リモートサーバのファイル待ち合わせ対象としてJobCenter MG、SVのいずれかがインストールされているサーバを指定することができます。
スタンダードモードでは、リモートサーバのファイル待ち合わせ対象としてJobCenter AGがインストールされているサーバのみ指定することができます。

ライセンス名称の変更

R16.2でのクラシックモード、スタンダードモードの導入によって、一部のJobCenterのライセンスの名称を変更しています。

変更したのはライセンス名称であるため、クラシックモードとスタンダードモードでシステム構築に必要なライセンス数が変わったり、価格が変わったりすることはありません。
また、R16.2とR15.1~R16.1とを比較して、同じシステム構成の実現に必要なライセンス数や価格は変わりません。

SVライセンス名称の変更
スタンダードモードでは、ジョブ実行の役割を持つマシンをAG(エージェント)と表現します。
そのため、従来のSVライセンスの名称を以下のように変更しています。

変更前(R16.1まで): WebSAM JobCenter SV for Windows/Linux
変更後(R16.2から): WebSAM JobCenter SV/AG for Windows/Linux

CL/Webライセンス名称の変更
クラシックモードとスタンダードモードとで、Web機能を提供するコンポーネントが異なります。
そのため、従来のCL/Webライセンスの名称を以下のように変更しています。

変更前(R16.1まで): WebSAM JobCenter CL/Web
変更後(R16.2から): WebSAM JobCenter Web Option