ACOS/RDP - 強化内容

MP R9.1 2008年度下期強化  システム運用制御機能強化

強化機能イメージ

今回の強化では、「リモート制御」機能の強化を図り、従来あった「システム電源切断」の機能に加え、新たに「ACOS OSの再起動」操作を可能とします。

従来、端末定義の追加・削除などのSG変更作業を行った後、変更した設定を反映させるためには、ACOS OSの再起動をi-PX7300EXホストのシステムオペレーションパネルを直接操作する必要がありました。よって、遠隔地からの操作では、ACOS OSを再起動することはできませんでした。

強化機能を利用することにより、再起動の作業をRDPクライアントからリモートで実施することが可能となります。

本機能の利用手順は以下のようになります。

【準備】

①あらかじめホスト側でRDPによるリモート制御用のパスワード設定を行います。

【操作】

②端末側からシステムがENDWORK状態であることを確認します。
③パスワード認証を行い、ACOS OS再起動指示を実施します。

システム運用制御機能強化イメージ

強化機能概要

機能概要は以下のとおりです。

  • ACOS-2 OSの再起動

強化機能特長

遠隔地でのシステム運用を実現

端末定義の追加・削除などのSG変更作業を行った後、変更した設定を反映させるための再起動の作業をRDPクライアントからリモートで実施することが可能となり、ETOSと併用することで、一連の作業がすべてリモートで可能になります。

パスワードによるセキュリティ対策

遠隔地からの制御操作のため、あらかじめホスト側で設定されたRDP用のパスワードで認証することを必須とし、セキュリティ対策も考慮しています。

強化機能導入効果

今回の強化における、導入効果は以下のとおりです。

運用形態に合わせたシステム構築の実現

ACOS-2システムが遠隔地にある場合や、セキュリティ対策でACOS-2システムを直接操作できない環境を構築した場合などにおいても、物理的な場所にとらわれないシステム運用を行うことができます。

電算要員の負荷軽減

オフィスでシステムに変更を加えるなどのメンテナンスを実施した後、ACOS OSを再起動する場合にも、わざわざACOS-2システムが置いてある場所まで行かずに実施することが可能となり、電算要員の負荷を軽減することができます。

強化機能適用リリース

ACOS-2/MP R9.1以降で利用可能
(ACOS-2/MP R1.1~R8.1は個別有償対応)

強化機能導入事例

今回の強化機能を活用すると、システム管理者がオフィスからSG変更を行ない、夜間などの運用停止が可能な時間帯に、設定反映のためのACOS OS再起動を、同じ場所から実施することが可能になります。

①オフィスにいるACOS-2ホストのシステム管理者がETOS端末から端末定義追加などのSG変更を行なう。
②運用停止が可能となった時間に、ETOSから運用停止処理を行ない、ENDWORKを実施する。
③ACOS/RDPのシステム状態表示機能でENDWORKが実施されたことを確認する。
④ACOS/RDPからパスワード認証を行い、ACOS OSの再起動を実施する。
⑤ACOS/RDPのシステム状態表示機能でシステムが起動したことを確認し、運用を再開する。

このように、今回の強化機能を利用することで、電算室やマシンルームでのシステム監視や再起動等の作業を行う必要がなくなるため、要員不足により電算室を不在にすることが多くなったシステム管理者の作業を、オフィスから実施することが可能となります。

システム運用制御機能強化導入事例

MP R11.1 リモート電源投入対応

開発の背景

昨今の情報システムにおいては、オープン化、クラウド対応などのキーワードを背景に「運用負担軽減等を目的にしたデータセンター(DC)へのシステム設置」、「BC/DR対応を意識した遠隔地へのシステム設置」、「節電対策等による運用の見直し」など、リモートからの運用に対する期待が高まりを見せています。

ACOS-2システムにおいては、リモートからの運用ニーズに対して、TCP/IP接続による遠隔地のクライアントPCから、システムの状態確認、および制御を行う機能としてACOS/RDP(遠隔操作パネル)を提供しています。しかしながら、これまでのACOS/RDPではシステムの電源OFF、システム再起動の機能を提供していましたが、システムの電源ONの機能は有しておらず、リモートからのシステム運用に制約がありました。

今回の強化においては、従来のACOS/RDPでは実現できていなかったリモートからの電源投入の機能を提供し、遠隔地に設置したACOS-2システムの運用性の改善を実現します。

リモート電源投入対応開発の背景

強化機能イメージ

i-PX7300GXにおいては、互換BOXレスの構成が基本構成となり、システム電源制御を司る基本制御機構1U(ARCボード)にWakeOnLan(WOL)の機能を有するLANポートが実装されます。

今回のACOS/RDPの強化におけるACOS-2システムのリモートからの電源投入の機能は、本LANポートを活用し、WakeOnLan(WOL)を実現するMagic PacketをACOS/RDPからACOS-2システムに送信することで実現します。

なお、本強化による電源投入(電源ON操作)を実現するためのネットワーク構成としては、 VPN等を利用して、AOS-2本体とリモート操作を行うPCが同一ブロードキャストドメインとする必要があります。

本強化に伴い、ACOS/RDPにて提供する機能は下記のとおりとなります。

概要 機能
システム状態の表示 中央処理装置上のシステムオペレーションパネルの表示
操作員介入待ちを示すメッセージの表示
操作員への通知メッセージの表示
ARCの設定状態の表示
音声メッセージ出力 システム開始/終了を示すメッセージの出力
操作員介入待ちを示す音声メッセージの出力
システムの電源投入/切断 システムの電源投入(WakeOnLanを利用)
システムの電源切断
ACOS OSの再起動 ENDWORK時にACOS OSに再起動指示
システム情報表示 CPU使用率のグラフィカルな表示
システム情報の表示
リモート電源投入対応強化機能イメージ