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アズビル株式会社様


Boxで社内外とのセキュアな情報共有を実現
国内外グループ全社へ活用を拡大し、DXに向けた基盤とする
- 業種:
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- 製造・プロセス
- 業務:
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- 設計・開発・製造
- 設備保全
- 保守・サービス
- グローバル
- 製品:
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- ソフトウェア/コラボレーション
- ソフトウェア/セキュリティ
- ソフトウェア/情報管理
- ソリューション・サービス:
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- 働き方改革
- セキュリティ/セーフティ
- クラウド
事例の概要
課題背景
- サイバー攻撃から機密情報を守るため、セキュリティ強化が重要課題になっていた
- お客様や協力会社とのコラボレーションおよび協創を強化するための情報共有基盤が必要だった
- コンテンツを一元管理してBox AIなどの技術を活用することで、単なるストレージではなく、データ活用基盤としてDX推進に役立てたいと考えた
成果
国際標準のセキュアなコンテンツ管理基盤を構築
グローバルなセキュリティ規格を満たし、厳格なアクセス権管理、ランサムウェア対策としても期待できるBoxを導入。情報漏えいリスクを低減し、全社の情報セキュリティを向上した
社外とのコラボレーションおよび協創が容易に
建設業界で広く利用されているBoxを導入したことで、お客様や協力会社との情報共有が容易になり、協創に向けた基盤を構築。今後は複数の事業領域への横展開も計画している
DXに向けて全社員をカバーするライセンスを展開
NEC Cloud Connectを活用したアカウントプロビジョニングで全社展開を推進。コンテンツの一元管理や社内システムとのBox API連携などを進め、DXを加速する
導入ソリューション


セキュリティ強化の目的で導入したBoxは、その後、全社のデータ活用やDXの基盤として拡大導入が予定されている
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事例の詳細
導入前の背景や課題

デジタル推進本部
デジタルそうぞう部
部長
多田 朋之 氏
インシデント発生を受け、情報の保護が課題に
1906年に創業し、近年は「人を中心としたオートメーション」というグループ理念のもとで計測と制御の技術を追求してきたアズビル様。現在は、多様な建物における空調制御を通じて快適性と環境負荷低減を実現するビルディングオートメーション(BA)、工場・プラントの自動化を担うアドバンスオートメーション(AA)、ライフラインなどの市場で製品やサービスを提供するライフオートメーション(LA)の3事業で、お客様や取引先との共創による社会課題の解決、社会の持続的な成長に貢献しています。
各事業では、設計情報や機器情報を中心とした多くの機密情報が扱われています。そこで重要課題になっていたのが情報セキュリティでした。
「以前から多層的なセキュリティ対策を実施してきましたが、サイバー攻撃の脅威は依然として続いており、ランサムウェアなどからのリスクを低減する必要があります。もし攻撃を受ければ、重要な情報が危険に晒されることになるため、多様なデータや資料などのコンテンツをより安全に管理する仕組みを検討することにしたのです」と同社 デジタル推進本部 デジタルそうぞう部 部長の多田朋之氏は語ります。
選択のポイント

デジタル推進本部
デジタルそうぞう部
企画戦略グループ
グループマネジャー
岩崎 太郎 氏
10万人規模のBoxユーザーであるNECの知見に期待
また、検討すべき課題はセキュリティ以外にもありました。同社のBA事業では、お客様である建設業界各社や協力会社の多くが情報共有に「Box」を利用しており、それに対応することが業務生産性の向上、コラボレーション強化に向けて不可欠になっていたのです。
「それまで当社が管理する建設現場事務所では、主にオンプレミスのファイル共有ツールを使って資料や図面などを社外と共有していました。しかし近年は、社員からも『お客様の要望に応えるためにBoxを使わせてほしい』という声が上がっていました」と同社 デジタル推進本部 デジタルそうぞう部 企画戦略グループ グループマネジャーの岩崎太郎氏は振り返ります。
そこで同社はBoxの検討を開始。精査するなかで、BoxがISO 27001、ISO 27018、PCI DSS、GDPRなど、セキュリティにかかわる主要な国際規格に対応していることも確認しました。これなら、グローバルに事業を展開している自社のセキュリティ要件にも合致すると判断したのです。
加えて、もう1つポイントになったのが導入パートナーであるNECの存在でした。実は当初、Boxの導入は別のベンダーに相談していましたが、質問などへの対応に不安があったそうです。
「そこで、以前からMicrosoft 365などの導入パートナーとして信頼していたNECに相談したところ、的を射た回答が即座に返ってきました。これは心強いと、Box導入もNECとともに進めることにしたのです」と同社 デジタル推進本部 デジタルそうぞう部 企画戦略グループの木間政保氏は話します。
NECは自らも10万人規模でBoxを利用しており、国内大規模ユーザーとして多様な事業領域での活用ノウハウを提供できることや、Boxの標準機能を補完する独自ツールなどのエコシステムソリューションも豊富に揃えています。パートナー選定に当たってはこれらの点も総合的に評価しました。
導入後の成果

デジタル推進本部
デジタルそうぞう部
企画戦略グループ
小泉 豊 氏
全社のDX基盤として、Boxの活用を拡大していく
こうしてアズビル様はBoxの利用をスタート。数十ライセンスから段階的にユーザーを拡大し、2025年7月現在はBA事業に携わる社員3,000人が活用しています。
これにより大容量の図面データなどを社外とセキュアに共有できる環境を実現しました。ファイル共有の際は厳格なアクセス管理が行えるほか、ポリシーに基づく共有先の限定や不審なアクティビティの可視化も可能。情報漏えい事故を未然に防ぐ体制を整えています。
また、ユーザーが増えるのと連動して外部との情報共有方法もBox経由に一本化する方針です。「情報のやりとりにかかる時間や工数は従来使用していた社外との共有ツールと比較して、4分の1程度まで改善できる見込みです」と多田氏は言います。
このように、Boxの利活用が着実に拡大してきた背景にはNECのサポートがありました。例えば、利用拡大に伴うユーザーの登録・設定作業は「NEC Cloud Connect」で自動化。人事異動があった際にもユーザーごとの権限・設定を自動で変更できるため、管理負荷を大きく削減できています。「また、月1回の定例会を通じて、NECから提案やアドバイスをもらっています。質問に対するレスポンスも速く、ユーザー対応を行う身として非常に助かっています」と同社 デジタル推進本部 デジタルそうぞう部企画戦略グループの石澤由美氏は話します。
さらに、Boxの専任担当者である同社 デジタル推進本部 デジタルそうぞう部 企画戦略グループの小泉豊氏は次のように続けます。「技術的な内容でBox社のSEと話すケースがありますが、必ずNECが間に入ってサポートしてくれます。アズビルの業務内容にも詳しいので、推奨の設定やテナントのあり方などを含めてアドバイスしてもらえるのは心強いです」。
今後は、Boxを全社展開することを視野に入れています。具体的には、AA、LA事業へ横展開することでコンテンツのいっそうの集約管理を進め、データ活用やDXの基盤にしていきます。
「AA、LA事業にもBA事業と同様のコラボレーションニーズはあるはずです。積極的な提案を通じて、全社のコンテンツ管理を高度化するお手伝いができればと思います」(多田氏)。2025年度内をめどに全社員をカバーする体制(約9,000ユーザー)へ拡大し、Boxの効果をさらに引き出したい構えです。
全社のコンテンツ集約を進める際にはBoxのAPI連携機能も積極的に活用予定です。各事業が保有するシステムのデータ保存先をBoxにすることで、コンテンツの集約化、ストレージリソースの課題解決につなげます。「そこでは容量無制限というBoxの強みが活きるはずです。既に一部のシステムで使い始めており、効果を実感しています」と岩崎氏は述べます。
加えて、これからアズビル様が期待を寄せているのがAI機能です。例えば「Box AI for Hubs」を利用すれば、組織内に保存されている膨大なコンテンツをもとに、質問への回答や情報の要約、翻訳、情報分析、特定ファイルの比較、新しいコンテンツの作成などを実行することができます。
「コンテンツが集約されていくほど、AI活用の効果を高めることができます。当社は全社標準のAIとしてOpenAIのGPTシリーズをベースとした生成AIを活用しているので、それとBoxのデータ連携も含めて、最適なAIの活用方法をNECとともに検討していきたいですね」と岩崎氏は話します。
また、同社 デジタルそうぞう部は、「IT相談」というユーザーのIT化やDXに関する課題を相談できる窓口活動も行っています。ここにはさまざまな要望が寄せられますが、そのうちBoxで解決できそうなものに対しては、積極的に活用のアイデアを提案しています。「NECにも随時相談しながら、さらにユーザー体験を高めるための支援を行っていければと思います」と同社 デジタル推進本部 デジタルそうぞう部 企画戦略グループの下章子氏は話します。
アズビル様における今日までのBox導入の道のりは、決して平坦なものではありませんでした。当初はかかわるメンバー全員が兼務体制で、時間を工面して活動してきたといいます。「現在は、ようやく専任担当者として小泉が着任し、全社展開に向けて活動を加速していくフェーズに入りました。アズビルのDXを支えるコンテンツ基盤の実現を目指して、これからも活動していきます。NECにはいっそうの提案・サポートを期待しています」と多田氏は最後に語りました。

NEC担当スタッフの声

第三製造ソリューション統括部
第二インテグレーショングループ
宮本 恵綸
DX基盤としての活用、AI活用も伴走型で支援していく
NECはグローバルで勤務するグループ全社員10万人がBoxを利用しており、広範な事業領域での活用経験を積んでいます。アズビル様がNECをBoxの導入パートナーに選んでくださったのは、そこで培ったノウハウをもとに、多様な要望にお応えできる体制が整っていたからだと思います。
また、NECはNEC Cloud Connectなどのエコシステムソリューションを含めて、Boxの導入・活用に向けたサービスメニューを体系的に整えているため、お客様の要件に対して迅速にご提案できる点も強みです。これらのメニューと、社内他部門との連携に基づく柔軟なカスタマイズを融合することで、お客様の幅広いご要望にお応えすることが可能です。
今回も、「アズビル様が本当に求めていることは何なのか」「どうすれば形式的な支援ではなく、アズビル様に合ったBoxの新たな価値を提供できるのか」を社内SEおよび販売促進メンバーとともに議論し、最適なサービス、ソリューションのご提案につなげました。これが、特定事業での活用から全社DX基盤としての展開へと、導入を拡大いただけた1つのポイントだと私は考えています。
アズビル様は現在、Box内のデータやコンテンツと生成AIを掛け合わせた価値創出を模索されています。この取り組みにもNECが自社での経験を活かして伴走することで、アズビル様とともに新しい未来図を描いていければと思います。
お客様プロフィール
アズビル株式会社
所在地 | 東京都千代田区丸の内2-7-3(東京ビル) |
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創業 | 1906年12月 |
資本金 | 105億2,271万6,817円 |
社員数 | 単体5,052名/連結8,922名(2025年3月31日現在) |
事業概要 | 計測・制御の技術を基盤に、ビルディングオートメーション(BA)、アドバンスオートメーション(AA)、ライフオートメーション(LA)の3つの事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する。 |
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(2025年10月17日)
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