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新たな挑戦 ーキャリアで拓く研究:廣川 暢一
2026年2月24日
大学の助教からNECへ

データサイエンスラボラトリー
プロフェッショナル
廣川 暢一
2014年に博士(工学)を取得後、情報学・機械工学の知識を活かした研究に取り組み、大学で助教を務める。その後、2023年4月にNECへ入社。AI や機械学習の性能を維持し、コストを最適化するための技術MLOpsの研究開発に取り組む。2024年、2025年に国際学会Information Visualization (IV)でBest Paper Awardを受賞。

NECと大学の客員研究員を兼務
私は大学で助教を務めた後、NECに入社しました。学部からずっと同じ大学に在籍していたので、異なる環境で新しい知識と経験に触れてみたいと感じるようになったからです。自身の引き出しが増えれば、いずれ大きなステップアップにつながるだろうと考え、一念発起して転職を決意しました。
また、技術を社会に出すことに挑戦してみたいという気持ちもありました。大学の研究では、何か面白い技術ができたとしても、論文を出して終わってしまうことがよくあります。せっかくの研究技術も、学生の卒業とともに実用化されないままになってしまうことも目の当たりにするなかで、すこし悔しい思いも抱いていたのです。近年では大学のなかからベンチャーを立ち上げて製品・サービスを展開する方もいらっしゃいますが、まだまだ数はそう多くありません。これに対し、企業の研究所では技術をサービスとして世の中にリリースしていくという土台やスキームが確立していますから、たくさんの技術を社会にリリースする場所として面白そうだと思ったのです。
NECに入社して約3年が経ちましたが、2026年1月現在も大学には客員研究員として籍は残っています。担当していた学生がいますので、副査などの責任を果たすために必要だったのです。NEC内にはこのような状況に対応する仕組みがありますので、スムーズな移籍が可能でした。

研究予算の環境が変わる
アカデミアと民間企業というと、水と油のようなものだと言われることがありますが、私としてはそのような実感はありません。もともと工学部でしたので、実社会の問題に基づいた研究テーマに取り組み続けていましたし、共同研究などを通じてさまざまな民間企業の現場で働く方々とのコミュニケーションに馴染みがあったということもその要因かもしれません。
学会活動も、変わらずできています。査読やエディターの依頼が多少減ったかなという感覚はありますが、2024年、2025年の国際学会Information Visualization (IV)でBest Paper Awardを受賞するなどの実績を残すこともできています。
大学から出て大きく変わったと感じるのは、科学研究費助成事業(科研費)などの研究費を得る必要がなくなったということですね。この申請作業から解放されたということは、大学教員の方ならわかっていただけると思いますが、非常に大きな変化でした。ただ一方で、研究費を得ることが研究テーマを考え続けるための良いプレッシャーになっていたという面もあったことは事実だと思います。なので、入社してからは、事業部の方々など、研究所外の人たちと積極的に話をすることで刺激を得ながら、継続的に研究テーマを考え続けるということは常に意識しているところです。
アカデミアとの違いをもう一つ挙げるならば、知財の扱いでしょうか。大学では知財の取得に対する意識や優先順位がそれほど高くないのですが、企業では何か良い研究アイデアが思いついたら、基本的にはまず特許を出願します。そのうえではじめて論文を書くというプロセスをとることに、はじめは面食らいました。ちなみに、特許を取得すると、多少のインセンティブが入ります。自身の研究活動を示すポートフォリオとしても機能するので、研究者として有意義なものになるはずです。
「何でもできる」 ポテンシャルのある環境
NECの研究所はアカデミアとビジネスのちょうど中間にあるような場所で、このような環境に興味のある研究者にはうってつけの職場だと思います。実際、私自身もアカデミアで働く知人2人にリファラル採用(注)の紹介をしました。ワークライフバランスも良く、オンオフをしっかりと区切って働くことができます。
ただ、ちょっと困ってしまうのが「NECは何をしている会社なの?」と聞かれたときです。というのも、海底ケーブルから宇宙事業まで幅広い事業領域で多様なことに取り組んでいるので、簡潔に答えることが難しいのです。
しかし、これは逆に言うと、NECでは「何でもできる」ということかもしれません。実際、NECには数々の事業領域に通じたスペシャリストや多岐に渡る技術やスキルを持ったメンバがたくさんいます。さらに大きな可能性を秘めたリソースも数多く存在していると実感していますので、さまざまな方と話をしつつ、上手く繋ぐことができれば、さらに大きな社会価値創造ができるポテンシャルがあると考えていますので、そうしたことにもこれから挑戦していけたらと考えています。

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