導入事例
「繁忙期や連休明けに、オンラインの性能が低下していた」
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- お得意様からの要求に対し、きめ細かく、かつ素早いレスポンスを実現されている、受発注・物流業務を支えているシステムの全体像について教えてください。
- 大野
事業開発部
大野起朗様一日の流れで言いますと、朝6時頃より、全国の家電量販店や家具専門店、百貨店などのお得意様から送られてくる発注データをEDIで受信し、大阪・日本橋の本社に設置しているACOSで受注処理します。最新の在庫データと引き当てて、在庫がなかったり商品コードや価格設定が間違っているものは、エラーリストとして出力し、そのリストを見ながら実際の受注データに訂正をかけていきます。現在、1日に約40万件のトランザクションを処理しています。
昼頃からは、出荷の業務に切り替わっていきます。ピッキング用のリストを作成するための配送データを、LAN経由で大阪南港と埼玉県にある物流センターのPCサーバに配信するのです。物流センターではピッキングとともにハンディターミナルで検品を行い、送り状を印刷し、トラックに積み込んで全国各地に出荷するという流れになっています。受注の引き当て処理から配送データの配信まで、情報処理工程の90%以上は自動的に処理していますね。
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- この全国規模のオンライン受注、そして物流業務を支えてきたACOS-4の基幹システムを、今回「i-PX9000」に更改された経緯を、お話いただけますか。
- 大野
- 1995年にPX7800を導入し、基幹業務システムを再構築しました。暫くは安定稼動していたのですが、その後、品出しのトランザクション処理に機能追加を施したり、物流拠点を東西2箇所に集約したことで1トランザクションあたりの処理件数が増大したことなどが影響して、2003年には繁忙期や連休明けになるとオンラインの性能が低下しまして、現場の社員からもクレームが来ることが多くなりました。当社の基幹業務システムは一定の時間内で受注から出荷までをスピーディーにこなす使命を持っており、性能低下によってコンピュータが停止に近い状態に陥るというのは致命的なことです。こうした問題が顕在化したことで、マシンの性能を改善するためにシステムの更改を検討し始めたのです。
- 布施
- もうひとつの理由として、我々の業界でもこの10年でインターネットが一気に普及したことで、Webで受注するしくみとか、外部からインターネットを介した在庫照会のしくみなどが、増加してきたことが挙げられます。つまり、オープン系のしくみと基幹業務システムとの連携をもっと強化していこうと考えていました。しかし、PX7800のままではデータ交換などのスムーズな連携プレイがなかなか難しかったのです。
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- いつ頃から、具体的な検討を開始されたのですか?
- 大野
- 2004年の夏から、検討に入りました。システム性能を改善するために、まずはこの年に電子ディスクとストレージ「iStorage A4300」を導入しています。基幹マシンについては、秋頃にNECからACOS-4の最新機種が近々リリースされるとのお話をいただき、当時はまだ名称もアーキテクチャの詳細もわからなかった次期ACOSを導入することを前提に、システムの再構築計画を練っていました。実は、2005年の正月には運用を開始したかったのですが、どう考えても正月には間に合いませんので、1~4月を移行作業と運用テストに充て、ゴールデンウィーク後から本番稼働させることにしました。
ピッキングとともにハンディターミナルで速やかに検品される
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