導入事例
約14時間を要していた月次処理は、6~7時間で終了
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- 昨年6月に、ACOS-2の最新機種「i-PX7300V」をご導入いただいたわけですが、ご導入直前の基幹業務システムにはどのような課題があったのでしょうか?
- 伊東
- コネクタの新製品が増え、取引の規模が拡大していくにつれ、当然ながら基幹データの量も増えていきます。たとえば、AX7300Vを導入した’99年当時の品目マスタは約3万5千、受注データは年間で約14万件でした。それが2003年には、品目マスタが約5万、受注データは約23万件に増加していました。ですから、バッチ処理時間は長くなる一方でした。日次処理に要する時間は'99年当時で約1時間15分。ところが、2003年には約2時間に増加していました。月次処理に至っては'99年当時で約9時間。それが2003年には約14時間に膨れ上がっていました。基幹データ量の増加に加え、2003年から導入したSCMのために、SCMのオープン系サーバとの連携用中間DBやファイルを新規でいくつか作成したため、ディスク領域が少なくなっていました。日次処理以外の不定期な処理も増え、AX7300Vに多大な負荷がかかったことで、CPUネックやI/Oネックが発生するようになっていたのです。
このように、ハードウェアを更新するきっかけになったのは、膨大な量になってきた基幹業務をもっと高速処理したいという差し迫った課題です。更に、オープンシステムのデータベースとの連携があらゆる面で要求されてきたことも、大きな要因でした。丁度その頃、ACOS-2環境とオープン環境との親和性が高いi-PX7300Vのリリースと、データベース連携を容易に行うための便利なソフトウェアツールの存在を知って、導入を決定しました。
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- 京セラグループは、設備投資を行う際に費用対効果の検証をとくにシビアにされているという印象があるのですが、今回のi-PX7300Vについてはいかがでしたか?
- 伊東
- i-PX7300Vについては、性能が向上し、しかもコストは下がっているということもあり、導入の判断を検討するための社内資料をとても作り易かったですね。日次/月次処理時間短縮の試算をして、なおかつコストもこれだけ下げられるということを記載した資料を作成し、無事に決裁が下りました。
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- なるほど。では、ご導入後の効果についてお伺いします。まず、バッチ処理時間はどの程度短縮されたのでしょうか?
- 伊東
- i-PX7300Vの効果はめざましく、約2時間かかっていた日次処理は45分に、約14時間を要していた月次処理も6~7時間で終了しています。いずれも半分以下に短縮できたわけです。もっとも、AX7300V時代のプログラム資産をそのまま流しているだけなので、プログラムの組み方や処理の順序を変えればもっと短縮できると考えていまして、今それに取り組んでいるところです。
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- 社内利用者からの反応はいかがでしょうか?
- 伊東
- やはり「速くなった」という評価が多いですね。また、月次処理時間の短縮はオンラインの延長にもつながっており、とくに好評です。AX7300V時代には、月末の締め日に夜間バッチを流し、バックアップも含めると翌1日の夕方まで月次処理にかかっていました。端末を開放できるのは夕方以降だったわけです。現在では、毎月1日の午前中には月次処理が終了していますので、午後からホスト業務を開始できます。
開発の面では、ファイルメンテナンスやソート機能など、ユーティリティを駆使してテストを行っているのですが、このユーティリティが格段に速くなったという実感があります。
「i-PX7300V」の導入により、約14時間を要していた月次処理が6~7時間に
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