導入事例
OLF/DB-EXによるオープン連携で実現した情報活用
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- DB連携によるデータ活用ニーズへの対応について、これを阻害していた要因は?
- 岡本
- ALSSは、システム拡張の過程で、ACOS上の基幹DBのADBSとRIQSIIが混在してしまいました。このために周辺ソフトを活用できず、業務の効率化が困難でした。今回の新システム開発は、RIQSIIにデータベースを統一し、「OLF/DB-EX」を活用して外部サーバへのデータ配信を行なうことも大きな目的のひとつでした。
- 中辻
- 具体的には、i-PX7300で処理した航空貨物関連データを「OLF/DB-EX」でORACLEサーバへ転送しています。このORACLEサーバには、海上関連データや経理関係データも蓄積され、当社のデータセンタの役割を果たしています。
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- 「OLF/DB-EX」の連携機能への評価は?
- 中辻
- 転送速度には満足していますが、最も求めていたのは差分データを取れるしくみです。このシステムが稼働した後にリリースされた「OLF/DB-RX」は、まさに私たちが期待していた製品なのです。ぜひ、近い将来に導入したいと、検討しています。
- 岡本
- 今回の全面更改により、オンラインで月次管理帳票や経理帳票を取り寄せ、電子帳票としてペーパーレスで活用できるということは、費用削減や業務工数の簡素化などで大いにプラスになっています。
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- 操作性の向上という、システム利用者からの要求案件への対応は?
- 中辻
- シンプルなCUIの機能性を活かしつつ、GUIの表現力を持たせようという観点から、基幹業務のGUI化ツール「VIS/VE(VF)」を用いて、利用者がパソコンなどで慣れ親しんでいるプルダウンやボタンといったGUI環境を構築しました。既存の言語で開発でき、コスト面ではソフト費用がETOSの半分程度、開発期間も極めて短くて済みました。
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- システム構築において、予想外のトラブルなどはありませんでしたか?
- 岡本
- 各作業部会で事前に十分な検討を行った上でシステム構築を進めたため、プロジェクト全体は極めてスムーズに遂行できたと思います。実際、導入後もほとんどトラブルがなく、期待通りの性能を発揮しています。強いて挙げれば、本稼動の前日にVISアプリケーションの不具合が見つかったことでしょうか。このときはNECのSEがすぐに駆けつけて下さり、VIS用の領域不足が原因だと分かるとすばやく復旧してもらえました。
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- 利用者からの評価などがございましたらお聞かせください。
- 中辻
- 利用者にとって情報システムは、業務処理のためにごく自然にストレスなく使える、いわば「当たり前にある」存在。システム担当者への問い合わせやクレームがないということが、何よりも大きな評価だと考えています。
i-PX7300の利用部門のひとつである、航空事業部 東京航空部
企業訪問を終えて―――「ACOS Club」から
今回の取材では、国際物流というスケールの大きいステージでロジスティックス・ソリューションをご提供される日新様の[課題発見→課題解決]への取り組み方、とくにシステム利用者参加による委員会/作業部会を柱にしたシステム構築の進め方に、新鮮な印象を受けました。業務システムという用途を踏まえ、かつ利用者の声を集約し、それらを元に徹底して要件を洗い出す姿勢。分進秒歩の情報分野では、ともすれば目新しいITソリューションだけに関心を奪われがち。しかし同社の、基幹システムの長所を踏まえた上での「VIS/VE(VF)」によるGUI構築、「OLF/DB-EX」によるオープン連携は、クリティカルなビジネス・シーンでi-PX7300の機能をフルに活用するための好事例です。ぜひ貴社のシステム構築のヒントとして、ご活用いただければ幸いです。
[取材日:2002年08月20日]
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