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NEC、オープンサイエンスの推進に向けた研究情報基盤の高度化を実現するソリューション群の提供を開始

~ソリューションをトータルに提供し最適な環境を実現~

2025年11月14日
日本電気株式会社

NECはオープンサイエンスの推進に向け、大学などの研究機関向けにソリューション群の提供を開始します。研究開発の競争力強化や研究成果の透明性確保に貢献するソリューションをトータルに提供することで、研究情報基盤の効率的、効果的な構築に貢献します。
NECは本ソリューション群の提供により、今後3年間で40億円の売り上げを目指します。

近年、研究データを社会全体で共有するオープンサイエンスの潮流が加速し、国内外の研究機関では研究データの管理や保管、利活用についてのニーズが非常に高まっています。また、国際的な研究競争力のさらなる向上や研究成果の透明性確保という観点から、研究データの適切な管理や保管義務が課されるなど、ガバナンス強化も求められるようになっています。しかし、多くの研究機関では、こうした課題への取り組みがまだ途上であり、効率的かつ確実な運用を可能にする仕組みの構築が急務となっています。
国内では国立情報学研究所(NII)がオープンサイエンスに向けた情報基盤構築に係る先進的な取り組みを進めており、NII研究データ基盤(NII Research Data Cloud、以下NII RDC)(注1)の構築や NII RDCによる各種サービスの提供が進められています。また、その他の研究機関でも独自にシステム化が進められているものの、部門ごとのシステム最適化、多様なデータ形式の混在、セキュリティ対応、各種研究プロセスとの連携など、様々な課題に直面しています。
そこでNECは、導入から運用まで、効率的かつ効果的な研究情報基盤の実現を可能にするソリューション群の提供を開始します。

研究情報基盤の高度化を通じてお客様へ提供する価値

研究情報基盤の高度化により研究機関との連携や社会実装の促進に貢献

研究データの生成、解析、集約、管理、公開、活用という一連の工程において、研究データを適切かつ効率的に利活用するためのソリューション群を提供します。これらにより、大学や研究機関との連携および社会実装の促進に貢献します。

研究情報基盤(RII: Research Information Infrastructure)の全体像

提供するソリューション群:
NECでは以下のソリューションをBluStellar Scenarioに基づき提供します。

  • 様々な実験・計測設備やHPCシミュレーションにより生成される大規模な研究データを効率的に集約、共有することが可能な超高速データ転送システム「NEC Ultra-high-speed Data Transfer System」
    ネットワーク帯域を最大限に活用し、さらにDisk to Diskで高速なデータ転送を実現します。大規模な実験研究データの共有や大規模データ集約基盤の活用、BCP対策といったシーンにおいて有効なソリューションです。
    提供価格:2拠点間でのデータ送受信におけるライセンス料として22,000,000円~(利用環境により別途ハードウェア機器等が必要になります)。
超高速データ転送システム
「NEC Ultra-high-speed Data Transfer System」の利用イメージ
  • HPCシミュレーションにおける入出力ファイルやプログラム実行情報等の来歴情報を自動的に採取、参照することが可能なHPC来歴管理システム「NEC Data Provenance System for HPC」(注2)
    シミュレーション実行時に特別な処理をすることなく、簡単に来歴情報を参照することができます。また、来歴情報を他者に参照させることも可能です。シミュレーション再現の手順明確化や保存すべきデータ特定の容易化といった研究効率化のほか、論文の根拠データとしての提示や共同研究における活用といったシーンにおいて有効なソリューションです。
    提供価格:計算サーバ100台におけるライセンス料として9,500,000円~(利用環境により別途ハードウェア機器等が必要になります)。
HPC来歴管理システム
「NEC Data Provenance System for HPC」の利用イメージ
  • 収集・蓄積した研究データに対して、AIも活用した研究データ利活用を促進するデータカタログ、ポータルシステム
    研究情報基盤のポータルとして、データ集約や利用者および管理者のデータ利活用を促進します。提供価格は個別見積もりになります。
  • IT機器の信号を高信頼・低遅延に伝送するNEC独自技術「ExpEther(エクスプレスイーサ」(注3)を活用したリソースプーリング・リモートリソース活用システム(注4)
    持ち出し不可な機微データにおいても、リモート環境の計算リソースを活用することが可能です。提供価格は個別見積もりになります。

このようなソリューションをお客様環境に合わせ統合したシステムとして提供します。

本発表に関するコメントは以下の通りです

大阪大学D3センターは、2025年9月に導入したオープンサイエンスを促進する計算・データプラットフォーム(OCTOPUS)でData Provenance System for HPCの運用をいち早く開始しました。計算機センターでは膨大な学術データが日々スーパーコンピュータ上で解析・生成されます。計算機上で計算の公正性をどのように保証するのかは、学術研究の計算基盤を提供するプラットフォーマーとしての課題のひとつです。研究過程や結果は、研究者の手作業による記録や管理に委ねられることが多く、計算来歴記録の自動化による研究過程の透明性担保と効率的な証跡管理の実現は我が国のオープンサイエンスの推進に大きく寄与するものであると考えます。

国立大学法人大阪大学 D3センター 先進高性能計算基盤システム研究部門
教授 伊達 進

世界最大の電波望遠鏡建設計画「SKAO(スクエアキロメートルアレイ天文台)」では、過去に類をみない膨大な観測データを世界各国のデータセンターの間で受け渡す必要があり、高速かつ安定したデータ転送基盤の実装が重要な課題となっています。NECが提供する超高速データ転送システムは、遠隔地に設置されたストレージ間で100Gbpsクラスの通信を実現できる性能を備えており、この課題に対する有効なソリューションとして、導入に向けた検証を進めています。

自然科学研究機構 国立天文台 水沢VLBI観測所SKA1サブプロジェクト
サブプロジェクト長・特任研究員 赤堀卓也

NECは、価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」(注5)のもと、オープンサイエンスの実現に向けて研究情報基盤を中核に据えたBluStellar Scenarioである「研究情報基盤の高度化による研究力向上」に取り組み、アカデミック領域での研究活動を支援していきます。

イベントのご案内

本発表に関連して各種イベントでのブース出展やオンラインセミナーを開催予定です。お気軽にご参加ください。

  • HPCおよびAIの世界最大規模の国際会議SC25にてブース出展
    会期:2025年11月16日~11月21日、開催地:アメリカ・セントルイス
    詳細はこちら:new windowhttps://sc25.supercomputing.org/
  • 大学ICT推進協議会(AXIES)2025年度年次大会にてブース出展
    会期:2025年12月1日~12月3日、会場:札幌コンベンションセンター
    詳細はこちら:new windowhttps://axies.secretari.jp/conf2025/
  • オンライン開催のNECオープンサイエンスセミナー「科学の加速装置『オープンサイエンス』とは?」にてオープンサイエンス推進の意義や実践事例を紹介。国立情報学研究所 込山悠介氏、大阪大学 D3センター 伊達進氏が登壇されます。
    配信日:2025年12月4日配信
    詳細はこちら:
    https://jpn.nec.com/event/openscience/index.html?cid=os202513

以上

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 文教・科学インテグレーション統括部
E-Mail:nec-sci@blustellar.jp.nec.com

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