Japan
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シナノケンシ株式会社様


モジュラーデザインで多品種少量生産の利益率を向上
設計リソースを創出して戦略領域を強化
- 業種:
-
- 製造・プロセス
- 業務:
-
- 設計・開発・製造
- 営業・販売
- ソリューション・サービス:
-
- 共通業務/PLM
事例の概要
課題背景
- 多品種少量のマスカスタマイゼーションが大きな潮流になる中、個別受注設計ビジネスに利益の限界と改革の必要性を感じていた
- 部品の種類は増大しているが互換性の高い部品も多く、共通化を図りたい
- モジュラーデザインにチャレンジしたが、部品標準化ベースの取り組みでは営業が顧客要求から部品仕様を選択できず頓挫しかけた
成果
部品の共通化によるコスト削減
必要なカスタマイズ性は維持しつつ、互換性の高い部品の共通化を進める部品標準化により、一定のコスト削減効果が得られた
営業による標準仕様をベースとした提案が可能に
客先で、営業担当者が顧客要求を聞きながら、スペックを選択して標準仕様へと誘導する提案が可能となり、提案スピードの向上、標準部品の定着を実現。顧客個別仕様に対し標準仕様をベースにした提案ができるようになった
コンフィグレータとObbligatoの連携で設計者の作業負荷を大幅軽減
コンフィグレータから自動でBOMを生成し、Obbligatoへ連携することで、設計者は都度、BOMを作成する必要がなくなり、設計リソースを創出することに成功。設計者をより戦略的な業務にアサインして、競争力の強化につなげることができた
事例動画
課題背景、導入ソリューション、導入成果を
導入担当者のインタビューを通じてわかりやすくご紹介
導入ソリューション


BOMをベースに、部品や図面、プロジェクト進捗、コスト情報などの設計技術情報を統合管理し、設計の標準化や、設計と生産のタイムリーな連携など設計の業務改革を推進。さらに、コンフィグレータからBOM連携することで、試作業務の効率化を実現している
事例の詳細
導入前の背景や課題

執行役員
開発技術本部
本部長
掛川 和彦氏
モジュラーデザインに取り組むも途上で頓挫
家電、住宅設備、車載、産業機器、医療機器など、国内外のさまざまな市場に向けてモータを供給しているシナノケンシ様。「ASPINA」という同社の新たなコーポレートブランドは、「SPIN(回転)」と、Aクラス、A級といった製品の質の高さを示す「A」を組み合わせたもので、「世界中の未来を動かしていくことを、技術で実現したい」という同社の思いが込められています。
同社は、2001年にNECのPLM「Obbligato Ⅱ」を導入し、設計技術情報の一元管理による設計工数の削減、設計と生産のタイムリーな連携、図面のペーパーレス化などを推進してきました。2013年には「Obbligato Ⅲ」へとバージョンアップし、利用範囲も国内の設計部門だけでなく、国内外のほぼ全部門に拡大。グローバル規模の効率的な情報共有も実現するなど、継続的に設計業務改革を進めています。
その一環として、同社が新たに着手したのが「モジュラーデザイン」です。
「もともとモータは部品点数の多い製品ですが、当社のモータは、同じ製品でも軸の先端がギアになっているものがあったり、ねじになっているものがあったり、お客様の要求に応じてカスタマイズして提供するため、部品種類はさらに多くなります。とはいえ、よく見てみると互換性のある部品も少なくない。そこで、できるだけ部品を標準化して、種類を減らし、コストダウンを図ろうと考えました」とシナノケンシの掛川 和彦氏は説明します。

LEビジネスユニット
技術部 課長
開発技術本部
設計技術部 課長補佐
瀬川 朋之氏
しかし、部品の標準化によって、一定のコスト削減効果は得られたものの、営業には浸透しなかったといいます。部品仕様ベースで一覧になった標準部品は、営業担当者や顧客が意識する製品仕様とひも付けるのが難しく、適切な部品が選びづらかったのです。「例えば、モータの回転軸は、部品仕様では全長で示されますが、お客様が意識するのは部品全長ではなく、モータから出ている軸出寸法と呼ばれる長さ。このギャップによって、部品標準化が完全には浸透しなかったのです」と同社の瀬川 朋之氏は言います。
選択のポイント

業務連携改革本部
標準製品推進課
課長
池田 陽輔氏
数々の成功事例から得たベストプラクティスに期待
つまずいてしまったとはいえ、効率的に多品種少量生産を実現していくにもモジュラーデザインは欠かせない取り組み。てこ入れを図るために同社がパートナーに迎えたのがNECです。
NECは、自社製品でモジュラーデザインを実践している上、「モジュラーデザインコンサルティングサービス」を提供し、既に多くの製造業のモジュラーデザイン改革を成功させてきた実績を持っていたからです。
具体的には、過去のオーダーの解析から固定部品とモジュールの適正な設定を行う分析テンプレート、仕様の選択でモジュールを自動ピックアップできる簡易コンフィグレータ、そして、仕様に応じたBOMを作成するための決定表テンプレートを用いて、設計プロセスを改革していきます。
「成功事例をもとにしたベストプラクティスを提供してもらえることに加えて、Obbligato Ⅲの導入、利用を通じてNECの製造業に対する知見と技術力、サポート力を高く評価していたことが、NECを選定する決め手となりました」と同社の池田 陽輔氏は語ります。
導入後の成果
スペックを選ぶとBOMが自動的に生成され、設計者の負担を軽減
NECの支援を得て、同社はモジュラーデザインを実践する体制を整えることに成功しました。現在は、コンフィグレーションツールを通じて顧客と営業担当者が希望のスペックを選べば、モジュールが選定され、BOMも自動的に生成されるようになっています。
「最初にベースとなる標準モータを選定し、その基本スペックと顧客の多様なニーズに応えるためのオプションを策定しました。もちろんオプションが多いほど、細かなニーズに応えることができるわけですが、増やしすぎると部品点数が増え、モジュラーデザインの成果も限定的になる。私たちはついオプションを増やしがちだったのですが、NECが、多すぎず、少なすぎない、ちょうどいいバランスに導いてくれました」と瀬川氏は語ります。
今回の取り組みによって、営業担当者からは、選択形式でスペックを確定していけばよいのでわかりやすいという評価の声が寄せられています。
さらに現在は、コンフィグレータが自動生成したBOMをObbligato Ⅲの試作BOMへと自動的に取り込めるようにしており、設計業務をさらに大幅に効率化しています。これにより、設計者は本来注力すべきカスタム設計やコア技術の開発、設計数の拡大などに取り組むことができるようになりました。
「設計リソースが創出できたと考えています。設計者リソースがひっ迫している状況にあって、この効果は大きい。今後自動設計まで実現することで、設計者30人以上のリソース創出を目指します。設計者を、コア技術の開発など、より戦略的な業務にアサインすることで、競争力のさらなる強化につなげることができます」(掛川氏)
次のステップでは、自動作図や完全自動設計、営業の仕様選択から即時に量産指示を可能にする仕組みの実装を検討しています。
「お客様のオーダーから自動的にBOMが生成されて、それが生産にまで連動する。これまで進めてきた業務改革を加速させ、さらなる納期短縮や原価削減につながると期待しています」と池田氏は話します。もちろん、NECは、その取り組みも強力に支援していきます。
NEC担当者の声

コンサルティング事業部(PLMグループ)
マネージャー
杢田 竜太

関東・甲信越支社
第一ソリューション事業部
製造第二グループ
主任
大矢 友樹
将来に向けた製造業の取り組みを支援したい
モジュラーデザインは、現在、製造業に求められる多品種少量生産を実現していく上で欠かせない取り組みです。ただ、モジュラーデザインに着手しているものの、独力での取り組みには限界があり、取り組みを諦めてしまった、あるいは実践はしているものの効率化などの成果につながってこないといったケースも少なくないようです。
NECは、自身がモジュラーデザインを実践すると同時に、2000年の初め頃からモジュラーデザインコンサルティングを提供してきました。数多くの成功事例に基づくベストプラクティスは、NECならではの強みだと自負しています。
また、シナノケンシ様は、長年にわたりObbligatoを設計技術情報の基幹システムとして活用いただいています。その間、常に高度な活用にチャレンジし、様々な進化を遂げていますが、次のテーマはObbligatoのBOMをいかに他のシステムで活用し、企業全体としてのパフォーマンス向上につなげていくかということ。NECも、その実現を後押しするために製品や支援サービスの強化に取り組んでいきます。
今後もObbligato と、モジュラーデザインコンサルティングをお客様に積極的に提案し、製造業の設計業務改革、ビジネス拡大に貢献していきたいと考えています。
お客様プロフィール
シナノケンシ株式会社
所在地 | 長野県上田市上丸子1078 |
---|---|
設立 | 1918年 |
資本金 | 6億5,000万円 |
売上高 | 452億円(2018年2月時点、連結) |
従業員数 | 国内 850人 グループ全体 4,000人 |
概要 | 1918年に信濃絹糸紡績として設立され、1962年にモータ事業に参入。現在では、グローバルな市場にモータ製品を供給しており、さまざまな領域でトップレベルのシェアを獲得している。モータソリューション以外にも、産業ソリューション、福祉・生活支援機器という3つの分野でビジネスを展開。「安心・快適の未来を動かす」という経営ビジョンのもと、全社員一丸となってモノづくりの最高峰を目指している。 |
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(2019年9月17日)
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