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飲食店が移動販売をするのに必要な許可は?出店場所の選び方から成功のポイントまで解説

飲食店の移動販売は、年々増加傾向の業態です。
東京都保険局のデータによると、東京都で2018年に3,002台だったキッチンカーは、2,020年には3,794 台を記録しています。その後は、コロナ禍の影響などもあり数はやや減少しましたが、依然として人気のある業態であることは変わりありません。
参考元:食品衛生関係事業報告
オフィス街やイベントでお客様がキッチンカーの前に並ぶ様子を見て、運営を検討している飲食店事業者もいらっしゃるでしょう。また、キッチンカーは実店舗を持つよりも低コストで始められることから、「資金が足りない」という方にも始めやすい業態です。
本記事では、飲食店の移動販売を始めるために必要な許可や、成功のコツなどを詳しく解説していきます。最後まで読めば「キッチンカーを効率よく始めるには?」「キッチンカーはどこに出店するべき?」といった疑問が解消されるでしょう。
移動販売とは

移動販売とは「移動しながら商品を販売する業態」で、販売用に改造した移動販売車を利用するのが一般的です。
販売エリアが固定される店舗とは異なり、商品のターゲットに合わせて販売場所を移動できます。店舗を構えず従業員も少なくて済むので、コストを抑えて開業できるのが大きなメリットです。
移動販売というと、イベントやお祭りに参加しているキッチンカーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。キッチンカーは移動販売の一つで、食品を調理するキッチン設備を車両に設置し、販売場所で調理した商品を販売するのが特徴です。
また、スーパーや商店のない郊外や高齢者の多い地域にでも商品を届けられるため、移動販売車の補助を行う自治体も増えています。移動販売は、事業者側のメリットが大きいだけでなく、社会問題の解消への期待も大きい事業なのです。
移動販売を始める際に必要な許可や手続き

移動販売は、移動販売車を用意すれば始められるわけではありません。必要な許可や手続きをして、開業の準備を進めましょう。
特にお客様の口に入る飲食物を販売する移動販売では、必要な許可や手続きは多くなります。
- 食品衛生法に基づく営業許可
- 食品衛生責任者資格
- 法令に適合した車両
- 営業場所の許可
- 仕込み場所の許可
ここでは、これらについて詳しく説明していきます。
食品衛生法に基づく営業許可
飲食の移動販売を始めるためには、食品衛生法に基づいた営業許可を取得しましょう。営業許可は、管轄の保健所に申請します。
飲食の移動販売に関する営業許可は販売するメニューに関係なく「飲食店営業の許可」です。以前はメニューによって、飲食店営業と菓子製造業、喫茶店営業の3種類に分類されていましたが、2021年6月1日の改正・食品衛生法が完全施行後は「飲食店営業」に統一されました。
ただし、2021年6月1日以前に営業許可を取っている場合は、旧法が適用されます。有効期間の満了まで、以前の法律で認められていた食品しか扱えないので注意しましょう。たとえば、2021年6月1日以降に「飲食店営業の許可」を取得した場合、唐揚げやクレープ、コーヒーなど、なんでも基本的にどのような食品でも取り扱うことができます。しかし、旧法ではクレープは菓子製造業、コーヒーは喫茶店営業に該当するため、3つの許可が必要でした。
移動販売を開業する際は、管轄の保健所で「飲食店営業の許可」を取得すると覚えましょう。
食品衛生責任者資格
飲食の移動販売を開業する際には食品衛生責任者資格を取得しましょう。キッチンカーを開業する場合、1車両に対して1名の資格取得者が必要です。
食品衛生責任者とは「食品衛生法に定められた規則に則って施設において衛生管理の中心の役割を担う、食品衛生責任者資格を持つ人」をいいます。食品衛生責任者になるには、次の要件にあてはまらなければいけません。
- 栄養士や調理師、製菓衛生師などの資格を持っている
- 薬剤師、獣医師の資格を持っている
- 大学等で医学や歯学、薬学、獣医学、畜産学などの課程を修めている
- 食鳥処理衛生管理者になる資格を持っている
条件にあてはまらない場合は、都道府県知事等が行う食品衛生責任者になるための講習会を受講して資格を取得します。
食品衛生責任者の資格は全国共通ですので、どの都道府県で取得しても、全国でキッチンカーを開業できます。
法令に適合した車両
キッチンカーの営業許可を取得するためには、車両に手洗い設備や非接触水道の導入など保健所の基準に合った設備を備えるようにしましょう。
2021年6月1日の改正・食品衛生法が完全施行後、キッチンカーの設備基準は全国で統一化されました。
保健所では、おもに以下の11項目をチェックされます。
- 面積
- 構造
- 調理スペースと運転席の区切り
- 給水・排水設備
- シンクの数・サイズ
- 非接触水道の導入
- 保管設備
- 手洗い石鹸・消毒
- フタ付きゴミ箱
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 換気扇
キッチンカーの設備基準は、後ほど詳しく解説します。
営業場所の許可
キッチンカーで実際に営業をするためには、営業する場所ごとに使用許可を取らなければいけません。
ランチ時のオフィス街のビル敷地内ならビルの管理会社、イベントへの出店ならイベント主催者へ許可申請を行いましょう。
出店場所を探す方法は、以下の6つがあります。
- 自分で新規開拓する
- ネットで出店募集情報を探す
- 商工会議所や観光協会などに登録する
- キッチンカー仲間に紹介してもらう
- マッチングサイトを利用する
- 仲介会社を利用する
キッチンカーは年々出店希望者が増加しており、自分で新規開拓するのは簡単ではありません。そのため、出店場所の貸出側と出店希望側を繋ぐマッチングするサイトや仲介会社も増えてきています。
また、キッチンカーを道路で営業する場合には、警察署に道路使用許可申請をします。キッチンカーの道路使用許可は「3号許可」という申請です。通常は1週間程度で審査が終わりますが、時間的な余裕を持って申請するようにしましょう。
仕込み場所の許可
仕込み場所を確保できたら、保健所から営業許可をもらいましょう。
キッチンカーでも給排水設備が200L以上のタンクがあれば、車内で仕込み作業が可能です。しかし、メニューやキッチンカーの設備によっては、すべての調理作業を車内で行うのは難しい場合も多いでしょう。また、地域によってはキッチンカーが仕込み場所として認められない場合もあり、仕込みをする場所を別に用意する必要があります。
以下のような場合は、営業許可を取らずに仕込み場所を確保可能です。
- 飲食店を経営していて店舗の調理スペースがある
- 飲食店を間借りする
- シェアキッチンを利用する
「自宅を仕込み場所に」と考える方もいらっしゃいますが、あまりおすすめではありません。
自宅で仕込みをする許可を得るには飲食店と同じ設備を備えなければならず、かえってリフォームにコストや時間がかかってしまうからです。
仕込み場所はキッチンカーとは別にコストがかかることを視野に入れながら、正規の営業許可のある場所を確保しましょう。
移動販売の許可に必要な車の設備要件

キッチンカーの営業は、車内の設備要件をクリアしなければいけません。1つでも不備があると審査に落ちてしまうので、抜かりなく準備しましょう。
ここでは、移動販売の許可に必要な設備要件を4つに分けて解説します。
- 冷蔵・冷凍設備と電源
- 給排水設備
- 衛生管理設備
- 調理スペース
冷蔵・冷凍設備と電源
キッチンカーは、飲食店と同じく食品の安全な保管が必須です。冷蔵や冷凍、常温など、食品ごとに適切に温度管理をするために、冷蔵・冷凍設備を用意しましょう。
特に、夏場は食材の腐敗を防ぐために冷蔵・冷凍設備はなくてはならないものです。車載用冷蔵庫を使用すれば車両のシガーソケットから給電できるので、走行中でも食材を適切な温度で保管できます。しかし、自動車は停車すると、シガーソケットの通電も止まるのが一般的です。
そのため、停車後にも電気を使えるようにするには、以下のような方法を検討する必要があります。
- 発電機
- ポータブル電源
出店場所によっては、電源を現地調達できる場合もありますが、事前申請が必要だったり給電用ケーブルが必要だったりと手間がかかります。どのような出店先でも対応できるよう、キッチンカーで電源を確保できるようにしましょう。
給排水設備
給排水設備のポイントは大きく3つです。
- 給水・排水タンク
- シンクの数・サイズ
- 非接触水道の導入
給水・排水タンクはタンクの容量によって、キッチンカーで可能な調理工程や品目数などが異なります。
給水タンクの容量 | 約40L | 約80L | 約200L |
調理 | 簡単な調理のみ | 2工程程度までの簡易な調理 | 複数の工程からなる調理 |
品目数 | 1品目 | 複数品目 | 複数品目 |
食材 | 生鮮食品NG | 生鮮食品NG | 特にNGなし |
食器 | 使い捨て | 使い捨て | 通常の食器の使用可 |
仕込み | 不可 | 不可 | 可能 |
参考元:京都市「自動車営業取扱要領」
販売したい商品や調理工程などで、給水・排水タンクの大きさを検討しましょう。シンクの数やサイズに「シンクは2槽以上」「長さ〇cm×奥行〇cm×深さ〇cm」など、統一された基準はありません。「どのようなシンクがいいのか」は出店場所管轄する保健所に確認するのがベストですが、3槽式のシンクにしておくと、どこの保健所でも許可が降りやすいでしょう。
タンクからシンクに水を流すには、蛇口が不可欠です。改正食品衛生法の完全施行から、蛇口は非接触型水道の導入が義務付けられました。また、蛇口は1シンクに対して1つ必要で、1つの蛇口を複数のシンクで共有するのは認められていませんので注意しましょう。
衛生管理設備
衛生管理設備も重要なチェック項目です。
- 扉付き備品収納棚
- 網戸・サッシ
- フタ付きゴミ箱
キッチンカーには、食品以外に食器や調理器具などを収納するスペースが必要です。収納スペースには、ホコリや虫が入らないように扉がついていないと保健所の許可は下りません。設置されている扉に隙間がある場合にも衛生管理が不十分とみなされるので、注意しましょう。
商品提供窓や換気扇などは外と繋がる場所のため、虫やホコリが侵入しやすいです。窓にはサッシと網戸、換気扇にはフィルターを設置するなどして、防虫・防塵対策できるようにしておきましょう。
そして、キッチンカーのゴミ箱は、必ず「フタ付き」でなければいけません。ゴミ箱にフタが付いていることで、コバエの侵入や悪臭を防げます。また、汚れてもすぐに洗浄できるように、耐水性のゴミ箱を選んでおけば、よりキッチンカー内を清潔に保てるでしょう。
調理スペース
キッチンカーは車内で食品の調理をするので、調理スペースが必要です。
キッチンカーでは、衛生面を考慮して「調理スペースと運転席が間仕切りで分けられていること」が必要条件となっています。軽トラックなどのトラックタイプのキッチンカーであれば、最初から運転席と調理スペースが分かれているので、新たに仕切りを設置する必要ありません。
一方、バンタイプのキッチンカーには、間仕切りが必要です。設置する間仕切りは取り外し可能なものではなく、木の板やアクリル板などしっかりと固定された間仕切りにしましょう。
さらに、キッチンカー内の照明も、重要なチェック項目になります。照明が暗いと調理や販売などの業務が難しいためです。照明はただ明るければいいのではなく、保健所によって明るさの基準が設けられている場合もあります。管轄の保健所に確認し、基準に見合った明るさの証明を設置しましょう。
移動販売する営業場所の選び方

飲食の移動販売は、イベント会場はもちろん、オフィス街や商業施設など、さまざまな場所に出店しています。
出店場所の立地や客層など特徴を把握しておけば、キッチンカーで大きな成果を出せるはずです。ここでは、5つの出店場所の特徴をご紹介します。
- イベント会場
- 都市部のオフィス街
- 商業施設
- 駅前広場
- 市役所、公園などの公共施設
イベント会場
メリット | デメリット |
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イベント会場はイベントそのものに集客力があります。人出が多く、さまざまなキッチンカーが集まっているので、相乗効果で売上が伸びやすいです。また、イベントの期間も1日~数日と決まっているため、短い期間に大きな収益を見込めるでしょう。
しかし、イベントは天候によって中止や延期になるケースもあるため注意が必要です。年に一度や次回未定など開催回数の少ないイベントも多いでしょう。そのため、イベントに期待しすぎると収益が不安定なため、大きなダメージ受けかねません。
イベント会場に出店すると、大きな収益を見込めますが、ほかの出店場所と並行して出店することをおすすめします。
都市部のオフィス街
メリット | デメリット |
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都市部のオフィス街で売上の主力となるのは、ランチタイムのビジネスパーソンです。ピークタイムになる12時~13時に効率よく営業できれば、平日に安定した収益を得られます。オフィス街は決まった時間に決まった顧客が訪れることも多いので、顔馴染みが増えてリピーターを作りやすいのもメリットです。
しかし、オフィス街はピークタイムが短く集中しているため、商品の提供にスピードが求められます。提供スピードが遅く店前に長い列ができてしまうと、忙しいビジネスパーソン達の足は遠のいてしまうでしょう。
注文を正確に素早くさばくために、2名体制など人員確保を検討しなくてはいけないこともあります。高い収益を見込めるオフィス街ですが、自身の力量が見合っていないと、かえって収益を下げてしまう恐れもあるのでしっかりと検討しましょう。
商業施設
メリット | デメリット |
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商業施設には、日常的に客足があります。
1日の営業時間が比較的長く商業施設ならではの高い集客力があるので、安定した収益が見込めるでしょう。また、オフィス街とは異なり、大きく混み合うピークタイムはありません。そのため、「キッチンカーに慣れていない」というオーナーでもチャレンジしやすい出店場所です。
しかし、商業施設の1日の営業時間の長さは、デメリットにもなります。商業施設の出店は、たいていオープン・クローズ時間をデベロッパーに合わせなくてはいけません。また、長時間営業のためスタッフを雇うと人件費がかかります。「労力のわりに収益がなかった」という結果にならないように注意が必要です。
さらに、商業施設の中に固定の飲食店テナントが入っている場合、商品が競合してしまう恐れがあります。競合店の存在は収益が少なくなる原因になるので、事前にしっかりとしたリサーチが必要です。
駅前広場
メリット | デメリット |
安定した売上を期待できる | 駅・曜日・時間ごとに客層が変化しやすい |
駅前広場での主力のお客様は、出店した駅に自宅があり帰宅する人や駅前に買い物に訪れている人なので、平日は昼以降から夜、土日祝は昼前から夕方に集客しやすいです。このように、集客できる時間が読みやすいので、安定した売上が期待できるでしょう。
また、駅前広場は、安定した集客が見込める反面、駅や曜日、時間ごとに客層が変化しやすい特徴があります。平日の夕方なら夕食の惣菜を求めるビジネスパーソン多く、休日の昼はファミリー層や若者からスイーツ類が人気を集めるでしょう。
そのため、食事系からスイーツ系まで幅広くメニューを揃えておかなければ、期待する収益は得にくい点に注意が必要です。
市役所、公園などの公共施設
メリット | デメリット |
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市役所や公園などの公共施設は、子どもからお年寄りまでさまざまな年齢層が利用する住民にとって身近な場所です。普段から公共施設を利用している人たちに公共施設からの公示や広告でキッチンカーの出店を知ってもらうことで、幅広い集客を見込めます。
公共施設の出店は1年契約など長期にわたるケースもあるので、安定して営業機会を確保できるでしょう。ただし、公共施設の出店募集も年に1回など限られていることが多いです。出店したい場所があるときは、定期的に募集情報をチェックする必要があります。
また、公共施設は地域性の強い場所なので、地域のニーズのリサーチが重要です。長期契約で安定した営業機会を得られても、商材と地域住民のニーズがマッチしていないと、収益は上がりません。
移動販売で成功するためのコツ

周りに移動販売をしている人がおらず情報が少ないと「なかなか開業に踏み切れない」という方もいらっしゃるでしょう。
移動販売は初期コストを抑えて出店できるので、非常に人気が高まっています。しかし、固定店舗を持つ飲食店以上に臨機応変さや情報発信力、分析力などが求められる面も多く、継続はなかなか難しいです。
はじめて移動販売に挑戦するなら、成功するための6つのコツをおさえておきましょう。
複数の出店場所を確保する
移動販売では多くの販売場所を開拓し、確保しましょう。
移動販売の大きな強みは、営業場所まで自らが移動できることです。固定の飲食店のようにひとところに留まらずに、販売する商品のニーズのある場所まで行って、営業できます。曜日や時間ごとの客層や商材のニーズをリサーチしておけば、「平日昼間はAビル前」「夕方から夜はB駅前広場」など、商品を効率よく販売可能です。広い地域を視野に入れて移動するほど販売場所を確保しやすく、収益も期待できるでしょう。
また、複数の販売場所を確保しておけば、販売できなくなるリスクを回避できます。たとえば、いつも出店している公共施設が急に利用できなくなった場合でも、ほかの販売場所をいくつかリストアップしておくと、違う場所をスムーズに探せるでしょう。
移動販売では複数の販売場所を確保すれば、リスクを回避しながら安定した営業ができます。
状況に合わせてメニューを変更する
販売するメニューを臨機応変に変更するのも、移動販売のコツです。季節や天候、出店場所の客層などに応じてメニューを柔軟に変えましょう。
特に、移動販売は近くに出店する店舗が毎回異なります。近くに商品が競合する店舗がある場合、お客様の目を惹くような臨機応変な対応が必要です。
また、イベント出店の場合、お客様は購入した商品を屋外で食べることも多いでしょう。季節や天候に合わせてメニューを変更するのも重要です。たとえば、寒い日には温かいスープをメニューに加えるだけでも、お客様の目に止まりやすくなります。
状況に合わせたメニュー対応で出店場所のお客様を掴みましょう。
主力メニューを作る
客層や気候などによる臨機応変なメニュー対応とともに、主力の看板メニューもしっかり提供していきましょう。主力のメニューまで頻繁に変更してしまうと、何を売っているのかわからずお客様に認知されにくいです。
反対に、看板メニューがあればお店の特徴がわかりやすく、お客様に覚えてもらいやすいのでリピーターも増えていきます。わかりやすい特徴は、SNSなどで口コミも発信しやすいでしょう。
看板メニューを確立するには、開発や他店の商品の研究など非常に労力と時間がかかります。しかし、手間ひまをかけてつくった看板メニューだからこそ、お客様に自信を持っておすすめしたい商品になるのです。
移動販売では、店の顔となる主力メニューを作ってお客様にアピールしていきましょう。
魅力的な外観やメニュー写真を用意する
お客様は商品そのものばかりではなく、外観や商品の包材、メニューにも魅かれて来店されます。そのため、販促物を活用して、視覚的なアピールをしましょう。
POPやタペストリーなどの販促ツールは適当につくらずに、デザインや品質のよい物を選びましょう。また、商品の包材が魅力的だとお客様に持って歩いてもらうだけで「どこのお店だろう」と、お店から離れた場所にいるお客様にも興味を持ってもらえます。
さらに、メニューはお客様に「食べたい」と感じさせる重要なツールなので、明るく美味しそうな食べ物の写真を入れるのが効果的です。ただし、アピールしたいからといって実際の商品ではない写真を使ってはいけません。写真から期待して注文してくれたお客様を、裏切ることになるからです。
お客様の期待に反するような行為は、お客様が遠のいていく原因になるため、絶対に行わないように心がけましょう。
原価と経費の管理を行う
移動販売を継続・成功させるために、利益が大切です。どんなに売上が上がっていても、原価やその他経費がかかり過ぎていては、赤字になってしまいます。
移動販売を始める前に、以下のことを具体的にしておきましょう。
- 商品の売値
- 1日の目標販売数
- 商品の原価
- 運用に必要な経費
移動販売で1番に減らせる経費は人件費です。最初はスタッフを雇わず1人で営業すれば、人件費を削減できます。また、食材ロスを減らすのも、経費削減に繋がります。使用する食材の種類を抑えたりメニュー構成を工夫したりして、食材ロスを減らす努力をしましょう。
原価や経費をうまくコントロールしていけば、収益に繋がっていくはずです。
継続的な運営を意識する
「継続は力なり」という通り、移動販売も継続的な運営を意識しましょう。移動販売は初期費用が少なく、早ければ3ヶ月ほどの準備期間でスピーディーな開業が可能です。
開業までの準備期間は短くても、移動販売もビジネスの一つ。どのような事業でも、結果が出るまでには時間がかかります。また、認知度を上げにくいのも結果がなかなか出ない原因の一つでしょう。実店舗のある飲食店はGoogleマップなどの地図検索でも調べやすいのに対して、移動販売は出店場所が変わるため固定客が付きにくいです。
しかし、継続して運営することによって徐々にリピーターを獲得できますし、SNSでお店の評判も広がっていきます。短期の利益で諦めず、継続することが移動販売を成功させるコツです。
必要な許可を取得し、最適な出店場所を選んで移動販売を成功させましょう(まとめ)

移動販売とは「移動しながら商品を販売する業態」のことをいいます。
飲食物を販売する移動販売では、メニューの準備のほかに営業許可や食品衛生責任者資格の取得が必要です。特に、キッチンカーの設備要件は重要で、1つでも基準に合っていないと審査に落ちてしまいます。営業許可の申請をする前に管轄の保健所に基準を確認し、一度の審査で合格できるようにしましょう。
移動販売を成功させるには、主力メニューや魅力的な販促物を作成することはもちろん、原価や経費の管理が重要です。どんなに売上が上がっていても、原価や経費がかかり過ぎていると利益に繋がりません。そこで、原価や経費の管理・分析には、POSシステムの利用がおすすめです。
NECが提供するサブスクリプション型POSシステム「NECモバイルPOS」は、飲食事業者向けサブスクPOSです。仕入管理や決済サービス連携など飲食店事業に必要な機能がカスタマイズせずに利用可能なので、移動販売の1人での運営にも強い味方になります。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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