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企業変革を加速するNECの実践 ― データとAIで推進する営業DXと意思決定の高度化 ―

企業を取り巻く環境が急速に変化する中、データやAIを活用した企業経営改革の必要性が高まっています。特に、営業領域の変革は収益力に直結する重要なテーマであり、その成果を全社へと広げることが競争優位の確立につながります。
NECは、営業プロセスの改革をはじめ、データ活用とAIを組み合わせた全社的な経営変革を推進してきました。本記事では、その具体的な取り組みと成果をもとに、企業経営改革を実現するための実践ポイントを具体的に解説します。

  • 本記事は「Salesforce Japan Partner Award 2026」におけるNECのプレゼンテーション内容をもとに再構成した講演抄録です。同イベントで、NECは、new windowSalesforce Japan Partner Award 2026において「Japan Partner of the Year - Internal Use -」を受賞しました。Salesforceの多様な製品群(Agentforce Sales、Agentforce、Data 360、MuleSoft、Tableau等)を組み合わせたNECグループ全体での大規模な自社活用により、営業DXを継続的に推進している点が高く評価されています。

目次

企業変革の出発点は「危機感」と「信頼の再構築」

NECのコーポレート・トランスフォーメーションは、2010年代の業績悪化、社員エンゲージメントスコア19%という厳しい現実から始まりました。組織としての活力低下が顕在化する中、抜本的な改革が求められていました。
NECが最初に取り組んだのは、システム導入ではなく「信頼の基盤づくり」です。営業領域だけでも4,000回を超える現場との対話を重ね、「意識」や「スキル」、取組みの「継続」、成果を上げるまでの「活用」といった複数の障壁を一つひとつ乗り越えていきました。テクノロジー導入に先立ち、人と組織の変革を重視した点が本取り組みの重要な特徴です。

データ活用基盤が経営の共通言語になる

AI活用を前提とした企業経営改革を進めるうえで不可欠なのが、信頼できるデータ基盤の構築です。NECは顧客データの整備に注力し、Salesforce上の顧客マスターをクレンジング。約38万件のデータに対して99.7%という高い精度を実現しました。この高品質なデータ基盤により、営業活動の可視化と分析が可能となり、データに基づく意思決定が組織全体に浸透していきました。

営業プロセス改革が生み出す新たな価値

データ基盤の整備と並行して進められたのが、営業プロセスの抜本的な見直しです。商談更新や活動登録といった従来は手作業で行っていた業務をAIが代替し、多様なチャネルからの情報を自動的に記録する仕組みを構築しています。その結果、入力工数は40%削減されるとともに、レコード件数は約2.2倍、テキストデータ量は約2.7倍に増加しました。
これにより、営業担当者の経験や勘に依存していた情報が組織の共有資産として蓄積され、新たな価値創出へとつながっています。例えば、高利益商談の分析から「受注の12カ月前に特定の行動が3.8倍多く存在する」という新たな勝ちパターンが発見されました。さらに、勝率の高い営業社員の行動を分析し、その要素をプロセスとして型化。
SFA上の活動タスクとして具体化し、エース営業の行動パターンを組織全体で再現可能な仕組みを構築することで、営業活動の標準化と底上げが進み、個人に依存しない営業力の強化を実現しています。

全社への展開とAIで意思決定の高度化

データ活用の取り組みは営業領域にとどまらず、経営レベルで実践されています。NECでは「経営コックピット」により、営業・財務・人事など全社データを統合し、経営層から現場社員まで同一のデータを共有できる環境を整備しました。これにより、経営層から現場まで同じ情報をもとに意思決定を行うことが可能となり、部門間の連携も強化されました。さらに、このコックピットにはCxO AIが組み込まれており、データの見方や次のアクションをAIが示唆します。これにより、専門知識がなくてもデータ活用が可能となり、意思決定の迅速化と高度化が実現されています。

成果につながった組織と文化の変化

これらの取り組みにより、営業成果は大きく向上しました。勝率の向上や受注件数の倍増など、具体的な成果が現れるとともに、営業利益も大幅に改善しています。

また、データ活用を含む全社的な変革の取り組みの成果として、社員のエンゲージメントスコアは19%から48%へと向上し、組織全体の意識変革も進んでいます。

営業改革やデータドリブン経営において重要なのは、データ活用を一部の専門組織にとどめるのではなく、全社的な取り組みとして定着させた点です。社内におけるデータ活用の優良事例を称賛・共有する「データドリブン経営コンテスト」を開催し、全社でデータを活用する文化の醸成を継続的に進めています。

自社実践から広がる価値提供

NECは、こうした自社での実践で得た知見を、社会価値創造モデル「BluStellar」として体系化し、顧客や社会への価値提供を進めています。単なるツール導入ではなく、業務プロセス、データ基盤、組織文化の三位一体で変革を支援する点が特徴です。

企業経営改革を実現するためのポイント

企業経営改革において重要なのはテクノロジー単体ではないという点です。成果を生み出すためには、以下の要素を統合的に推進する必要があります。

  • データの信頼性を確保する基盤整備
  • 現場で活用できる業務プロセスの設計
  • 継続的に活用される組織文化の醸成

これらを一体で進めることが、持続的な企業価値向上につながります。
今後もNECは、さらなる高度化を図りながら、日本企業のAXと社会価値創出に貢献していきます。

本記事の発信者

NEC
コーポレートIT・AIイノベーション部門
セールスDX推進グループ
シニアプロフェッショナル
原田 隆洋

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