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日東工業株式会社様
データ活用に必要な総合的なノウハウを提供
伴走型の支援で本格的なデータ活用の導入に寄与
- 業種:
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- 製造・プロセス
- 業務:
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- 共通業務
- 営業・販売
- 製品:
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- その他
- ソリューション・サービス:
-
- 共通業務/その他
- サービス/コンサルティングサービス
事例の概要
課題背景
- 全社員が、目的に合わせて業務データを分析し、意思決定の迅速化や高度化を行うデータドリブン経営の実現を目指していた
- しかし、データの収集・加工・整形だけで数日かかるなど、膨大な手間と時間を要しており、データ活用のスピード感に課題があった
- データの収集は情報システム部門担当者がつど行っていたが、やり直しが多数発生。データを積極的に活用する文化の醸成が遅々として進まなかった
成果
データ活用基盤を導入し、活用が進められる環境を構築
NECのリファレンスモデルをベースに「データ活用基盤(スモールスタート版)」をクラウド上に構築。必要なデータを蓄積し、データ分析をスピーディに実行できる環境を整えた
データ活用のすべてのプロセスにおいて、有識者として一緒に検討する「伴走型」のご支援を実施
データ活用において最も重要な「データ活用テーマの選定プロセス」から参画。複数のテーマ候補を評価・優先度付けを行い、初期対応テーマの絞り込みにも寄与
売上状況の可視化から着手。可視化までのリードタイムを大幅に短縮
まずは「標準品」と呼ばれる商品群の売上状況の分析・可視化から着手。必要なデータが「データ活用基盤」に蓄積されていることで、BIツールでの可視化スピードが大幅に高速化した
導入ソリューション
NECの「データ活用基盤(スモールスタート版)」をクラウドであるAWS(Amazon Web Services)上に構築したほか、データ蓄積のためのデータパイプライン(ETL処理)も開発。データ分析を行うための環境を整えた。加えて、データ活用テーマの絞り込みや、導入後の活用支援など、伴走しながらすべてのプロセスに対して支援を実施。データ活用に関する総合的な知見を提供した。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
データ取得だけで数日かかる状態でデータ活用が遅々として進まなかった
「電気と情報をつなぐ」をスローガンに掲げ、高圧受電設備・分電盤などの電路資材や、電子機器を収納するキャビネットなどの情報通信関連資材を製造する日東工業株式会社様。毎日の暮らしから産業まで、さまざまなシーンで社会を支えています。
同社ではこれまで、お客様の要望にスピーディに対応するために、見積、受注、設計、手配、生産、出荷までの各工程において、工程間でデータを自動連携する業務効率化システムを活用してきました。現在、蓄積された業務データを、目的に応じて取り出し、意思決定の迅速化や高度化に活用する、データドリブン経営の実現を目指していると、執行役員 DX統括部長の水野泰宏氏は言います。
「各業務プロセスではデータはしっかりと引き継がれています。例えば、設計者は、一つ前の営業工程の情報を使って仕事をし、生産担当者は一つ前の設計の情報を使って仕事をするといった、業務プロセス間のデータ連携を行う仕組みを構築するなどして、当社の強みである短納期を実現しています。しかし、これはデータ活用の一側面でしかありません。開発担当者が、出荷データを分析して新たな製品を開発してもよいでしょう。あるいは、生産データを営業担当者が活用してもよいでしょう。むしろ、これからは、そうしたデータ活用に基づいた価値創造や分析精度向上を、社内の誰もが自由に行える文化を醸成すべきだと考えています」(水野氏)
しかし、いざ業務データを二次活用しようとすると、「データ取得だけで膨大な時間がかかり、意欲が削がれることも多々あった」と、水野氏は振り返ります。
基幹システムに蓄積された業務データは、工程間の自動連携などに最適化されたもので、もともと二次利用、三次利用を見込んだものではありませんでした。そのため、データ取得を依頼された情報システム部の担当者が3日、4日かけてデータを抽出し整えるなど、「準備に膨大な時間と手間を要していた」とDX統括部長直轄IT推進課の髙村哲也氏は説明します。
「加えて、依頼する側もデータ活用に慣れていないこともあり、一度抽出されたデータに対して項目追加の要望が発生するなどのやり直し作業も頻繁に発生し、さらに準備が遅れる状況が各所で起こっていました」(髙村氏)
こうした状況を改善すべく、日東工業様では、データ分析用のデータベースを備えた新たなデータ活用基盤の導入検討を開始します。約一年かけ、国内外のシステムベンダ10数社の製品を研究し、検討を重ねた結果、同社が選んだのは、NECの「データ活用基盤」でした。
選択のポイント
伴走しながらトータル支援 “先達のノウハウ”提供が大きな価値に
NECの「データ活用基盤」を選んだ理由として、水野氏は「同じ製造業に携わる企業ならではの、“地に足の着いたものづくり”」に共感を覚えたと言及。さらに髙村氏は、「単にデータ活用基盤を提供するだけではなく、使いこなすための考え方やノウハウも提供してくれる点」が大きなポイントになったと説明します。
「データ活用基盤とは、データを入れる“バケツ”のようなもの。我々はバケツに水や物を入れて使うものだと知っていますが、初めて使う子どもは、バケツだけを渡されても何もできません。それと同じようにデータ活用基盤も、データの入れ方や正しい使い方がわからないと何もできません。単にデータ活用基盤を構築するだけでなく、活用方法を含めた総合的な知見を提供してもらえる懐の深さが、我々がNECを選んだ最大の決め手です」(髙村氏)
実際の導入に際し、NECは、データ活用基盤をクラウド上に構築したことに加え、データ活用におけるテーマ選定プロセスにも参画。当初、社内に存在する全てのデータの蓄積を目指していた日東工業様に対して、解決したい課題の優先度に沿って必要なデータを蓄積することを提唱するなどし、初期対応テーマの絞り込みにも寄与しました。その際のNEC担当者の、「課題解決に向け、親身になって伴走してくれる姿勢」も高く評価したと髙村氏は言います。
「極端な話、彼らの都合の良いようにパッケージサービスに誘導したり、言われた通りのものを作って済ませてしまうこともできたと思います。しかし、NECの担当者はそうしなかった。私たちが目指すものに対して、ときに『それだと絶対に使い物にならなくなります』などの強い言葉と意志で方向性を示しながら、親身になって一緒に考えてくれました。そうした真っ直ぐな姿勢で、“先達のノウハウ”を惜しみなく授けてくれたことが、何よりもありがたいことでした」(髙村氏)
加えて、同課の濱砂陽子氏も、「データ活用について学び直すきっかけ」や「DX人材育成の必要性に気づく契機になった」とし、NEC「データ活用基盤」の導入プロセスを高く評価しました。
導入後の成果
売上状況の可視化が迅速化 将来は全部門のデータが入った基盤構築へ
日東工業様では、2023年8月より「データ活用基盤」の運用を開始。まずは営業部門における「標準品」の売上状況の可視化から取り組んでいます。
「データ活用基盤」の導入効果について、情報システム部 営業システム課の松原正知氏は、「必要なデータにアクセスしBIツールで可視化する操作が、以前と比べ、格段に速くできるようになった」ことを挙げます。
さらに髙村氏は、データ活用の効率化が進むことで、「データを分析することの意義が、社内に浸透し始めた」と言います。
「これまで『標準品』の売上は、月末の売上金額の合計という形でしか捉えられませんでした。それが、データを細かく分析できるようになり、その売上推移が、どういう市場の動きに追従しているのかわかるようになりました。やはりデータ分析ができると、わかることが増えるねと、その利用効果が社内で認知され始めました。業務成果につながるステップを、着実に前に進められていると実感しています」(髙村氏)
NECは導入後も、QA対応などの活用支援を提供。その利用効果についても、「これまでデータ分析の経験がなく、当初は活用イメージがなかなか湧かなかったが、助言をもらうことで、データの蓄積や分析、営業施策効果の可視化など、社内で対応できる作業の幅が広がった」(松原氏)と評価していただきました。
今後、日東工業様では、初期テーマである「標準品」の分析において、「データを貯める」「データを分析し、可視化する」「行動につなげる」というデータ活用の一連のプロセスを回し切り、その効果を見極めたうえで、生産部門や調達部門、経営部門など他部門へと広げていく予定とのこと。
さらにその先には、「社内のあらゆる部門のデータが入ったデータ活用基盤」に拡張し、「社員の誰もが、その場でデータを取り出して、意思決定の迅速化や高度化に活用できるレベルにまで到達したい」(水野氏)と、データ活用基盤のさらなる活用に、強い意欲を示していただきました。
NEC担当スタッフの声
伴走しながらのトータル支援に価値を感じていただけたプロジェクト
日東工業様とのプロジェクトに携わる中で、特に感銘を受けたのは、皆様からさまざまなご相談を受けることができた点です。さらに我々から提供したアイデアや情報を、何らかの形で活用しようと試行錯誤されている様子を各所でお見受けし、大いに勇気づけられました。
お客様によっては、「とにかくシステムを安価に構築してほしい、それ以外のところは期待していない」と言われることもあります。しかし、我々はそれだけでは、「データ活用基盤」の価値を十分発揮することができないと考えており、プロジェクトの進め方や活用法など、我々が伴走しながらトータルでご支援することで価値を最大化できるものと考えています。日東工業様には、まさにその点に価値を感じていただけたという意味で、大きな喜びを感じるプロジェクトとなりました。
データ活用にこれから取り組まれる企業様、もしくは、すでに取り組まれている企業様においては、ぜひ目的や課題設定を明確にしたうえで、プロジェクトを進めていただきたく思います。データ活用は、「データありき」で始まるものではありません。あくまでも、目的をしっかりと定義し、自分たちがどんな課題を解決したいのか、自分たちのビジネスをどう改善したいのかを具体化したうえで、その手段として、データ活用基盤を構築・活用していくことが大事です。
我々NECは、そうした目的・課題設定を含め、データ活用のすべてのプロセスに対してトータルなご支援を提供しております。ぜひお気軽にお声がけいただければと思います。
お客様プロフィール
日東工業株式会社
本社 | 〒480-1189 愛知県長久手市蟹原2201番地 |
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設立 | 1948年11月24日 |
代表者 | 取締役社長COO 黒野 透 |
資本金 | 65億78百万円 |
従業員数 | 連結4,261名 単体2,148名(2023年3月31日現在) |
事業内容 | 高圧受電設備、分電盤、ホーム分電盤、光接続箱、金属製キャビネット、樹脂製ボックス、システムラック、ブレーカ、開閉器、電気自動車(EV・PHEV)用充電器シリーズ、熱関連機器などの電気機械器具製造・販売および発電・売電事業 |
URL | https://www.nito.co.jp |
この事例の製品・ソリューション
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(2023年12月18日)