Japan
サイト内の現在位置

NECグループでは全11万人のうち約3万人が世界各地で働いています。NEC社長兼CEOの森田隆之は2021年の就任以来、日本のみならずグローバルの社員とも対話を重ねてきました。当初はCOVID-19による制限からグローバルにはオンラインが中心でしたが、最近は現地に足を運んでの対話集会を広げています。「組織や人を繋ぐことで新たな価値を生んでいくのも私の役割」と語る森田。NECグループが一体となって成長し続けるため社員に伝えたい思い、そして対話を続ける理由とは。
飾らない言葉で、真正面から語り掛ける
6月、シンガポール。NEC APAC社のオフィスは高揚感と緊張感に包まれていました。この日はASEAN地域の社員との初めてのリアル対話集会。用意した大部屋いっぱいに約100人の社員が肩を寄せ合い、オンラインでも各国から多数の社員が参加しました。拍手のなか登場した森田を見つめる社員たちは、その第一声を待ちます。
「皆さんの努力によって健全な状況に戻ってきた。次に私たちが向かうのは新たな成長ステージだ」。こう切り出した森田は、NECグループの現状と今後の成長への道筋をシンプルに、わかりやすく語り始めました。これまでの変革によって実現してきたこと、反省すること、これから実現していくこと。会社が向かうべき方向を明確に伝えることで、経営者と社員との認識のベクトルを合わせます。森田が社員との対話で心がけるのは、透明性と誠実な姿勢。これは創業以来NECが大切にしているインテグリティの精神でもあります。


『パソコン画面の中の存在』だったCEOを前に、最初は緊張気味だった若手社員たち。それが真正面から語りかける森田につられ、多くの質問をぶつけ始めます。「国や地域を越えた役割を担うためのグローバルな働き方は」「海外に拠点を置く研究所の今後は」「地域間連携を進めるには」「若手社員は多様な知識と特定分野でのスキル、どちらを習得すべきか」──。



多様性あふれる社員がもつ関心や問題意識もまた様々。森田はひとり一人の質問に対して丁寧に答えます。「共通化が進む制度やプラットフォームを活用し、自己成長に挑戦してほしい」「NECには多くの先端技術やノウハウがある。地域やビジネス領域を超えたコミュニケーションは価値創出の機会を生む。グループの力を最大限活用しよう」。社内の豊富な資産や機会をどう使い、行動するか。森田は社員たちの自律的な行動に期待します。メッセージを受け取った社員は「ひとり一人がどう成長していくべきかについて深い洞察が言葉に込められていた。組織全体の成長につながる」と語ります。
Purpose実現のために変わり続ける。人も組織も。
変革なくして成長はない──。森田が社員に粘り強く訴えてきたテーマです。その根底にはNECグループのPurpose(存在意義)である「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」との想いがあります。技術革新により、社会やお客様の課題やニーズは絶えず変化・多様化するもの。その中でスピード感をもって価値を提供できる会社であり続けるためには、技術や組織だけでなく社員もまた、成長するための変化を続けていく必要があります。 この変化の重要性と意義をグループ全社員と共有することも、対話集会の大きな目的です。
「変革の指針がPurpose。社会のため、お客様のために、私たちはどうあるべきなのか。立ち返るとどう行動すべきかが見えてくる」。9月、森田はNECオーストラリア社のメルボルンオフィスに集った社員たちに語りかけました。同社はその半世紀以上の歴史の中で、経営陣の現地化やビジネスモデルのシフトなど、絶えず変革を経験してきました。森田は「変革には時に痛みを伴う。これまでのやり方を変える厳しい経営判断が必要な時もある」と社員の気持ちに寄り添いつつ、その必要性をじっくりと伝えました。


変革という言葉に対して、どこか不安を抱く社員もいるはず。美辞麗句ではない、真摯で率直なメッセージこそ、理解と共感を得られます。同社の人材開発チームで働く社員は、「会社が目指していることを、CEOがオープンに語ってくれたことが本当にうれしい」と笑顔を見せ、「新たな成長に向けた変革のために、自分にももっと出来ることがある。そう感じさせてくれた」と話します。
全社員で共有したい、会社が目指すもの、そして大切にしたいもの。
Purposeの実現。このためにNECグループは変革を止めません。森田は「国内外のNECグループが持つ技術、人的資本、全ての経営資源を最大限活用することで、より大きな価値を社会に届けたい。そしてNECグループをさらに競争力ある強い組織へと進化させたい」と語ります。


グローバルに競争力ある存在に。そのためには「社員一人ひとりが高いモチベーションを持ち、個々の力を最大限発揮する。そして、会社が進む方向に対する社員の理解と共感が不可欠」。そう考える森田は率先してグローバルの社員とのコミュニケーションにも力を注ぎます。直接社員の声に耳を傾け、互いに顔を合わせての意見交換はこれからも様々な国や地域で続く。世界の社員たちとの距離は確実に縮まり、視線は同じ方向を向いています。