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「災害弱者」も「逃げ遅れゼロ」の社会へ NECの技術で現場に寄り添うサービス実現

災害大国、日本。2024年の年明け早々発生した能登半島地震では、自然災害が甚大な被害をもたらすことを改めて痛感させられました。災害による犠牲を抑えるために「災害弱者」と呼ばれる自力での避難が困難な高齢者や障がい者などの逃げ遅れをどう防ぐか。少子高齢化が進む日本の喫緊の課題に、NECは「逃げ遅れゼロ」を使命として挑みます。デジタルの力を駆使した「避難行動支援サービス」は、2024年2月から段階的に提供をスタート。NECの挑戦は利用者の声に寄り添い進化しています。

災害時の要支援者避難 自治体と住民の連携をICTの力でサポート

「もしもし?動けますか?大丈夫ですか?」
2024年 1 月 20 日に行われた大阪府豊中市の防災訓練で、「避難行動支援サービス」を実際に少路地区の住民が使って検証。高齢者などの要支援者の状況について従来の紙名簿による安否確認と、NECが開発したアプリをスマホで使う「デジタル安否確認」を比べました。

「紙の管理は現実的には無理」。住民からはこんな声も飛び出した防災訓練ですが、そもそもなぜこうした訓練を行うのか。背景には、要支援者の逃げ遅れを防ぐために2021年に災害対策基本法が改正され、要支援者の個別避難計画の作成が努力義務となったことがあります。

ほとんどの自治体では個別避難計画や要支援者の名簿は紙で運用しています。しかし「紙の名簿だと一部の地域支援者のみに配布が限定されています。また、紛失の危険性など個人情報管理の面でも課題を感じています」と豊中市福祉部地域共生課の尾藤由麻さんが語るように、現場への共有や情報更新の負担、個人情報保護など様々な課題があり、災害時にも「使いにくいのでは」と疑問視する声があります。

豊中市 福祉部 地域共生課 地域共生推進係
尾藤 由麻さん

そこで NECが開発したのが「避難行動支援サービス」。具体的には、平常時に個別避難計画をオンラインで作成する「個別避難計画作成支援サービス」と、災害時にLINEなどのアプリを通じて要支援者の安否確認や避難状況を集約できる「共助避難支援サービス」の2つの機能で構成されており、自治体と地域コミュニティの連携を促進します。

「複雑な社会課題への挑戦がNECの使命」 利用者の声を聞きながら一緒に作る

災害時の要支援者の避難は、「防災」と「福祉」の二つの領域にまたがる課題です。自治体でも複数の部署が関わるため、システムや情報の管理も複雑で、導入や運用のハードルも高くなります。

「複雑な社会課題だからこそ挑戦することがNECが取り組む意義であり使命」。こう話すのはサービスの開発・導入をリードした国内スマートシティ営業統括部の直島浩樹です。もともとNECは消防指令や防災無線など防災領域のシステムで国内シェア4割を誇ります。

この実績を活かしながら、今回のサービス実現のためにNECのメンバーが全国の自治体を回って防災課や福祉課、地域の住民に何度も直接ヒアリング。1月に豊中市で行った防災訓練でも、直島らが参加し「分かりにくいのはどこですか」などと福祉委員会や民生児童委員など地域の参加者に使い勝手を聞きとりました。

「デジタル化すると若い人を巻き込みやすくなると思う」と語るのは、訓練に参加した豊中市少路校区福祉委員会の佐藤泰子さん。一方で「(サービスを使う)支援者も高齢者が多い」というように、今回の訓練で支援者として参加した住民も50代~70代の方々がほとんどなのが実情です。

ただ、訓練後に参加者に尋ねたアンケートでは、約87%が「本アプリを実際の災害時にも利用したい」と回答しており、デジタル化への不安の声も一部ありつつも、「迅速に対応が可能なので大変結構」「(地域の情報をとりまとめる)代表者と同時に状況を確認できるのが良い」などと好意的な反応が多く寄せられました。

災害時に「代表者」の役割を担う豊中市少路校区福祉委員会の会長、白野孝明さんも期待を込めます。「従来の紙での運用とは天と地との差くらい本当に違う。仕事で家にいないことも多いので、いざ災害が起こった時に代表者として名簿を配布することは課題に感じていた。デジタルで(名簿がや情報が)共有できると非常に有効だと思います」

豊中市少路校区福祉委員会 書記
佐藤 泰子さん
豊中市少路校区福祉委員会 会長
白野 孝明さん

日本各地の自治体から問い合わせ 世界でも「安全・安心」実現へ

避難行動支援サービスは、提供開始前にもかかわらず、すでに多くの自治体から問い合わせがあり、すでに導入が決まっている自治体もあります。

海外からの問い合わせもきています。災害大国かつ少子高齢化が進む日本で作られた福祉・防災にまたがるサービスだからこそ「期待の声が強い」という分析もあります。まずは国内からのスタートですが、海外展開も視野に入っています。このサービスを国内外に普及させて「NECの力で『逃げ遅れゼロ』の社会の実現につなげたい」と、NECの直島は力を込めます。

国内スマートシティ営業統括部 マネージャ
直島 浩樹

「逃げ遅れゼロ」は「言うは易く行うは難し」。それでも防災領域に強みにしてきたNECだからこそ、挑戦できる課題です。「避難行動支援サービス」を含むNECのソリューションを普及させることで、NECがPurpose(存在意義)に掲げる「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」を世界で実現することを目指します。

*NEC調べ

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