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2024年度C&C賞表彰式典開催

2024年11月27日、ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)にて、2024年度C&C賞表彰式典を執り行いました。式典会場(写真1)には75名が出席、そして、25名がオンライン視聴しました。

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写真1 C&C賞表彰式典

贈呈式は午後3時から、新野隆理事長による開会の挨拶で始まりました。挨拶のなかで、財団の主要な活動が紹介され、C&C賞は1985年の表彰開始から今年で40回目を迎え、過去79グループ125名の受賞者を輩出し、2016年の受賞者であるnew windowヒントン名誉教授が今年のノーベル物理学賞に選ばれ、また、その説明資料で紹介されたPDF甘利俊一様new window福島邦彦様は2003年と2021年のC&C賞受賞者であると報告されました。また、今年から、個人に加えチームもC&C賞の表彰対象として選考が行われたと説明がありました。

次に、徳田英幸審査委員長から、C&C賞選考経緯と受賞2グループの発表がありました。new windowグループAの受賞者として、「大容量波長多重光海底ケーブルシステム開発・実用化への貢献」に対し、秋葉重幸様、鈴木正敏様、森田逸郎様の3名、また、new windowグループ Bの受賞者として、「For pioneering research of the Transformer deep learning model serving as the foundation of generative AI(生成AIの基盤となる深層学習モデルTransformerの先駆的研究)」に対し、Transformer team(メンバーは、論文「Attention Is All You Need」の著者8名:Ashish Vaswani, Noam Shazeer, Niki Parmar, Jakob Uszkoreit, Llion Jones, Aidan Gomez, Lukasz Kaiser, Illia Polosukhin)が選ばれ、それぞれの業績が紹介されました。

続いて、C&C賞贈呈に移り、新野理事長から、グループAの3人の受賞者に、それぞれ、表彰状、賞牌と賞金目録が贈呈され、グループBのTransformer teamには、式典会場で出席したLlion Owen Jones様とLukasz Kaiser様の2人が代表して賞牌と賞金目録を受け取り、メンバー全員に賞状が贈られました(写真2)。

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写真2 受賞者夫妻記念写真:グループA受賞者の秋葉博士夫妻、鈴木博士夫妻、森田博士夫妻、新野理事長、グループB受賞者のJones様、Kaiser様(左から)

次に、ご来賓から祝辞を賜りました。野原諭 経済産業省商務情報政策局局長からは、受賞者の業績を称えるとともに、国際間通信の99%が海底ケーブルを利用し情報化社会に大きく貢献しており、また、社会が直面している社会課題に対して生成AIの活用が必要で、革新的な技術成果が幅広い産業の発展、国民生活の向上につながるよう、日本としても推進していきたいとのお言葉がありました。山中直明 電子情報通信学会会長は、受賞者の業績が与えたインパクトについて感想を述べられたあと、歴代のC&C賞受賞者は、論文が素晴らしいだけでなく、社会に実装されて大きな貢献をしている技術を生み出しており、今回の受賞者のように優れた技術が幸せな未来を作ることを希望すると、ご祝辞を締めくくりました。

贈呈式のあと、受賞講演会に移りました。グループAは、大容量波長多重海底ケーブルシステムについて技術の変遷と大容量化の経緯を、受賞者3人で分担して講演しました。秋葉様は、光増幅中継伝送から波長多重までを、鈴木様は、分散マネージドソリトンとその大容量光海底ケーブルへの応用について、森田様は、空間多重による更なる大容量化について話されました。グループBは、会場参加したJones様とKaiser様が共同で講演しました。最初にJones様がチームを代表して受賞の謝意とメンバー8人の近況を日本語で話し、Kaiser様がTransformerと生成AIについて解説しました。続けて、オンライン参加したVaswani様、Shazeer様、Uszkoreit様、Polosukhin様からショートスピーチがありました。

受賞講演の後、受賞者を囲んでのカクテルパーティの場が設けられました。歓談は40分程度の短いものではありましたが多数の方にご参加いただき、和やかな雰囲気のなかで、参加者が受賞者にお祝いの言葉を述べ、また参加者同士が懇親を深める交歓の場となりました。

晩餐会には、受賞者夫妻とご来賓の方々が参加されました。新野理事長の開会の挨拶に続き、森本典繁 情報処理学会会長のスピーチと乾杯の発声で、ご歓談しながらのお食事が始まりました。宴の終わりに、グループAの受賞者の招待者の紹介とご祝辞、受賞者の返礼がありました。グループBはJones様がお礼のスピーチをしました。午後7時40分、和やかな雰囲気のなか、晩餐会はお開きとなりました。


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公益財団法人NEC C&C財団について

NEC C&C財団は、C&C技術分野、すなわち情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術及びこれらの融合する技術分野における開拓又は研究に対する奨励及び助成活動を通じて、世界のエレクトロニクス産業の一層の発展を図り、経済社会の進展と社会生活の向上に寄与することを目的としています。1985年3月に設立された財団法人であり、その基金はNECからの寄付金に依っています。

この目的を果たすための活動として、現在、顕彰事業及び研究助成事業を行っています。

顕彰事業としては、C&C分野の開拓・研究、あるいはこの分野の社会科学的研究活動に関し顕著な貢献のあった方に対して、C&C賞を贈呈しています。

研究助成事業としては、日本在住の大学院所属の学生で、海外で開催される国際会議で論文発表などをされる方々への会議参加費用の助成とともに、日本国内の大学院博士後期課程に在籍する学生に研究費を助成しています。