軽減税率と消費税増税に向けたシステムの対応

[2018年8月版]第2回「軽減税率制度とシステム対応(その1)」(3)

第2回「軽減税率制度とシステム対応(その1)」(3)(2018年8月1日公開)

淺海氏

淺海克人
(ウティルコンサルティング コンサルタント)

【プロフィール】公認会計士・税理士
NECにて主に民需系の情報システムの販売・構築に携わった後、公認会計士試験に合格、監査法人に入所。監査法人にて会計監査、内部統制監査、IT監査などに従事。現在、ウティルコンサルティングを立ち上げ活動中。

税率における論点(注意点)

軽減税率は8%(国税6.24%、地方消費税1.76%)、標準税率は10%(国税7.8%、地方消費税2.2%)である。尚、経過措置が適用され平成31年(2019年)10月1日以降においても消費税率等が8%となる取引については、消費税率等は軽減税率と同じ8%であるが、国税分と地方消費税分の内訳が異なり、注意を要す。

消費税の計算構造上、納税すべき消費税額(国税分)と地方消費税額を別々に計算する必要があるからである。

すなわち、消費税率等が同じ8%でも、国税分と地方消費税分の内訳が異なれば、内訳が異なる単位で消費税を集計する必要があり、販売管理システム上・財務会計システム上、標準税率での取引(10%)、軽減税率での取引(8%)、経過措置での取引(8%)を分けて管理できる仕組みが必要である。

 図4:軽減税率と経過措置(8%)との税率の違い
  消費税率等 国税分 地方消費税分
軽減税率 8.00% 6.24% 1.76%
経過措置(8%) 8.00% 6.30% 1.70%

図5:原則的な消費税額及び地方消費税額の計算構造【軽減税率、()内は経過措置8%】

図5:原則的な消費税額及び地方消費税額の計算構造【軽減税率、()内は経過措置8%】

図6:システムイメージ(複数税率への対応イメージ)

図6:システムイメージ(複数税率への対応イメージ)

終わりに

今回は、軽減税率制度にスポットを当て、軽減税率制度とシステム対応について、特に対象品目及び税率の観点から検討した。
次回は、軽減税率制度とシステム対応について、経理方式等の観点からの検討を予定している。

【参考資料】
◇消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編、個別事例編) 国税庁 平成30年1月改訂
◇消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 国税庁 平成30年6月
◇消費税法改正のお知らせ 国税庁 平成28年4月(平成28年11月改訂)