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学生のみなさんへ2021インタビュー:外川 遼介

2021年3月26日

先端研究とビジネスを仲介する

外川 遼介(とがわ りょうすけ)

セキュアシステム研究所
外川 遼介(とがわ りょうすけ)

理学(地球物理)の修士号を取得後、2010年4月にNECへ入社。研究者としての豊富な実績と知識を活かし、NEC 北米研究所を中心とする海外で生まれた技術を開発部門やビジネス部門、さらにはお客様へ仲介することによって、技術の実用化・商用化を加速させている。

研究者という立場から事業化に取り組む

私は入社後5年ほどITシステムの運用管理への機械学習の応用をテーマに研究をつづけてきましたが、現在はNECの海外研究所から生まれた技術の実用化・商用化に取り組んでいます。NECという会社の特性上、お客様の多くは日本を拠点としているため、本番環境に限りなく近い実証実験は日本国内で行うケースが多くなります。だからこそ、海外で生まれた技術の事業化をコーディネートする人材が必要なのです。将来の事業を見据えて実証実験を推進し、その結果や課題を海外の研究者へフィードバックすることで、研究をさらに加速させていきます。せっかく良い技術があっても、うまく事業につなげることができなければグローバルレベルで繰り広げられる熾烈な競争に取り残されてしまいます。研究部門、製品開発部門、営業部門という三者を仲介して事業化をスムーズに進めていくことが私の役割です。
とはいえ、三者それぞれ重要視していることや文化が異なるので、調整は一筋縄ではいきません。たとえば技術を軸足としている研究部門と、お客様の満足を軸足としている営業部門では意見が噛み合わないこともしばしばです。お互いの意図を丁寧に解きほぐしながら調整していく必要があります。また、研究者とは技術軸で、営業部門とはビジネス軸で対等に議論できないと信頼されません。私は、運用管理を研究テーマとしていた際に、研究という開発フローの最初の工程から、運用管理という最終工程までを通貫して見てきました。さらに、現在は、金融、製造、医療、交通、公共、宇宙など異なる領域のお客様、事業部門と連携して実証を進めています。こうした経験を活かし、俯瞰的・横断的な観点から互いの立場を翻訳・調整することで、研究から事業化までのフローを加速させようと取り組んでいます。

多彩なプロフェッショナルが集結する会社

NECは新しい技術を創り出すことに大きなこだわりを持っている企業です。国際学会にも継続的に論文を発表しつづけていますし、既存の技術をどう活用していくかということだけでなく、新規技術の創出に力を入れる文化があります。実際に、お客様とお話をしていてもNECならではの技術や価値創出に期待してくださっていることが多いです。そうした期待をいかに超えていくかというのも研究者にとって、非常に面白いポイントだと思います。
また、社内にはトップ学会に連続で論文が通るような優秀な研究者が国内外にたくさんいます。そういう方々とディスカッションできる環境というのも、研究者にとって魅力的ですよね。研究所だけでなく、他部門でも豊富な専門知識を持った方がたくさんいます。ビジネス部門にはお客様の事業分野の知識に長けた方がいらっしゃるので、研究開発の際にはとても頼りになります。先日は知財部門に特許調査を依頼したのですが、想定以上のレポートが返ってきてとても驚きました。大企業なので、多くの優秀な人材がそれぞれにプロフェッショナルな仕事をしていることもNECの魅力ですね。

エキスパート・ジェネラリストをめざす

学生の皆さんには、ぜひ自分がどういうキャリアを築いていくかという戦略的な考え方をもつと同時に、柔軟性も大事にしていただきたいなと思います。中長期のビジョンをもつことは当然重要ですが、短期的な世界の変動にも注視しながら、そこにどう自分をフィットさせていくかという戦術も重要です。自分のやること自体は変わらなくても、見せ方や切り口を変えるだけで潮流にフィットさせることはできます。ましてや、環境変化のめまぐるしい今の世界では自分の研究テーマをシフトする必要が生じることも十分にあり得ます。これまでの研究に固執しつづけることなく、柔軟に対応することも重要です。
私自身はいま「エキスパート・ジェネラリスト」をめざしています。さまざまな分野に造詣が深く、それぞれを横断的に結び付けて新しいアイデア創出ができる人材のことを指します。イーロン・マスク氏などが有名ですね。一つの分野を突き詰めるだけではなくて、他分野の専門家とも一緒に働けるような知識と経験を身に着けることでNECのイノベーションをさらに加速していきたいと思っています。業務上、様々な分野の専門家と連携する必要がある、ということもありますが、私自身、もともと知的好奇心が強いため、関連する技術や研究に限らず、他の専門分野やマーケティング、経営などのビジネス面まで勉強会への参加や論文・書籍を通じた知識習得に楽しく取り組んでいます。
今後は、最近新しく立ち上げたプロジェクトの事業化に向けた活動と並行して、これまでの属人的なプロセスを脱し、いかに組織として継続的にイノベーションを生み出しつづけていくか、そのための体制や仕組みを社内に構築していきたいと思っています。

私の一日ご紹介

学生時代の自分へ

休日何してる?

料理が好きで、大学で一人暮らしを始めたときからの趣味です。本腰を入れてつくるときには、ビーフシチューはブイヨンをとるところから始めますし、カレーもスパイスを調合するところから始めます。以前は同期が集まる20人規模のパーティーで、オードブルからデザートまでコース料理をつくったこともありました。今はリモートワークで自宅にいるので、毎日家族の夕食も準備しています。

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