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未来を創る -次世代が拓く研究:枌 尚弥
2026年4月9日
視覚言語モデルを使った独自技術をつくり出す

サイバーフィジカルインテリジェンス研究所(※)
主任
枌 尚弥
情報工学で博士課程修了後、2022年4月にNECへ入社。視覚言語モデル(VLM:Vision Language Models)を使った画像検索の性能向上に取り組む。学会への論文投稿にも精力的に取り組み、難関国際学会で5件の発表を実現。国内学会でも数多くの実績を残している。また、事業化を見据えたPoC(概念検証)にも取り組んでおり、基礎研究と応用研究を股にかけた研究活動をつづけている。
- ※本記事は2026年3月に実施したインタビューです。
取材時は「ビジュアルインテリジェンス研究所」でしたが、組織改編により現在は「サイバーフィジカルインテリジェンス研究所」となっています。

入社後3年半で4本の論文を難関学会で発表
私は大学では情報工学を専攻し、画像認識の精度を上げる研究に取り組んだ後に、NECへ入社しました。NECを選んだのは、自身の研究と近い領域で活躍している様子を学会で見ていたことと、展開している事業の幅が広く、特に日常生活につながるネットワークなどのインフラ領域に強いという印象をもっていたことが理由でした。私たちの暮らしに役立つ応用研究に取り組んでみたかったのです。
入社後は、ちょうどその頃に注目を浴び始めていたVLMを扱った研究を進めてきました。例えば、VLMを使った画像検索の性能強化や利便性向上のための手法に関する研究です。これまでに、画像の細部まで考慮した画像の理解・検索を行う技術や、検索結果に表れる情報の多様性を調整する技術を開発してきました。また、技術を災害発生後の被災状況把握に活用するための研究開発とPoCも行っています。(関連プレスリリース)
これらの技術は論文にもまとめ、2024年にはECCV(European Conference on Computer Vision)とIGARSS(IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium)、2025年にはIJCAI(International Joint Conference on Artificial Intelligence)という難関国際学会で発表することができました。
入社前から論文は書き続けたいと会社に要望を伝えていましたが、まさかこんなに書けるとは思っていませんでした。研究所内では論文投稿を奨励する環境があり、私以外の研究者も精力的に論文執筆と投稿に取り組んでいます。

雑談しているだけでも学びがある刺激的な環境
NECには、さまざまなバックグラウンドを持った研究者が集まっています。物理学出身の方や数学科出身の方など、それぞれの専門性によって知識や考え方が異なっていることもあるので、ちょっと雑談しているだけでも知らない情報を得ることができて面白いです。そもそも、思ったことを話しやすい環境があることも良いポイントだと思います。研究で行き詰ったときや困ったときに、すぐに周りに相談したり議論したりできることは、研究するうえで非常に恵まれていると感じます。
これは同期についても同じです。私の代の研究所の同期は十数名いますが、それぞれ異なる専門性を持っています。これまでに触れたことのなかった情報や考え方が面白くていろいろ話を聞いていたら「それじゃあ読書会をやろうか」ということになり、いまでは1冊テーマを決めて話し合い、新しい知見や面白い情報を交換しあっています。
また、研究の際には豊富な実績やノウハウをもったシニアの方といっしょに取り組むことも多いです。国際学会の第一線で活躍するような研究者の方と議論を重ねながら研究することは、大きな刺激になります。
既存技術の組み合わせだけでなく、独自性のある技術を目指す
研究にあたっては、既存技術の組み合わせだけではない独自性を上手くつくり出すことを目指しています。組み合わせだけで新しいものをつくり出せることもあるとは思いますが、やはり個人的には、これまで誰も成し遂げられなかったような新しいものを生み出したときに大きな喜びを感じます。会社全体としても、エンジニアリングだけにとどまらず、NEC独自の技術をつくり出そうという意識がありますし、そうしたチャレンジを認めてくれる風土があります。もちろん、事業につながる研究という視点は非常に重要視されていますが、こうしたチャレンジングな研究も認めて奨励してくれている環境は、研究者として心強いです。私としても、そのような新しい視点や知見をもたらせるように、これからも自分ならではの研究開発を進めていきたいと考えています。

- ※本ページに掲載されている情報は、掲載時の情報です。
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チョコとワインにはまっていて、食べるだけでなく作ってみたいと思うようになり、生のカカオを焙煎するところからチョコづくりに挑戦したり、ワイナリーでの製造体験に足を運んだりしています。ただ、チョコや洋菓子は脂肪分が多く、趣味で続けている筋力トレーニングにも影響が出てきたので、最近では脂肪の少ない和菓子と緑茶にも興味をもっています。和菓子や緑茶の製造現場にも、いつか足を運んでみたいです。

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