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新たな挑戦 ーキャリアで拓く研究:佐々木 雄佑
2026年2月16日
モノづくりからソリューション開発へ

アドバンスドネットワーク研究所
主任研究員
佐々木 雄佑
光ファイバメーカの研究者として新技術の研究開発に11年間従事した後、2022年5月にNECへ入社。入社後は大容量通信におけるエラーと場所を即時に検知する監視光を利用したモニタリング技術の研究開発に従事。本技術についての論文は世界最大級の光通信の国際学会であるOFC(Optical Fiber Communication)に採択され、2024年、2025年に連続で発表を果たしている。

通信システムの一部ではなく、より大きなシステムに関わりたい
私は大学院で修士課程を修了後、研究職として光ファイバのメーカに入社しました。マルチコア光ファイバ等の新しい技術の研究に約11年間取り組んでいたのですが、メーカである以上、やれることは光ファイバそのものの研究開発に限られています。研究所で光ファイバを設計して作って評価し、発表するというサイクルを繰り返すなかで、光ファイバそのものの開発だけでなく、光ファイバを使った通信システムやソリューション全体に関わりたいと思うようになり、転職を決意しました。
NECへ興味を持ったきっかけは、学会での活動です。光ファイバに関する学会に参加するなかで、NECは私が取り組んでいたマルチコア光ファイバの研究にも携わっているうえに、海底ケーブルから宇宙まで幅広い領域の光通信に携わっていることを知り、キャリア採用に応募しました。
入社後、はじめに驚いたのはチームの人数が少ないということでした。現在の研究グループは前職の3分の1程度です。こんなに少ない人数でコンスタントに成果を出し続けているということに驚きました。働いていく中でわかったのは、事業部が自分では気づけなかったような社会のニーズをうまく引き出して方向性を示してくれるので、研究がきちんと成果を出せるということです。多数のナショナルプロジェクトに関わっていることも一つの要因と言えるでしょう。もちろん、研究者も一人ひとりが高い能力と専門領域を活かし、効率的に研究成果を挙げています。
人数が少ないことで、忙しくなっているというわけではありません。前職では製造工程との関係上夜遅くまで仕事をせざるを得ない時期もありましたが、NECではそのようなことはまずありません。ゆとりを持って働くことができています。

学会での評価が、業務評価に直結
前職と比較すると、研究で求められる要素や評価基準も大きく変わりました。前職では製造部とのつながりが強かったので、製造時の歩留まり改善こそが求められる要素でした。学会への参加や論文投稿も可能でしたが、それはあくまでも仕事の主ではなく副次的なものという位置づけで、現在ほどの評価要素ではありませんでした。
これに対し、NECでは研究テーマを研究者が主体的に決めることができます。チームとして取り組むべき課題が示されることもありますが、事業部から示されるニーズをもとに自ら事業化が見込める研究テーマを考えることが多いです。その結果として商品化・事業化につながるかどうかが大きな評価ポイントになりますし、論文による学会からの評価もNECの技術的・世界的なプレゼンスを高めるものとして大いに評価されます。
私自身もNEC入社後に取り組んだ大容量光通信におけるエラーのモニタリング技術についての論文を投稿し、世界最大の光通信の国際学会であるOFCで2024年、2025年と続けて発表し、評価をいただくことができました。
専門性を高めて光通信のスペシャリストへ
現在の活動としては、OFCで論文が採択されたエラーのモニタリング技術の研究開発に加え、NTT株式会社様が主導するIOWN構想(注)に関わるタスクフォースのリーダーを務めています。これはIOWNにおけるネットワークの物理層をどのようにしていくか考える分科会のようなもので、これまで自分が培った光ファイバの物性知識だけでなく、より上位のネットワーク層に関する知識も必要になっており、研究者として充実した活動を送ることができています。転職時に考えていた、光通信におけるより広範囲な研究活動をしたいという希望も叶えられていると実感しているところです。
これからの目標としては、現在の自分の専門性をさらに高め、この分野の研究者としての地位を確かなものにしていけたらと思っています。そのために挑戦していきたいのは、より広く、より身近に使っていただけるような世界にインパクトを残せる技術の開発です。長期的なスパンでの基盤技術研究やエラー時に機能する技術研究だけでなく、今の社会に生きる人々のために直接的に役立つような技術開発は昔から実現したいと思っていました。NECという研究環境のなかで、この目標を実現できればと思っています。

- 注IOWN: IOWN (Innovative Optical and Wireless Network) 構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。「IOWN®」は、NTT株式会社の商標または登録商標です。
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