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学生のみなさんへ2015インタビュー:劉 健全

2015年5月

劉 健全

NECなら、やりたいことは必ず実現できる

バイオメトリクス研究所 主任
劉 健全(りゅう けんぜん)

大学在学中より専攻長表彰など、コンピューターサイエンス分野で多数の賞を受賞。国際会議や学会など、アカデミックな分野でも大きく貢献。

ビッグデータの時代に必要不可欠なマルチメディアデータベースを開発

いま私たちのチームが研究しているのは、マルチメディアデータベースの開発です。大量の画像や映像の蓄積に加え、即時検索が可能なデータベースの構築に取り組んでいます。ある調査では、2020年にはビッグデータとして扱われる情報の約42%は映像で占められるといわれています*から、大量に集められた映像や画像を高速検索できるデータベースの構築は社会的にも非常に重要な課題です。また、NECには世界に誇るNo.1精度の顔認証技術があります。こうした認証技術を実際に運用するためにも、高性能なデータベースは不可欠な存在です。たとえば、NECの顔認証技術と私たちのチームが開発したデータベースを連動することで、行方不明者の写真データベースと都市の防犯カメラ映像データとのリアルタイムな照合が可能になるでしょう。これを地方自治体などの活動に活用いただければ、市民のみなさんの安心・安全に貢献する社会ソリューションを実現できます。

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    [1] Jianquan Liu, Shoji Nishimura, and Takuya Araki. Wally: A Scalable Distributed Automated Video Surveillance System with Rich Search Functionalities. In Proceedings of the 22nd ACM International Conference on Multimedia (ACM MM), pages 729-730, 2014.
    [2] John Gantz and David Reinsel. The Digital Universe in 2020: Big Data, Bigger Digital Shadows, and Biggest Growth in the Far East. IDC Technical Report, Dec. 2012.

気軽に仲間とディスカッションできる
研究者にとって理想的な環境

こうした研究開発ができる理由には、チームの環境が本当に良いということが挙げられますね。特に私たちのチームはアカデミックな面でも活躍していて、多くの論文や社外発表もしているメンバーが多いのが特徴です。もちろん、実用化もしっかりできていますよ。こういった優秀な方に囲まれながら、みんなと気軽にディスカッションをして研究を進めています。実はこれが非常に大切なことで、研究者は、自分一人で黙って研究に取り組んでいても、絶対にいいものはつくりだせないんです。やっぱり、ディスカッションがないと問題点に気づくことができませんし、解決策をみつけてさらにブラッシュアップしていくことができません。日々の仕事のなかで、隣の席の人やチームと気軽に話しながら研究を進められるというのは、研究者にとって非常に理想的な環境だと思います。
また、入社してから感じているのは、NECは自ら手を挙げる若者にとてもやさしい企業だということです。自分から行動を起こせば、必ずチャンスを与えてくれます。自分がやりたいことは必ず実現できる職場だということは、私自身が強く実感してきました。これはNECで働くことの大きな魅力だと思いますので、学生のみなさんには、ぜひお伝えしておきたいですね。

「次元の呪い」を解く新たな技術で新たな社会ソリューションを導きだす

私たちはいま、データ間の類似性を使った新たな索引技術の研究開発を進めています。高次元データをさらに高速で検索できるようなNEC独自の新たなデータベースシステムをつくりあげることが目的です。このデータベースが完成すれば、これまでは解決することができなかった社会課題にもアプローチできる可能性が大きく広がります。たとえば、衛星画像から目的のものを探し出すといったことや、超高精細な医療画像から異変を探し出すといったことまでもパターン認識を用いた検索によって実現できるようになるはずです。
私たちの研究分野には「次元の呪い」という言葉があります。高次元データになったとたん、検索スピードが劇的に遅くなるという問題です。私がコンピューターサイエンスで現在の分野に取り組むことにしたのも、この「次元の呪い」と出会ったことがきっかけでした。この問題を解決するというのが、私が研究者として命をかけて取り組みたい夢です。これからもこの夢に向かって研究をつづけ、社会に新たな価値を提供できる技術を開発していきたいと思っています。

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