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未来を創る -次世代が拓く研究:荒木 航太
2026年4月17日
異分野から衛星通信のネットワーク制御に挑戦

コネクテッドインフラストラクチャ研究所(※)
リサーチャー
荒木 航太
情報工学で修士課程修了後、2024年4月にNECへ入社。衛星通信におけるネットワーク制御の研究に従事し、低軌道衛星コンステレーションにおける通信の遅延変動を抑制する技術を開発。入社2年目には本技術を論文にまとめ、難関国際学会INFOCOM (IEEE International Conference on Computer Communications) 2026 Workshopに採択されている。
- ※本記事は2026年3月に実施したインタビューです。
取材時は「アドバンストネットワーク研究所」でしたが、組織改編により現在は「コネクテッドインフラストラクチャ研究所」となっています。

入社2年目で難関国際学会に論文採択
大学では情報工学を専攻し、ヒューマンコンピューターインタラクションの研究をしていました。現在はネットワーク制御の研究をしているので、学生時代と比べると研究領域は大きく変わったことになります。ただ、もともとNECは世界的にも通信技術に強い企業だということは知っていましたので、その分野に挑戦してみたいという気持ちは持っていました。結果として、入社後は衛星通信の研究を担うチームに配属されたわけですが、宇宙というスケールが大きい世界に入ったぞとワクワクしつつも、衛星や通信についてはほとんど知見を持っていなかったので、はじめのうちは少し不安も抱えていました。
しかし、先輩方に参考書籍や論文の紹介を受けたり基礎を教えていただくことで、上手くキャッチアップすることができました。先輩方には物腰が柔らかい方が多いので、何か質問するときでも気が引けるようなことはありません。加えて、新しい分野で知らない単語がたくさんあるなかで学んでいくという過程は、もちろん大変ではありましたが、楽しい体験でもありました。どんな分野であっても、学生時代の研究を企業の中でそのまま継続するというケースはほとんどないと思いますので、どうしても研究分野が変わることは起こり得ます。学生の方であれば、そのような点に不安を持つこともあるかもしれませんが、キャッチアップすることは十分に可能です。
実際、私も異分野からのチャレンジとなりましたが、入社2年目で書いた論文は難関国際学会INFOCOM (IEEE International Conference on Computer Communications) 2026 Workshopに採択されています。

低軌道衛星コンステレーションを支える技術を開発
研究の内容は、低軌道衛星コンステレーションにおけるネットワーク制御技術を開発しています。低軌道衛星コンステレーションというのは、多数の衛星を一体として機能させてグローバルな通信を提供するもので、Beyond5G / 6Gといった次世代通信での活用が期待されています。
低軌道衛星は地球を1.5~2時間程度の速度で周回しているため、地上からは数十分で見えなくなります。そのため地上の端末は、複数の衛星へと次々に接続を切り替えて通信する必要があり、この切り替えの際に通信遅延が大きく変動するなど、品質が劣化するという課題がありました。これに対して私は、接続する衛星を切り替える際に遅延の変動を抑え、安定した品質での通信が可能となる技術を開発しました。この技術は、切り替え前後の衛星による複数の通信経路で並列転送する方式を発展させ、衛星移動の周期性を基にして遅延を予測し、データが宛先に届く時刻が複数経路で揃うように送信制御するもので、受信側でのデータの並べ替えを防ぎ遅延の変動を従来の約1/30に抑えました。
学生時代の研究と異なる点は、論文を発表した先に、次の展開が待っているという点です。自身の研究が最終的に社会で実際に使われるというゴールをめざすことになるわけですが、このことは大きなやりがいにつながります。宇宙に関わる技術であることから、実用化や事業化までは長期的な視点で考えていく必要があり、その中で事業部の方々と連携しながら実装を視野に取り組む点は、まさにこれから試行錯誤していく段階にあり、楽しみにしているところです。

世界とも戦える領域で成長できる
NECに入って私が感じたのは、非常に優秀な研究者がたくさんいるということです。難関国際学会に頻繁に登壇するなどしてアカデミアでも存在感があることはもちろん、日々の研究開発の中でも、これまでの技術的な背景や経験を踏まえた議論ができていると感じています。そうした豊富な経験を基に、プロジェクトを円滑に進めていける点や、技術検討や評価に取り掛かるスピードの速さには、日々驚かされるばかりです。こうした先輩方に学びながら新しい技術をつくり出し、事業へ落とし込むというところまでしっかりとできるような研究者を目指していきたいです。特に、私が取り組んでいる宇宙や通信領域の研究は、NECでも歴史が長く、世界で戦える力をもった領域と感じています。自分でも面白い領域で研究をしていると思っていますので、世界に強くアピールできるような研究を目指していきます。
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休みの日、何してる?
ふだんは家でゆっくりゲームをすることが多いですが、子どものころから親がよくディズニーランドに連れて行ってくれたこともあって習慣化していて、月に1回くらいのペースでディズニーランドとディズニーシーへ出かけています。定期的にイベントが開催されるので中を散歩するだけでも楽しいのですが、特にパレードが好きで、テーマが変わるたびに見にいっています。

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