導入事例
せりの比率が高く、活気にあふれる市場
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- 産地で収穫された野菜や果物が消費者に届くまでにはさまざまな流通段階を経るわけですが、中でも御社のような卸売会社はどのような役割を担っておられるのでしょうか?
- 道念
経理部 取締役部長
道念進様生産者や農協などの出荷団体から、販売を委託された青果物、または買い付けた青果物を、定められた手数料を得て、仲卸(なかおろし)業者(※1)や売買参加者に販売する役割を担っているのが、われわれ卸売会社です。
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- 御社が本拠を置く「札幌市中央卸売市場」は、どのような特徴を持った市場なのでしょうか?
- 道念
- この市場は1959年に、全国17番目の中央卸売市場として開設されました。当社の設立は、この年の11月です。市場の特徴としては、夏場は道内産の品物が多く集まりますので産地的な市場になり、逆に冬場は道外からの品物が中心になりますので消費地の市場という様相になります。最近は、農協の合併に象徴される産地の大型化・組織化と、量販店や外食チェーンの大型化などによって、販売方法もせり(競売)が縮小して「相対(あいたい)取引(※2)」が増えてきました。東京では、ほぼ100%が相対取引という市場もあるほどです。しかし札幌市中央卸売市場ではせりの比率が高く、平均で5割前後です。毎朝6時半ごろから、青果棟のあちこちで、威勢のいい掛け声とともにせりが行われていますよ。
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- たしかにそうですね。早朝から場内を見学させていただきましたが、市場らしい活気にあふれていました。ところで、たくさんの構内運搬車やフォークリフトが場内を行き交っているにもかかわらず、空気が澄んでいて、果物や野菜の香りをはっきりと感じ取れました。どうしてなのでしょう?
- 道念
- 実は、この市場で走っている構内運搬車とフォークリフトのすべてが、SOxや粒子状物質を排出しない天然ガス自動車なのです。施設面積の拡大と市場機能の高度化を目的に、9年前から市場の再整備事業が進められたのですが、その一環として2001年度から順次、天然ガス車へと切り替えられ、市場全体が屋根付きとなってリニューアルした今年の2月には、すべての車両の天然ガス車化が完了しています。地球環境面だけでなく、市場関係者にも食品にもやさしい市場といえるでしょうね。
(※1)・・・市場開設者の許可を受けて、卸売業者から買い受けた青果物を仕分け、調製し、市場内に設置する店舗において売買参加者や買出人に販売する者。
(※2)・・・「相対取引」は、市場に出荷された現物を見て、売り手と買い手が交渉によって値段を決め、売買を行う取引形態。青果物が出荷される前に、買い手からあらかじめ予約注文を受けて、確実に出荷するという取引もあり、これを「予約相対取引」と呼ぶ。
活気あふれるせりの様子
市場の中を走る構内運搬車とフォークリフトは、すべて天然ガス自動車
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