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NECと国際農業開発基金(IFAD)、アフリカの農業振興と農村開発に向けてパートナーシップを開始
~デジタル技術の活用により、アフリカの小規模生産者を支援~2025年8月21日
日本電気株式会社
国際農業開発基金(IFAD)
日本電気株式会社(本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之、以下 NEC)と国際農業開発基金(以下 IFAD)は、アフリカの農業振興と農村開発の促進に向けて、パートナーシップ構築の基本合意書を締結しました。これをもとに両者は、リモートセンシングや安全なデジタルプラットフォームなどのデジタル技術を提供し、アフリカの小規模生産者の支援を開始します。
なお本パートナーシップは、本年8月20日(水)~22日(金)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されている「第9回アフリカ開発会議(TICAD 9、注1)」において締結されました。

背景
世界の農家の80%以上を占める小規模生産者は、フードシステムの中心的存在であり、食料安全保障と持続可能な農村部の生活を実現する上で重要な役割を果たしています。しかしその多くは、リアルタイムの農業指導サービスや気候変動に強靭な技術、金融サービスなどへのアクセスが不足しています。
今回のNECとIFADによるパートナーシップは、気候変動や経済的な事象がアフリカの農業に影響を及ぼした際に、適応策で生産者を支援し立ち直る力を向上させることを目的としています。具体的には、IFADの投資ポートフォリオにおいて、農場管理における意思決定者の能力を向上させるNECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」(注2)を提供するといった活動を通じて、経済発展の機会獲得を促します。
本パートナーシップで試験導入するサービス
- 農業ICTプラットフォーム「CropScope」
農地のリモートセンシングや、センサーデータの分析と利活用を実現するサービスで、データを活用した農業を推進し、農場管理における意思決定者の能力を向上させます。 - eバウチャー
電子引き換え券のシステムで、小規模生産者向けに紙の引き換え券を介して行われていた農業資材や補助金の交付を置き換え、生産者の対象選定や資材配布の効率化を実現します。
本パートナーシップで目指すこと
- NECの先端技術の導入によりIFADのポートフォリオ全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、イノベーションとデジタル・インクルージョンに関するIFADの戦略的優先事項に貢献します。
- NECの協力により、費用対効果の高い最先端のソリューションをIFADが資金提供する他のプロジェクトにも応用することも目指します。
- データ主導による知見を活用し、IFADプログラムの対象選定、進捗管理、適応策の管理を強化します。
本件に関する両者のコメント
NECと提携し、農業バリューチェーンにデジタル技術を統合するソリューションを活用できることを嬉しく思います。農村部開発のための拡張可能なサービスを備えたデジタル公共インフラの導入を進めることは、農村部の経済を活性化して新たな事業機会を創出し、数百万人の脆弱な生産者の所得を向上させるための鍵となります。これらの継続的な課題に取り組むことは、IFADの中核的な目的である農村部の変革を実現するために非常に重要です。
IFAD総裁 アルバロ・ラリオ
NECの強みであるデジタル農業ソリューションを通じて、アフリカの発展に向けIFADとの協力関係を深められることを嬉しく思います。TICAD 9では、アフリカ諸国が直面する課題に対する重要な解決策として、日本企業によるデジタル技術の積極的な導入が議論されています。今回の基本合意書に基づく取り組みは、TICAD 9の目的と合致したものであり、この機会を通じてIFADとNECのパートナーシップがさらに強化されることを期待しています。
NEC 執行役 Corporate SEVP 兼 CGAO 田中繁広
なお本パートナーシップは、IFADの「開発のための情報通信技術(ICT4D)戦略(2020-2030)」(注3)および農村コミュニティをエンパワーするデジタル・サービスの拡大に向けた広範な取り組みと一致しています。
以上
- (注1)TICAD:Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略で、アフリカの開発をテーマとする国際会議。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行およびアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催されている。
- (注2)
- (注3)IFADの「開発のための情報通信技術(ICT4D)戦略(2020-2030)」について:
IFADの「開発のための情報通信技術(ICT4D)戦略(2020-2030)」は、プログラムにおけるデジタル技術の効果的な利用を拡大する可能性を認識し、IFADの戦略的目標と組織の優先事項を達成するためにICT4Dとデジタル農業を活用するための戦略的方向性、行動分野、指導原則を確立することを目的としています。これらは以下の4つの行動領域から構成されます。- (i)ICT4Dソリューションの拡張可能な導入
- (ii)ICT4Dパートナーシップの強化
- (iii)ICT4D知識管理と共有の強化
- (iv)内部でのICT4D認識、能力、リーダーシップの構築
- バングラデシュでは、Promoting Agricultural Commercialization and Enterprises (PACE)プロジェクトにより、農家とオンライン小売業者をつなぐことで農家の市場アクセスを促進し、高価値の作物をより効率的かつ競争力のある価格で販売できるようにしました。
- カンボジアでは、SAAMBAT(Sustainable Assets for Agriculture Markets, Business and Trade)プロジェクトにより、電子商取引や農業データなど複数のサービスをバンドルした農業向けソーシャル コマース・プラットフォーム「Khmer Agri suite」の開発を支援しました。
https://www.ifad.org/en/w/publications/digital-agriculture-in-asia-and-the-pacific-region-a-synthesis-of-ongoing-work
- (i)
IFADについて
IFADは国際金融機関で国連の専門機関です。国連の食料・農業の中心地であるローマに本部を置くIFAD は、貧困削減、食料安全保障の向上、栄養改善、レジリエンス強化のため、農村の人々に力を与えるべく投資を行っています。1978年以来、開発途上国のプロジェクトに250億米ドル以上の助成金と低金利融資を行っています。2021年11月、横浜市に日本連絡事務所を開設しています。
農村地域におけるIFADの活動を紹介する多様な写真や放送品質のビデオコンテンツは、Image Bankからダウンロードできます。
NECについて
NECは、125年の歴史を持つ、ITサービス事業・社会インフラ事業をグローバルに展開する企業です。AI・生体認証・セキュリティ・ネットワークなどの技術を強みとし、革新的なソリューションの提供や新事業開発への積極的な取り組みを行っています。業種横断の先進的な知見と最先端技術を結集し体系化した価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」を中核に、社会や企業のDXを推進。誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しています。
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC国際協力事業統括部
E-Mail:grd@iog.jp.nec.com
NECは、安全・安心・公平・効率という
社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる
持続可能な社会の実現を目指します。
https://jpn.nec.com/profile/purpose/