2015年7月17日
日本電気株式会社

背景

品川区は、効果的・効率的な区政運営に努め、健全財政を堅持しながら、区民が真に必要とする施策を迅速かつ的確に推進することを目標として掲げています。庁内には、これらを支える住民情報管理、税務、福祉・健康、教育など、約100のITシステムが存在していますが、品川区はこれらのシステムを安全に運用するため、昨今のサイバー攻撃のうち標的型攻撃等の対策を検討し、実証実験を行いました。

実証実験の内容と効果

1. SDNと脅威検知製品連携により、通信遮断や経路変更の初動対応を自動化
   従来、品川区ではウイルスを検知した端末に対し、職員が手動で物理的に通信を切断し、影響度の調査と必要な対策を行っていました。
   今回の実証実験では、攻撃を検知した場合、NECのSDN対応製品により、対象端末の通信を制御し、自動で通信の遮断や、検疫ネットワークへの経路変更を実施することで、職員による物理的な通信切断等の作業を不要にしました。さらに、PC管理ソフトの通信のみを許可することで、ウイルス対策ソフトの検知ログや感染・駆除の状況確認ができました。また、瞬時に対応するため、影響を受ける範囲を局所化することが可能となりました。
2. 初動対応に要する、職員負荷を大幅に軽減
   初動対応の自動化により、従来約30分を要していた攻撃の発生から初動対応までの作業について即時対応することが可能になりました。また従来、ウイルス検知時は、土日・夜間を含め、職員が端末の隔離や影響度の調査を行っていましたが、自動化することでこれらの対応も大幅に削減できることを検証しました。

品川区は今後、サイバー攻撃に対するセキュリティ向上のためのシステム導入を検討し、最新のICT技術を活用した情報システム基盤の安全な運用により、区政運営を実行していきます。


NECは今後も、「サイバー攻撃自動防御ソリューション」のメニュー拡充を図り自治体向けに拡販することで、サイバー攻撃への対応力を高め、自治体のICT資産の安全な利用を支援していきます。

NECは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

本発表にあたり、トレンドマイクロ株式会社から賛同文をいただいています。

トレンドマイクロは本発表を歓迎致します。
本ソリューションはNECのSDN技術とトレンドマイクロの次世代セキュリティアーキテクチャとの融合によって、サイバー攻撃を受けた際の初動対応を迅速に行い、被害拡大リスクを低減するものです。
この度の品川区の実証実験においては、これまで対応が難しかった標的型攻撃などのセキュリティリスクへの早期対応や、運用コストの軽減を実現するとともに、組織内ネットワークにおけるセキュリティ運用の自動化・最適化を実現しています。
トレンドマイクロは引き続きNECと協業を深め、お客様のITインフラに最適なセキュリティソリューションを提供してまいります。

トレンドマイクロ株式会社
上席執行役員
大場 章弘

以上

• (注1) SDN(Software-Defined Networking)：ネットワークをソフトウェアで制御する概念。
• (注2) 5月12日発表。「NEC、SDNを活用し品川区の全庁ネットワーク基盤を構築」
  http://jpn.nec.com/press/201505/20150512_01.html

https://jpn.nec.com/kokyo/GPRIME/mn/nwsec.html

NEC　公共ソリューション事業部
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NECは、社会ソリューション事業を推進する
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