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NEC 製造システム統括部 PLMソリューショングループ 主任 鍛治谷由香、NEC 製造システム統括部 PLMソリューショングループ 担当 羽田千宙NEC 製造システム統括部 PLMソリューショングループ 主任 鍛治谷由香、NEC 製造システム統括部 PLMソリューショングループ 担当 羽田千宙

5つのチェーンをつなぎ、意思決定を支える『ものづくりマスター』を実現

NECのPLMソリューション『Obbligato R5』が提供する、新たな価値とは【2026.10.21】

カテゴリ:エンジニアリングチェーン製造変革Obbligato

製造業をめぐる環境が目まぐるしく変化する中、ものづくりやサプライチェーンマネジメントにおいてより迅速な意思決定が求められています。
そのためには、“基準情報”を整備し、全社的に連携させる仕組みづくりが不可欠です。
こうしたニーズにお応えすべく、NECでは国内シェアNo.1(※1)のPLMソリューション『Obbligato』を刷新し、『Obbligato R5』として2026年10月より提供を開始しました。
本インタビューでは、NEC 製造システム統括部の鍛治谷由香と羽田千宙が、製造業をめぐる課題と、その解決に貢献できる『Obbligato R5』についてご説明します。

NEC 製造システム統括部 PLMソリューショングループ 主任 鍛治谷由香
NEC入社後、製造業向け環境ソリューションの開発や導入、販売推進に従事。現在はObbligatoの販売促進業務を担当し、多様なお客様への提案活動をはじめ、Obbligato R5販売アプローチの確立や提案推進を牽引。

NEC 製造システム統括部 PLMソリューショングループ 担当 羽田千宙
2024年のNEC入社後から現在までObbligatoの販売促進業務を担当。製品の価値訴求と普及拡大に幅広く取り組んでいる。今回のObbligato R5のリリースにも販促担当として関わり、販売アプローチの検討等にも従事。

【目次】

1.製造業をめぐる環境変化とPLM

NEC 製造ソリューション事業部門 製造システム統括部 羽田千宙
NEC 製造ソリューション事業部門
製造システム統括部 羽田千宙

羽田 現在、製造業を取り巻く環境は、AIや5Gの普及などの技術の進化、中東やウクライナをはじめとする地政学リスク、天災、環境規制の厳格化とサーキュラーエコノミーの進展などにより、急激に変化しています。
製造業においては、こうした変化に迅速に対応したものづくりが求められています。そこで、多くの企業でデジタル化の基盤としてPLMが導入されてきました。

PLM(Product Lifecycle Management)とは、製品の企画から設計、製造、販売後の保守に至るまで、製品の一生(ライフサイクル)に関わるすべての情報を一元管理するシステムです。
これによって、紙やExcelで管理されていたアナログな情報がデジタル化されつつあります。一方で、製品開発の効率化や迅速な意思決定、市場投入までのリードタイム短縮といった本来の目的には、十分に至っていない企業も少なくありません。

製造業のお客様から寄せられるご相談として、以前は「紙の図面が探せない」「情報を一元管理するシステムがない」といった「システム不在」に関する内容が主流でした。しかし現在は、「システムを導入してデータは蓄積されているのに、部門ごとにサイロ化しており、現場や経営判断にすぐに使えない」という「データ連携」に関する悩みに変わってきています。その背景にあるのが、「部門最適」で進められてきたデジタル化です。

2.「データ不足」の時代から「データ活用不足」の時代へ

製造業の現場は、情報がない「データ不足」の時代から、データはあるのに使いこなせていない「データ活用不足」の時代へと移行していると実感しています。

システムがあってもデータが活かせないという点においては、特に設計部門のBOM(部品表)と、製造部門のBOP(製造工程表)の分断が大きな課題であると考えています。設計部門は「どんな部品を使うか」という観点でBOMを作成・管理し、製造部門は「どういう手順で作るか」という観点でBOPを作成・管理するからです。これらのデータが分断されていると、例えば設計部門で部品を変更した際、製造現場のどの工程に影響が及ぶのかがすぐには伝わりません。
さらに、設計部門が設定した標準作業時間を、製造部門が改善活動を通じて実績に合わせて見直したものの、その変更内容が設計部門に共有されず、設計側の基準と製造現場で用いる基準が一致しないまま運用されるケースもあります。

このようにシステムが分断されていることで、製造現場では、設計変更の影響や基準情報の差異をすぐに把握できず、直前になって工程や作業条件を慌てて調整したり、電話やメールを用いて部署間ですり合わせたりするバケツリレーのような状態が起きています。システムがあるにもかかわらず、品質問題の原因追跡に時間がかかり、結局はベテランの「勘と経験」といった「人」に依存したアナログな業務プロセスから抜け出せていないのが実態です。お客様の課題は、「システムの導入」から「データをどう活用して業務プロセスを回していくか」へシフトしていると言えます。

3.『ものづくりマスター』を「意思決定と改善のエンジン」へ

こうした課題を解決するために、NECでは『ものづくりマスター』というコンセプトを打ち出しました。

『ものづくりマスター』とは、BOMやBOPをはじめとするものづくりにおける基準情報のことを指します。いわば、製品をどのようにつくるかを定める、ものづくりの土台となる情報です。これまでのシステムは、設計時点の情報を保存・管理する役割にとどまっていました。これに対して『ものづくりマスター』は、設計が作った「基準」に対して、製造現場の作業時間や不良率といった「実績データ」を自動的に突き合わせる点が大きな特長です。この特長により、事象をデータで客観的に捉えることで、「理想と現実のズレ(予実ギャップ)」を可視化できるようになります。

製造業に必要なのは、データの登録や管理ではありません。データを見て「迅速かつ正確に判断し、活用できる状態」となることです。そのためには、基準と実績の「ズレ」を可視化し、真因を分析して次の設計や製造にフィードバックすることが求められます。これによって、システムは単なる管理ツールから「意思決定と改善のエンジン」へと進化します。

「予実のズレを、経営判断のスピードへ転換」についての説明スライド

4.『製造業変革コンセプト MX』の実現に向けて

NEC 製造ソリューション事業部門  製造システム統括部 主任 鍛治谷由香
NEC 製造ソリューション事業部門
製造システム統括部 主任 鍛治谷由香

鍛治谷 『ものづくりマスター』を軸に、「エンジニアリングチェーン」「サプライチェーン」「プロダクションチェーン」「サービスチェーン」「サステナブルチェーン」という5つのチェーンを有機的につなぐことが可能になり、市場の変化により即応できる体制が整います。NECでは、これを『マニュファクチャリングトランスフォーメーション(MX)』(※2)として提唱しています。5つのチェーンをつなぐというビジョンを実現するためには、まず全社で共通の「正しい基準」を確立しなければなりません。

加えて、最近は脱炭素や環境規制への対応も製造業にとって待ったなしの課題となっています。REACHやRoHSなど各国の化学物質規制への対応や、サーキュラーエコノミーの実現は、企業の競争力に直結する重要な経営課題です。これを支える「サステナブルチェーン」も、『ものづくりマスター』が繋ぐ重要な領域の1つです。

「つながる5つのチェーン」についての説明スライド

そこで『Obbligato R5』では、経済産業省が主導するCMP(Chemical and circular Management Platform)との連携を強化していきます。BOMに環境データを紐づけて一元管理することで、製品に含まれる化学物質を見える化してサプライチェーンにもつなぎ、製品立ち上げ後の手戻りを防いで環境法規制への確実な対応と持続可能なものづくりの両立を強力に支援します。

5.なぜ今、新アーキテクチャへの刷新が必要なのか

今回、『Obbligato R5』で新しいアーキテクチャに刷新した理由は、次のような背景があります。

市場の急激な変化に対応するためには、ITシステム自体にも「変化への適応力」が不可欠です。従来のシステムは、最新OSへの対応や新機能の追加のたびに、数か月にわたるテスト検証と莫大なコストを要していました。システムが変化の足枷になる「IT負債」に陥っていたのです。こうしたお客様の課題を解消し、事業成長を継続的に支えるためにアーキテクチャを刷新しました。

『Obbligato R5』は、お客様の業務や運用に合わせて機能を適用できるPLMソリューションです。また、最新OSへの対応においては、システム基盤に影響を与えることなく更新できる仕組みを新たに実現し、運用負荷の軽減と継続的な進化を両立しています。

さらに、半年を目安に必要な新機能を追加する「Extension Apps」も導入しています。一般的に、バージョンアップ時にはベンダー側の対応に加え、お客様側でも稼働検証に一定の工数が発生します。これに対し、『Obbligato R5』では新機能を既存機能と切り離して提供できるアーキテクチャを採用しているため、新機能追加時のお客様の負担を大幅に軽減できます。
加えて、OSサポートポリシーを見直し、製品リリース後に提供される新しいOSにも順次対応していく方針としました。これにより、お客様は基盤環境を長期間安心して利用しながら、継続的に提供される新機能や機能強化もスムーズに活用できます。

これらの仕組みにより、システムの維持・更新にかかる予算や時間を抑え、新たな価値創出や業務改革に振り向けることができます。将来のIT負債を抑えながら、継続的に進化するソリューションを目指しています。

6.AIを機能させる質の高いデータの整備を可能に

『Obbligato R5』のリリースは一つの「ゴール」ではなく、次の変革へ向けた「土台」の完成だと考えています。AIが進展を続ける中にあって、これからの製造業は蓄積されたデータとAIを掛け合わせた、より高度な判断が可能となります。従来の、熟練技術者の「勘と経験」をAIが担えるようになると言えます。NECが提唱する『MX』において、『Obbligato R5』はその中核となる「企業・ものづくりデータ」の基盤として、お客様のデータドリブン経営を力強く牽引していきたいと考えております。

製造業でもAI活用の機運が高まっていますが、『ものづくりマスター』はAIが読み込むデータともなります。AIは、「正しいデータ」を学習して初めて機能します。しかし、多くの製造業では、システムが分断されているためにAIに読み込ませるための整理された「AI-Readyなデータ」がそもそも存在しないのが実情です。だからこそ、『ものづくりマスター』が不可欠になります。設計の「基準」と現場の「実績」が紐づいたものづくりマスターには、予実のギャップやトラブルの解消履歴といった、会社にとって最も価値のある生きたノウハウが蓄積されていきます。これが、AIを機能させるための質の高いデータとなるのです。

『Obbligato R5』では、『ものづくりマスター』を活用して、『MX』を実現するための最初の一歩となることを目指します。ぜひ、ご期待ください。

インタビュー中のNEC 鍛治谷由香とNEC 羽田千宙の様子
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    1 出典:株式会社 テクノ・システム・リサーチ
    「2026年 機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」(2026年9月)
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    2『MX』とは、マニュファクチャリングトランスフォーメーションの略。NECが提唱する製造業変革コンセプト。製造業の5つのバリューチェーンをAIでつなぎ、企業の競争力強化を実現する取り組み。

関連リンク

PLM「Obbligato」

『Obbligato R5』は、『ものづくりマスター』を軸に製造データをつなぎ、データに基づく迅速な意思決定と業務改善を支援する次世代PLMです。AI活用や環境規制対応を強化し、変化に柔軟に対応できる持続可能なものづくりを実現します。詳しい機能や関連情報については製品ページをご覧ください。

オフィスで1台のPCの画面を見つめる3人の社員の様子

AIネイティブに向けて進化する製造業変革(MX)

NECのMX(マニュファクチャリングトランスフォーメーション)は、設計から調達、生産、保守まで、ものづくりを支えるバリューチェーンをAIでつなぎ、人とAIが共創する新しい業務プロセスを実現します。

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ブースタイトル:エンジニアリングチェーンの進化による製品力・開発力強化(Obbligato)
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