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NEC 製造システム統括部 主任 吉見光とNEC スマートインダストリー統括部 主任 鍋島弘樹NEC 製造システム統括部 主任 吉見光とNEC スマートインダストリー統括部 主任 鍋島弘樹

現場の“知”と“データ”を、「改善の力」に!~コネクテッドワーカープラットフォーム「Poka」×AIデータ基盤で始める製造現場改善~

現場でデータを生み、基盤で活かし、改善を回し続ける【2026.09.16】

カテゴリ:製造変革IFS Cloudイベント・セミナー

NECは、2026年8月27日に「現場の“知”と“データ”を、「改善の力」に」をテーマにウェビナーを開催いたしました。

製造現場では、ベテランの大量退職による技能継承・暗黙知喪失、人手不足、品質・設備保全の属人化が進む一方、現場データは紙・Excel・サイロ化したシステムに分散し、AI活用の前提となる「使えるデータ」が整っていません。情報共有ツールや単機能SaaSを個別導入しても、組織全体での統合運用は煩雑になりがちで、改善が一過性で終わってしまいます。

そこで、本セミナーでは現場の人・作業・暗黙知をデジタル化する「IFS コネクテッドワーカープラットフォームPoka」と、設備・人・モノの5Mデータを統合する AI-Ready なデータ基盤「NEC Industrial IoT Platform」を組み合わせ、「現場でデータを生み、基盤で活かし、改善を回し続ける」 製造現場改善の始め方を、具体例とともにご紹介いたしました。
ここでは、その概要をお伝えいたします。

【目次】

第1部:ベテランの暗黙知が消える前に
〜技術継承をAIで“仕組み化”して繋ぐ現場改善の始め方〜

NEC 製造システム統括部 主任 吉見 光
2008年より海外通信事業者向けプリセールスとして提案活動に従事。2017年からは民需営業として総合商社向けのDX・協業案件を担当し、2024年には大手企業との共創を起点とした新規事業開発を担当。現在はIFSコネクテッドワーカープラットフォームPokaなどIFSソリューションのプリセールスとして活動中。

1.製造業における課題

NEC 製造システム統括部 主任 吉見 光

現在、日本の製造業では少子高齢化による労働人口の減少に加え、団塊世代をはじめとするベテラン層の大量退職が重なり、世代交代と慢性的な人手不足が同時に進んでおり、現場では大きく三つの課題があります。

①ベテランが長年培ってきた暗黙知や技能が次世代へ十分に継承されないこと
②知識や技能が一部の人に集中し、業務が属人化してしまうこと
③個人の経験や一時的な活動に頼った改善にとどまり、組織全体の継続的な改善につながりにくいこと

「NECが考える現場課題解決策」の説明スライド

NECでは、これらの課題に対して、暗黙知をデジタル化して必要な人へ共有すること、必要な知識を現場でいつでも参照できるようにするとともに技能の偏りを可視化すること、そして日々のトラブル対応をナレッジとして蓄積し、改善サイクルそのものを仕組み化することが重要だと考えています。

2.「IFS コネクテッドワーカープラットフォームPoka」とは

この三つの課題を一つの基盤で一気通貫に解決するのが「IFS コネクテッドワーカープラットフォームPoka」(以下「Poka」)です。「Poka」は、現場の第一線で働く作業者を対象に、人と情報をデジタルでつなぐプラットフォームです。ナレッジ共有、スキル管理、フォームやチェックリスト、問題管理、AIによる現場業務の効率化、組織全体への情報共有などを一つの基盤で扱える点が特徴です。個別のツールを導入するのではなく、技術継承から日々の問題解決、さらに改善活動までをつなげることで、現場で改善が継続的に回る仕組みを実現します。

「コネクテッドワーカープラットフォーム『Poka』」の説明スライド

a)暗黙知の継承
「Poka」では、ベテランの作業動画やPDF、手書きメモの画像など、すでに現場に存在している素材をもとに、AIが作業手順のドラフトを生成します。その後、管理者が内容を確認・承認し、ラインや装置、作業者の役割などに応じて必要な人へ配信します。重要なのは、AIが手順書を作成することだけではなく、管理者の承認を経て、標準的な手順書として現場に配置し、組織の知識として継承できることです。

「①技術継承」の説明スライド

また、情報を誰にでも一律に公開するのではなく、それぞれの役割や権限に応じて必要な情報だけを共有できます。例えば、ある作業者には手順書が表示されても、その作業を担当しない保全者には表示されないといった形で、必要な人に必要な情報を届けることができます。これにより、ベテランの経験を個人の中に閉じ込めるのではなく、組織で活用できるデジタルな知識へ変えていきます。

b)知識や技能の属人化の解消
従来、現場で分からないことが発生すると、生産技術部門やベテラン作業者に直接聞く必要があり、その人が不在の場合には作業が止まることもありました。
「Poka」では、作業者が普段使っている言葉で質問すると、承認済みのナレッジをもとに「Pokaアシスタント」が回答します。必要な情報を探し回ったり、特定の人に問い合わせたりすることなく、その場で知識へアクセスできるため、経験の浅い作業者でも迷わず作業を進めやすくなります。
さらに、「Poka」では利用者の役割や権限に応じて参照できるナレッジの範囲が変わります。同じ質問であっても、各自がアクセスできる情報の中から適切な回答へ到達できる仕組みになっています。

知識を必要なときに引き出せるようにするだけでなく、スキルマップによって役割ごとに必要な技能と、それを誰がどの程度保有しているのかも可視化できます。
技能の不足や偏りを把握し、必要に応じて自主トレーニングのメニューを提供することで、教育の抜け漏れを防ぎ、特定の人に依存しない体制づくりにつなげられます。つまり、「必要な知識をその場で引き出すこと」と「保有している技能を見える化すること」の二つを組み合わせて、属人化を解消していきます。

「②属人化解消(スキル管理)」の説明スライド

c)改善を継続させる仕組み
「Poka」では、現場で日々発生するトラブルや問題を記録し、それをナレッジとして組織に蓄積・共有できます。例えば、作業中に異音などの異常が発生した場合、作業者がその事象を問題として起票し、保全担当者が対応します。対応が完了した後、その結果を記録し、管理者が内容を確認してナレッジ化します。こうして蓄積された情報を、必要に応じて作業手順の改善やトレーニングメニューへ反映していくことで、トラブル対応をその場限りで終わらせず、次の改善へつなげることができます。

NECでは、この「現場で問題が発生する→対応する→結果をナレッジ化する→作業手順や教育へ反映する」というクローズドループが、継続的な現場改善において非常に重要だと考えています。現場で得られた経験を蓄積し、それを組織全体へ横展開することで、一人の作業者が得た経験をチームや組織の改善力へ変えていくことができます。

※本セミナーでは、以上をデモ動画も用いてご説明いたしました。アーカイブでご覧いただけます。

「③継続改善」の説明スライド

3.現場の知をチームの改善力へ

「Poka」には、このほかにもAIによる帳票のデジタル化、ERPなどの基幹システムとのAPI連携など、現場改善を支える機能があります。今後もMCPサーバー対応など、継続的に機能をアップデートし、それぞれの現場に合わせて活用の幅を広げていきます。

ベテランに蓄積された経験や技能を、その人だけが持つものとして終わらせるのではなく、デジタルとAIを活用して組織の知識として残し、必要な人が必要なときに活用できる状態にすることが重要です。

そして、その知識を日々のトラブル対応や教育、作業手順の改善へつなげることで、現場の改善力そのものを高めていくことができます。NECでは、「Poka」を活用し、技術継承、属人化の解消、継続的な改善を一つの仕組みとしてつなげることが、これからの製造現場における持続的な生産性向上、品質・安全性の確保につながると考えています。

第2部:AI-Readyなデータ基盤のつくり方 ~5Mデータ活用と「NEC Industrial IoT Platform」の実践~

NEC スマートインダストリー統括部 主任 鍋島弘樹
2014年より製造業向けの設備・機械加工の研究開発に従事。生産現場で使われる技術と、現場を知る経験から2023年よりものづくりデータを集約・活用するNEC Industrial IoT Platformと関連ソリューションのセールスサポート担当として、製造業のお客様を中心に業務プロセスのDX改革をご提案

1.「AI-Readyデータ」とデータ活用の意義

NEC スマートインダストリー統括部 主任 鍋島弘樹

現在、AIは生成AIから、業務を自律的に進めるエージェンティックAIへと急速に進化しています。しかし、企業の中でAIを活用してビジネス成果につなげるためには、AIそのものだけでは不十分です。重要になるのが企業内に蓄積されたデータです。企業独自の業務データをAIが分析できる状態に整備し、そこから知識やインサイトを抽出して具体的なユースケースへ適用する必要があります。
このように知識ベースまで含めて整備されたデータを「AI-Readyデータ」と捉えています。


ものづくりにおける最終的な成果として、「投下資本利益率(ROIC)」がよく用いられます。その最大化において重要なのは、リードタイムと原価です。
製品を予定どおりの納期で届け、計画した原価の範囲で生産することが利益につながります。そのためには、調達、製造、物流、営業など部門をまたいでリードタイムを短縮し、原価を抑えていく必要があります。しかし、部門ごとにKPIや保有するデータが異なると、全体最適の判断が難しくなります。そこで、システムが別々であっても、データを共通の基準で整理し、横断的に分析できる状態を作ることが重要になります。

「ものづくりにおけるビジネス成果」の説明スライド

データから知識を生み出す方法も進化しています。BIを使えば、人がデータを見て気づきを得て知識化できます。さらに、マシンラーニングを使えば、データから人だけでは発見しにくい法則や傾向を自動的に見つけることができます。そして、数理最適化やエージェンティックAIを組み合わせることで、計画の最適化や業務の自動化へと発展させられます。つまり、データを蓄積するだけではなく、そこから知識を生み出し、具体的な業務や経営成果につなげることが重要です。

2.「NEC Industrial IoT Platform」とは

データを活用して経営成果につなげるためのAI-Readyな基盤として、「NEC Industrial IoT Platform」があります。このプラットフォームでは、ERP、MES、PLMなどの業務システムに加え、製造現場のIoTデータなどを収集・整理し、ライン、工場、全社という三つのレベルでデータを活用できるようにします。特に重要なのが、製造業のデータを5Mの観点で整理することです。

「データの統合(標準化/体系化)- NEC Industrial IoT Platform」の説明スライド

5Mでは、人、設備、材料、方法、測定という製造に関わる情報を共通のものさしで捉えます。どの指示に対して、誰が、どの工程・設備で、何をいくつ作り、どのような測定結果になったのかという形でデータを体系化することで、製造の流れやものの流れを把握し、改善すべきポイントを見つけやすくします。また、さまざまなユースケースを起点にデータパイプラインも用意しており、設備総合効率や作業時間など、製造に関する多様な分析へつなげることができます。

整理されたデータは、まずBIによって人が分析し、知識ベースを形成します。そこからAIによる分析や予測へと発展させ、最終的にはシミュレーションや最適化につなげていくことが可能になります。例えば、ある製品の出来高が計画を下回ると予測された場合、その原因が設備なのか、人なのか、あるいは別のロスなのかをデータから掘り下げ、さらにAIによって要因を分析し、納期や調達状況を踏まえた最適な生産スケジュールを検討するといった活用が考えられます。

3.ビジネス成果につなげるには

NECでは、「NEC Industrial IoT Platform」を導入するためのユースケースやサービスをご提供しています。

・「ものづくりDX改善ガイド」
ビジネス成果につなげるためのユースケース群として、設備総合効率や在庫テーマなどのKPIを軸としたお客様の課題に応じた改善シナリオをご用意しています。一例として、生産性向上の分析イメージを具体的にご紹介しました。

・「ものづくりDX改善アプローチ」
実際のお客様のデータを使って効果を検証し、改善効果や必要な要件整理を行います。

・「DX人材育成サービス」
現場の業務課題をユースケースへ落とし込み、取り組むべきユースケースとデータ利活用手法の選定をサポートします。

「ものづくりDX改善ガイド 見える化・分析イメージ(生産性)」の説明スライド

データ活用を単なる可視化で終わらせず、データから知識やインサイトを抽出し、具体的なビジネス成果へつなげることの重要性です。製造現場の改善からサプライチェーン全体の効率化まで、データ活用の範囲は広がっています。そのためには、5Mの考え方を用いてデータを整理・体系化し、AIが活用できる「AI-Ready」な状態を作ることが重要です。データを整え、知識を生み出し、それをユースケースに適用して成果につなげる。この循環こそが、AI-Readyなスマートファクトリーを実現するための基本的な考え方だと考えています。

関連記事
・工場データを価値に変えるAI-Ready化されたスマートファクトリーの実現

第3部:コネクテッドワーカープラットフォーム「Poka」×AIデータ基盤による製造現場改善

例えば、データ基盤で設備の「チョコ停」が頻発していることを発見した場合、現場では「Poka」を活用して、その時間帯に何が起きていたのかを確認し、一次対応を行います。さらに、「なぜなぜ分析」や恒久対策の結果を作業手順書やチェックリストへ反映することで、データによる発見を現場改善につなげ、PDCAを継続的に回すことができます。

「NEC Industrial IoT Platform × コネクテッドワーカーPokaによる現場改善サイクル」の説明スライド

本セミナーでは、現場の暗黙知をデジタル化し、必要な人が必要なときに活用できる仕組みづくりと、製造データをAI-Readyな状態へ基盤を整えることの重要性をご紹介しました。
「Poka」によるナレッジ共有・活用と、「NEC Industrial IoT Platform」による5Mデータの統合・分析を組み合わせることで、属人化の解消や継続的な改善サイクルの実現につなげることができます。

NECでは今後も、現場の知とデータを組織の改善力へと変え、製造業のスマートファクトリー化と持続的な製造現場改善を支援してまいります。

関連リンク

IFS コネクテッドワーカー Poka

現場の第一線で働く作業員を主な対象としたデジタルで繋ぐプラットフォーム。
技能継承・属人化解消・継続改善の課題を、1つのプラットフォーム上で一気通貫で解決。

工場でタブレットを操作するスタッフのイメージ写真

ものづくりDX基盤「NEC Industrial IoT Platform」

設備、人といった現場データに加え、ERP、PLM、MESなどのデータも集約し、工場、会社を横断したものづくりデータの見える化、分析を実現するのが「NEC Industrial IoT Platform」です。
これにより、お客様の工場/ライン視点での生産性向上、品質安定化、さらに全社視点での損益の向上に貢献します。

工場の作業員とDX化のイメージ写真

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製造業変革(MX)、AI変革(AX)の事例や資料・動画など、製造業における検討・意思決定に必要な情報をご提供しています。
こちらでご紹介した8/27開催のセミナーを11月末までアーカイブ配信し、当日の講演内容や知見をオンデマンドでご覧いただけます。

 ブースタイトル:【アーカイブ配信】現場の“知”と“データ”を、改善の力に!

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