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東三河共同調達グループ 様(豊川市、新城市、田原市、設楽町、東栄町、豊根村)

行政の内部情報システムを"統合型クラウドの共同利用"へ移行。
コスト・業務負荷削減に加えBCP対策強化も実現

業種:
  • 地方公共団体・官庁
業務:
  • 人事・総務
ソリューション・サービス:
  • クラウド

事例の概要

課題背景

  • 全団体共通の課題として、ITシステム構築・運用にかかるトータルコスト削減が求められていた
  • 情報システム専任部署がない団体でも、庁内業務の運営にあたって十分な機能が利用できる仕組みとして、共同調達に注目をしていた
  • 東海地震をはじめとした大規模災害を想定して業務継続性を強化したいと考えていた

成果

トータルコスト削減

共同調達、共同利用により従来のオンプレミス型に比べて30%のコスト削減を試算

システム運用業務の負荷軽減

実績豊富な統合パッケージの採用により、業務間の連携を効率化。職員の事務負担を軽減
共同調達と統合パッケージの利用により情報システム専任部署がなくても、十分な機能が利用可能に

事業継続性の担保

データセンター利用や遠隔地バックアップにより大規模災害に備えたBCP対策となり得るシステム基盤を実現

導入ソリューション

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事例の詳細

導入前の背景や課題

県のクラウド推進事業を受けて共同調達プロジェクトに着手

地方公共団体にとってITシステムの構築・運用にかかるコストや手間は大きな悩みの1つです。その解決策として資産を保有しないクラウドサービスの活用が進んでいます。

愛知県の東三河地区にある豊川市、新城市、田原市、設楽町、東栄町、豊根村の6市町村は、庁内システムの更新に際して、より効果を引き出すべく共同調達・共同利用に積極的に取り組んでいます。
「東三河共同調達グループ」の牽引役である事務局の豊川市様は、「県が平成24年度に展開した『あいち自治体クラウド推進事業』の後押しを受けて、経費や業務負荷の削減、さらに東海地震などの大規模災害を想定したBCP対策も狙いとして近隣の市町村に共同調達を呼びかけました」と説明します。その結果として、平成25年度に住民情報システムの共同調達を稼働させ、その流れの中で、平成26年度からは内部情報システムの共同調達に着手しました。

選択のポイント

統合パッケージの充実した標準機能とBCP対策に加え豊富な実績を評価

新たな内部情報システムには、構築から運用までのトータルコスト削減を重視し、パッケージの標準機能を最大限活用する方針を決定。そのうえで、「豊川市と新城市が調達したコンサル会社の協力のもと、2市の業務をベースに通常のパッケージ標準仕様を策定した後、他の市町村で個別カスタマイズが発生しないかどうかの確認作業を行いました」と、豊川市の白井秀和氏は話します。そして、完成した仕様書は全国の団体でも利用できる仕様書となりました。

さらに、情報システム専任部署のない市町村もあることから、運用管理負荷やベンダーとのやり取りにかかる手間を極力軽減できるよう、複数パッケージの組み合わせではなく、各種機能をトータルに提供する統合パッケージを選択することとしました。

豊川市
情報システム課
主任 白井 秀和 氏

こうして複数ベンダーからの提案を入念に比較検討し、最終的に選定したサービスがNECの「GPRIME for SaaS」でした。

「GPRIME for SaaS」は、全国で350以上の地方公共団体に導入されている業務パッケージをクラウド化したもので、今回のプロジェクトでは統合パッケージとして、財務会計、文書管理、人事給与、庶務事務、グループウェアのサービスを利用。これらは、庁内業務の中核を担う機能を提供します。また、各機能を連携させた電子決裁も採用しています。

新城市
情報システム課
主任 川村 真由美 氏

さらにBCPという観点で、クラウド側(データセンター)でのサーバの仮想化や冗長性の確保、遠隔地でのデータバックアップなどの対策を施すとともに、職員が庁外のインターネット環境を利用して外部PCやスマホ・携帯電話からグループウェアへのリモートアクセスができる機能なども標準仕様として対応しています。

このようなサービスの機能面、BCP対策やセキュリティに関する評価に加え、「共同調達の経験が豊富な人員でプロジェクトを組んでくれるなど、サポート体制への安心感も採用の決め手になりました」(白井氏)。

豊根村
総務課
主任 松澤 忠則 氏

導入後の成果

共同調達により単独では実現困難な規模のシステムが利用可能に

「GPRIME for SaaS」を用いた新たな環境は、各市町村の業務ごとのシステム更新時期などに合わせて段階的に導入されます。まずはグループウェア機能が平成27年度4月に豊川市、6月に設楽町、7月に田原市で稼働。8月には財務会計機能が豊川市で運用開始されました。最終的に全市町村ですべての導入を完了するのは平成30年度を予定しています。

現在(平成27年8月)はNECを交えた要件定義の段階であり、市町村別に各機能の導入に向けたシステム運用、操作などに関する打ち合わせを行っています。「そうした場においても、迅速できめ細かなサポートをしてくれているので心強いです」と新城市の川村真由美氏はNECを評価します。

設楽町
総務課
主査 秦野 剛史 氏
東栄町
総務課
主任 加藤 寿基 氏

サーバ管理やデータバックアップ作業などの業務負荷が軽減されたことも大きな効果としてあげられます。「職員数が少なく複数の職務を兼任しているので、時間的な余裕が生まれるのは非常に助かります」と豊根村の松澤忠則氏は話します。

また、「単独ではコスト的に調達できない規模のシステムを構築できました」(設楽町 秦野剛史氏)、「情報システム部門がなくても、機能や費用に対する適正な判断ができました」(東栄町 加藤寿基氏)、「導入時期が一様でない場合は先行する市町村での運用ノウハウや課題などの情報を皆で共有できます」(田原市 小久保高氏)など、各担当者とも調達のメリットを感じているようです。

田原市
総務課
主査 小久保 高 氏

全体としても、共同調達、共同利用によるコスト削減効果は、『あいち自治体クラウド推進事業』の目標にもなっている30%削減を達成している状況です。

「なにより、このプロジェクトを通じて、各市町村のコミュニケーションも円滑になりました。各機能の導入・運用が広がっていく中で、さらに連携を深めていくことができ、市町村間の業務の平準化も可能となり、事務効率の向上につながるのではないかと思います」と、東三河共同調達グループではさらなる効果を確信しています。

NEC担当者の声

統合型の内部情報システムを共同調達する例は国内初ではないでしょうか。多くの地方公共団体様のシステム構築・運用を手がけてきた当社のノウハウを生かして、共同利用のメリットを十分に感じていただける提案ができたと思っています。また、システム導入にあたっては、それぞれの市町村様で各機能の運用開始時期が異なるので、全体を見渡した偏りのないサポートでスケジュール通りに進めることを常に心がけています。

NEC 東海支社
中部官庁・公共第一営業部
セールスマネージャー
児嶋 孝夫

共同調達のプロジェクトでは、メンバー間の連携が非常に重要です。その点では、各市町村の職員の方々に多大なご協力をいただいていることによって、スムーズに進捗できています。今回は、長期にわたって段階的な導入が進むため、サービス契約も8.5年になります。今後の長いお付き合いの中で、さらに信頼いただける関係を築けるようがんばります。

NEC 東海支社
中部官庁・公共第一営業部
担当 梅沢 勇夫

お客様プロフィール

東三河共同調達グループ

概要 愛知県東部の東三河地域にある豊川市(人口181,302人)、新城市(人口48,811人)、田原市(人口64,340人)と北設楽郡の設楽町(人口5,328人)・東栄町(人口3,584人)・豊根村(人口1,211人)の6市町村によるクラウドシステムの共同調達・共同利用を推進するグループ。
(※人口は2015年8月時点の情報)

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(2015年10月23日)

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