最近は電子メールでかんたんに人とやりとりできるけど、お正月にははがきで
しかも、ゆうびん物の量は昔より
下の図「ゆうびんが配達されるまで」をみてほしい。どの作業も、昔は全部、人が手作業でやっていた。しかし今では、いろいろな種類の「ゆうびん自動化機」がやっている。しかも、人間がするよりも、ずっと早く、
ポストから集められたゆうびん物は、あつさも、大きさも、向きもバラバラだ。
ゆうびん局では、それをきれいにそろえて、消印をおす。
それを全部、自動的にやってくれるのが、「ゆうびんが配達されるまで」の前半を担当する「
ドラム式
次にゆうびん物は、ベルトにはさまれ、立ったまま機械の中を
この時点では、まだ向きはバラバラ。ここで
※切手に使われている特別なインクの成分を見つけ出して、切手の位置を知る方法や、切手のまわりのミシン目のギザギザをさがし出して見つける方法もある。
向きのそろったゆうびん物に、機械が消印をおす。ゆうびん処理の自動化の歴史は、今から50年以上前、この消印をおす機械(
定形ゆうびん物のはがきやふうとうを分ける機械は、長さ10数m。小包を分ける機械になると、全長50mぐらいある。
※「定形ゆうびん物」とは、大きさやあつさ、重さが、決められたサイズにおさまるゆうびん物のこと。
ここから先は、「ゆうびんが配達されるまで」の後半を担当する「ゆうびん区分機」の出番だ。これは、あて先を読み取って分けていく機械なんだ。
ゆうびん番号も、読みにくい手書きの住所も、「OCR」といわれる文字読み取り技術を使って、1時間3〜4万通ものスピードで読み取っていく。
1通にかかる時間は、わずか0.1秒という早ワザだ。
ゆうびん番号を読み取るには、まず、ゆうびん番号をさがさなければならない。昔は、ゆうびん番号は赤いわくの中に書くと決まっていたから、機械でも見つけやすかった。でも最近は、ラベルシールに書かれていたり、場所も上の方とはかぎらなかったり、いろいろだ。
だから、OCRでは、最初にゆうびんの表面全体を画像でとらえる。そして、文字の大きさや色などをヒントに「7けたの数字のならび」を見つけ、ゆうびん番号だと
ここでは、「バイオメトリクス」の記事の「
ゆうびん番号ごとに分けられたゆうびん物は、トラックなどで、それぞれの
ここで「ゆうびん自動化機」は、住所を「○丁目」まで読み取るだけではなく、配達員の担当ごとに分けてくれる。しかもそのあと、番地やマンションなどの部屋番号まで読み取って、配達する道順に合わせてならべかえるんだ。ベテランの配達員さんもびっくりだね。
みんなの家に配達されるゆうびん物に、透明バーコードがついているって知ってた? 実は、ゆうびん区分機が住所を読み取ったとき、読み取った
50年前のOCR技術では数字しか読めなかったが、今では、ゆうびん物の90〜95%のあて先を自動的に読み取れる。読みにくい手書き文字も、高度な画像認識技術のおかげで、スイスイ読めるよ。
機械が読めなかった文字を読むのは、人間の役目。文字が
その数、なんと、1時間で2000通以上だ。
最近では、数字や日本語の文字(漢字、ひらがな、カタカナ)だけではなく、アルファベットやアラビア文字など、世界のいろいろな文字も読めるようになった。英語の筆記体だって、自動的に読み取れるんだ。
世界のどの国でも、ゆうびんを早く、正しくとどけたい気持ちは同じ。だから、ゆうびん自動化機は世界中で求められ、NECの機械は、ヨーロッパやアジアを中心に50カ国もの国々で使われている。
これから、もっと多くの国の人々の役に立つように、より多くの文字の読み取り技術の研究が、今も進められている。