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NECグループ11万人で挑むAIトランスフォーメーション(AX)チャレンジ【BPO変革】
複雑な業務やルールが重なり合う中、バックオフィス業務には正確さと効率性の両立が求められています。
本ページでは、受注計上プロセスを起点に、バックオフィス業務へAIを組み込んだ取り組みを通じて、業務改革の考え方と進め方を紹介します。
取り組みの概要を動画で紹介
受注計上プロセスで起こる年4万件の手戻りを解消せよ
BPO変革チャレンジ 営業バックオフィス支援AI
受注計上プロセスで起こる年4万件の手戻りを解消する!
―AIによるパーソナル秘書化への挑戦―

冨川 亘 Wataru Fukawa
営業バックオフィス部門の業務内容は、AIでどこまで進化できるのか。同部門の戦略企画スタッフとして実務的な推進リーダーの役割を担い、現場・システム部門・業務知見者をつなぐ「橋渡し役」としてAIトランスフォーメーションの推進を担当する冨川に話を聞きました。
複雑な業務工程、社内制度が生み出す非効率な事務処理。
受注計上プロセスでは、年間約4万件もの手戻りが発生していた。
Q.営業バックオフィス部門の業務フローでは、どのような課題感があったのでしょうか?

冨川:NECでは受注計上プロセスにおいて、営業側の起票者もバックオフィススタッフもそれぞれ多くの負担を抱えていました。特に、複雑な多段階業務プロセス、システム特有のUIの難しさ、そしてNEC独自の制度やルールの複雑さが、大きな非効率を生み出していると感じていました。例えば、新規受注計上依頼は年間約20万件あり、そのうち約20%(約4万件)で日常的に問い合わせや手戻りが発生し、情報の齟齬や確認作業が繰り返されているのが現状です。これが業務全体の非効率さにつながっていました。
Q.今回のプロジェクトはどういった経緯で始動したのでしょうか?
冨川:営業が伝票作成を依頼した後、バックオフィス業務をサポートするセールスパートナーというスタッフ、受注計上センター、審査担当と関与者が多いため、工程が非常に複雑になりやすく、結果として人的なミスや手戻りがなかなか減らない状況にありました。さまざまな情報ソースから必要な情報を集約し、正確に入力する作業は、システムに不慣れな方にとって大きなハードルです。特に難解な伝票作成の場合、エラーから抜け出せなくなるケースも少なくありません。売上が伸びるほど伝票の件数も増え、計上業務も増大します。一方で人手は減少傾向にあり、従来の人海戦術だけでは限界を迎えています。こうした人手に依存する現状から脱却するため、営業に寄り添うセールスパートナーの役割をデジタル化し、AIのセールスパートナーが営業現場を支える世界観を作ることが必要だと考え、今回のプロジェクトは始動しました。前例がほとんどないAI開発は「絵空事」を描くことから始める。
現場の共感・納得がAI開発へのギアを0から1に引き上げる。
Q.営業バックオフィス部門の業務にAIを導入する際、どのような部分から取り組みを始めたのでしょうか?
冨川:企画やアイデアの創出において生成AIを活用できる可能性は認識していましたが、プロジェクト開始時点では「作業を代替する存在としてAIがどこまで機能するのか」までは誰も明確に把握していませんでした。何から着手するべきかの判断が難しく、どこにAIを導入して人間がどう確認するのか、作業の区切りについて悩むことが多くありました。そんな中、プロジェクトが動き出すきっかけとなったのは、「AI活用が本当の正解になるかはわからないが、まずはチャレンジしよう」というトップの言葉でした。その言葉で少し気が楽になり、まずは「ありたい姿」を描くことから始めました。まるで「絵空事」のような漫画を描く感覚で未来像を描き、その中で「営業一人ひとりに寄り添うAIパートナーのような存在を確立できないか」というアイデアが浮かびました。もし実現すれば、セールスパートナーは他の業務に時間を割くことができ、営業担当者は24時間365日いつでもサポートを受けられるようになると考えたのです。
Q.営業バックオフィス部門へのAI活用浸透はどのように進められたのでしょうか?

冨川:私たちのビジョンや理想像を現場に共有し、共感されることが行動変容を起こす鍵だと感じています。もちろん、ビジョンだけでは人は動きません。日常の業務でどのような手順を踏み、具体的にどんな情報ソースを組み合わせているのか、今回の変革でどこが改善されるのかを明確に伝えることで、「それならやってみようか」という気持ちが芽生えます。そのギアが0から1に上がる瞬間こそが何より大切です。例えば、私が所属するバックオフィスのメンバーの中にも、「従来のやり方の方が効率的だ」と抵抗感を示す方がいましたが、対話を重ねて誤解を解消しました。現時点ではできないことは、段階的にツールを成長させて実現することを説明し、一緒に育てることが大切なので協力してくださいと伝えることで、少しずつ協力的な気持ちを持ってもらえるようになりました。不満や不安を率直に吐露したい気持ちに真正面から向き合うのではなく、現場スタッフの声を丁寧に受け止め、同じ目線になることが重要だと感じています。
一人ひとりに寄り添う秘書のようなAIパートナーへ。
現場主導で切り拓くAI時代の新しいバックオフィスの形とは。
Q.今回のAI導入プロジェクトを通じて、社内でどのような変化を感じましたか?

冨川:利用者が増えるとその声が開発メンバーに届くようになりました。「AIのおかげで業務が楽になった」「営業から感謝された」こうした声にチーム一同大変喜んでいますし、次の開発に向けて一層意欲的に取り組んでいます。またトップは「すべて完成してからではなく、できた部分から順次リリースし、実際に使ったユーザーからフィードバックをもらいながら共に成長させていこう」と方針を示しており、私たちもユーザーと共に歩み、現場の声を大切するプロジェクトとして進めたいと思っています。
Q.今後のビジョンや、AI活用を通じて目指す業務の進化についてお聞かせください。
冨川:目下の目標は2026年度の作業時間を約10万時間削減することです。非常にチャレンジングですが、まずは標準的な業務処理パターンを効率化することから一歩ずつ進めたいと思っています。また同じ営業やセールスパートナーでも、個人の知識や習熟度によってAIに助けて欲しいポイントも異なるため、最終的には「一人ひとりのパーソナリティに寄り添った個人秘書のようなAI」へと進化する未来を目指してチャレンジし続けたいですね。- ※本資料は2026年3月時点の情報に基づいて作成しています。
- ※本資料に記載されている内容は、取材時点での情報に基づいており、将来の成果や効果を保証するものではありません。
- ※所属・担当は取材当時のものです。
