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“多様な人にやさしい社会”の、土壌をつくる。
絶対にしゃべってはいけないUDワークショップ(TOKYO手話カレッジ)2015年11月、NECは、東京都、公立大学法人首都大学東京と協働で、手話や聴覚障害についての理解と関心を深めることを目的とした、産官学連携イベント「TOKYO手話カレッジ」を開催しました。
NECでは、企業理念に基づき、30年以上にわたって「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」の支援を行ってきたほか、20年以上にわたる車いすテニスの日本選手権の支援、ICT技術を活用した「難病コミュニケーション支援講座」など、さまざまな障害者支援活動を続けています。「TOKYO手話カレッジ」は、こうした長年の社会貢献活動が評価され、東京都からお声がけいただき、共催するにいたりました。
NECは、教室プログラムとして、ユニバーサルデザインをテーマにしたワークショップや、聴覚障害者向けのIT機器・ソリューションを展示。多数の方にご来場いただいただけでなく、ワークショップの参加者からは「わかりやすく説明してもらいとても勉強になった」とコメントいただくなど、大変ご好評いただきました。
NECのデザイン部門は、ワークショップを担当。ユニバーサルデザインの基礎について学ぶ「絶対にしゃべってはいけないUDワークショップ」、手話の専門家・森本行雄氏による「手話を学ぶ、聞こえないことを学ぶ」の2つを企画し、実施しました。
デザインのアウトプット
ワークショップは、「ユニバーサルデザイン」を大きなテーマとして掲げ、前半ではユニバーサルデザインの基礎を、後半では手話について学ぶ場を提供しました。
「絶対にしゃべってはいけないUDワークショップ」
NECのデザイナー(ユニバーサルデザインの専門家)による、ユニバーサルデザインの基礎について学ぶ講義。参加者には耳せんをしてもらい、聞こえない状態を体感してもらいながら実施しました。
講義では、日本社会の高齢化や日本を訪れる外国人の急激な増加を背景に、年齢・性別・能力などに関わらず、より多くの人にとって使いやすい製品やサービスをつくることを目的としたユニバーサルデザインの重要性が高まっていることを提示しました。
また、硬貨やお札、くつべら、ライター、カーディガンなど、わたしたちの身近にあるもので、実はユニバーサルデザインの考え方に基づいてつくられているものも紹介。参加者にユニバーサルデザインについて興味を持ってもらうきっかけも提供しました。


「絶対にしゃべってはいけないUDワークショップ」で使用した資料の一部
「手話を学ぶ、聞こえないことを学ぶ」
手話および聴覚障がいの専門家である森本行雄氏による体験型ワークショップ。手話や聴覚障害についてわかりやすく伝え、身近なものであると知ってもらうことを目的としたものです。
講義では、まず参加者に、指と手だけを使いお互いの誕生日を伝えあうなど声のない会話を体験するゲームで気持ちをほぐしてもらいます。その後、交通機関でアクシデントが起こった際に聴覚障害者の視点になるとどのように感じられるのかを、画像などを用いて疑似体験。また、テレビで聴覚障害者が情報を得るための字幕放送がどれくらいの割合で提供されているのかなどを教わることで、「聞こえない」とはどういうことか、今の社会は聴覚障害者にとってどのように映るのかなどを学びました。
ワークショップの後半では、障害者向けのスポーツイベントなどで使える手話の講義も実施。日本が大きな節目をむかえる2020年に向け、世界各国から聴覚障害者に安心して日本を訪れてもらうための雰囲気づくりにも貢献しました。


「手話を学ぶ、聞こえないことを学ぶ」で使用した資料の一部
関連リンク
NECのユニバーサルデザインへの取り組み
NECでは、1996年よりユニバーサルデザインの取り組みを開始。製品開発への適応や評価をはじめ、NECグループ社員を対象とした教育啓発活動やワークショップを実施しています。ここではそうした取り組みの一部をご紹介します。
eラーニング
NECグループの全社員を対象として、ユニバーサルデザインの考え方や製品開発事例を学ぶeラーニングを実施。2008年から2014年2月の時点で、約32,000名の社員が受講しています。


NECグループ社員向けeラーニングの画面
セミナー、ワークショップの開催
社内外から講師を招いて、ユニバーサルデザインに関するセミナーやワークショップを実施しています。また、ユニバーサルデザインを実現するための手法である「人間中心設計」に関する教育も実施し、これを取り入れた商品開発に大きく貢献しています。
ワークショップの一つに「ユニバーサルデザイン疑似体験」があります。ユニバーサルデザインの重要性や利用者の気持ちを理解するには、高齢者や障害のある人の感覚を疑似体験することが効果的と言われています。専用のゴーグルや装身具を身に着けて高齢者の方の感覚を体験したり(インスタント・シニア体験)、細いストローを通して見ることで視野狭窄(しやきょうさく)のある方の視覚を体験したりすることなどで、さまざまな発見や気づきを提供しています。

