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入門編:EMCノイズ発生メカニズムとDEMITASNXのご紹介 2022年12月/2023年1月

講演への質問と回答

2022年12月15日/2023年1月18日開催「入門編:EMCノイズ発生メカニズムとDEMITASNXのご紹介」でいただいたご質問と、講師からの回答を掲載いたします。

  • 勉強会資料(テキスト)は、本勉強会にお申込いただき、勉強会後アンケートに回答していただいた方に配付しております。

質問と回答

Q1共振解析は、電源とGNDが隣り合う層だけ実行すればよいのでしょうか(電源層とGND層の間に信号層がある場合も実行した方がよいのでしょうか)。
A1共振解析は、隣り合う電源・GNDプレーンで解析します(上下で距離に差があっても1mmも離れていないので、共振があるかどうかはどちらでも確認できます)。
Q2電源層の上下にGND層がある場合は、両方のGND層で共振解析をすべきでしょうか。
A2GV間に信号層が入っていても解析してください(信号配線の細さであればGV間の比誘電率が変わりますが、共振があるかどうかは確認できるからです)。
Q3リターンパスチェックで、スリットなしと5mmで結果が放射が同程度はわかったが、なぜ判定値が30dBuV/mでNGと出来たのでしょうか。
A3絶対値で判断しているのではなく増加値で確認しています。5mm以下であれば5dB未満の増加で済むが、15mm(30mmの半分)では+15dBという指数的な増加が見えます。
Q4リターンパスチェックで、対象としたい周波数を入力して、周波数毎にデモのような解析を繰り返すのでしょうか。F=0, 0<F<10, 10< F 50, 50 < F 100とありましたが、一括で計算されるのでしょうか。
A4周波数は信号ネット設定して、一括で全ネットを計算します。周波数を設定していない場合はデフォルトで20MHzとして計算します。20MHzとして計算すると、その結果を10<F<=50の列で表示します。
Q5EMIチェック結果のAI絞り込みについて、ノイズにどれくらい寄与するかを目視できないのでしょうか。なにを基に沢山の検索結果から選りすぐったと分かるようになっているのでしょうか。
A5AIで利用している説明変数(判定要素となるパラメータ)は、エラー発生位置付近の上下左右のGNDプレーンの付き方や周りのヴィアの数など数十種類のパラメータを使っていて、その重み付けを学習した結果で絞り込みをしています。どの変数が寄与したかは確認できませんが、ベテランエンジニアが見て直した方が良いエラーに絞り込まれるようになっています。
Q6GND共振について、近傍と遠方のノイズ周波数は同じ周波数でしょうか。
A6相関関係があるので傾向は同じです。ですので遠方のノイズ周波数を、近傍でどこからでているかを見つけてするのは一般的な方法です。
Q7共振解析は、GNDと電源プレーン間の解析ですが、パターンの信号線とGNDプレーンとの解析もできますか。
A7信号配線も銅箔ですので、GNDプレーンと2枚の平行平板として共振周波数を求めることができます。
Q8各解析は何Hzまで解析できますか。
A8計算上は、0MHzより大きい周波数から上限なしで計算できます。上限は初期値として100GHz以下としています。(変更可能です)
Q9電源プレーンを閉じ込めるように、基板外周にGNDパターンを1mm幅などで入れて、GNDビアも設けた場合、共振自体は発生していても基板外へのEMIの影響は抑えられると考えても良いでしょうか。
A9EMI放射を遮蔽する効果があります。ただし遮蔽するGND自体が共振しないことも確認することをおすすめします。
Q10内層の配線の場合、リファレンス層は隣接した上の層と下の層のどちらになりますか。リターンパスは上下層、いずれも確保する必要がありますか。
A10一番距離が近い銅箔に、一番多くのリターンパス電流が流れます。一番距離が近い層で対策するのが一般的です。
Q11VSGの層構成の場合、共振ノイズが信号層の信号線にクロストークが発生しますでしょうか。
A11クロストークします。高速信号は電源に近づけない(共振の励振源になるため)のが一般的です。
Q12ESDは何が広がるのでしょうか。電位が上がりますか。ESDなら他に逃がすことが必要ではないのでしょうか。広がって問題ないのではないでしょうか。ノイズ放射の観点でNGとうことですか。
A12周波数成分を持った電流ノイズが流れますが、これに伴い電位差が発生します。ESDの対策の1つに他に逃がす対策もあります。逃がす経路に誤動作を引き起こすICや配線が無いことも確認が必要です。
Q13共振解析について、電位の変動の状態を見れるということですが。グラフの赤い線はどのように決めたのですか。共振していても、入力信号の周波数と共振周波数が合致しなければノイズ上は問題無しと考えて良いのでしょうか。
A13共振が発生していない、あるいは共振が発生していたとしても効率が悪いアンテナとなっている基準として、励振源のエネルギーから-5dB(実効値で約半分)に落としてある基準を採用しています。
Q14ESDについて、特定の位置で放電ガンを使用し評価を行い、誤動作等を確認していますが、オプションのESDチェックではどのようにチェックを行っているのでしょうか。
A14ESDチェックでは対策ルールを用いて、どこに放電ガンが打たれたとしても対策できているようチェックをしています。実際にはガンを打つ位置が特定されている場合は過剰なチェックではありますが、ESDチェックにて全体をチェックした後に、放電ガンおよびその付近(プレーン形状に沿ったのエッジ付近を含む)のエラーを対策するのが効率的な対策になります。
Q15対象とする周波数でもNGになるノイズ強度の判定値は異なると思いますのでなぜその判定値で良いのかを知りたいです。また基板上の解析結果が遠方でのノイズ強度や周波数が同じポイントになるのでしょうか。
A15
共振解析の判定値は、共振によるエネルギの放射を抑制していると判断した値を採用してご提供しています。(NEC専用のGEARSPICEによる解析で、励振源のエネルギが1/3以下であれば共振していないと判定)
また実測での遠方界放射としては共振によるアンテナ以外に、その共振周波数と同じ周波数のノイズ源(高調波を含む)があることも主要因です。両方(共振を押さえて、かつノイズ源の侵入を抑える)の対策をおすすめします。
Q16DEMITASNXの部品属性の設定で、キャパシタの解析モデル名を設定しますが、モデルが存在しない場合、解析モデルの追加は可能でしょうか。現状モデルが無い場合は、近い値の解析モデルを設定していますが、解析精度にどのくらい影響がありますか。
A16デフォルトでc104(0.1uF)の容量+ESL+ESRのモデルをキャパシタに割り当てて解析します。キャパシタベンダー様のホームページからもネットリスト・SPICEモデルという名称で標準品であれば入手でき、DEMITASNXで利用することが可能です。通常のセラミックコンデンサであれば0.1uFから2桁くらい変わったも共振周波数はほどんど変化がありません。(200MHz以上の共振周波数ではESLが主成分となるため。c101(0.1nF)以下の容量は設定することを推奨)
一方、200MHz以下の周波数帯でのノイズ対策は、伝導ノイズ対策となり、DEMITASNX PIオプションで対策します。この周波数領域では正確な容量・ESL+ESRを設定するためキャパシタベンダー様からキャパシタモデルを入手して設定することをおすすめします。

DEMITASNX製品・事例紹介資料ダウンロード

DEMITASNXのご紹介資料はこちらからダウンロードいただけます。※講演資料ではございません

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