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森田CEOと社員の対話集会、毎月続けて50回 経営層と現場がぐっと身近に

NEC社長兼CEOの森田隆之は、2021年の就任以来、NECグルーブの社員と対話する場「CEO Town Hall Meeting(タウンホールミーティング)」を毎月続けています。参加者が毎月1万5000人を超えるほどに成長した対話の場は、2025年10月に50回の節目を迎えました。経営層と社員の対話、というと当初は堅苦しいイメージも持たれていましたが、回を重ねることで社員の意識にも、そしてNECの文化にも変化が生まれています。

「社員との生の対話」こだわり続けて生まれたもの

「CEO Town Hall Meetingは、あなたにとってどんな存在ですか?」。ちょうど50回目となる10月21日のCEO Town Hall Meetingでは、社員アンケートの結果を公開。四つの選択肢の中で「森田さんの想い/経営方針を聞ける機会」が最多61%という結果でした。この話題の中で森田は、社長になったばかりの頃、他企業の経営トップたちに心得を聞いて回り印象に残ったアドバイスを紹介します。それは「Purpose(企業の存在意義)は社長からしか伝えられない」というもの。森田は「やっぱり直接の対話をやらなきゃいけないと思った」と当時の決意を振り返ります。

アンケート結果をみながら、少しはにかんで続けたのは「自分の目的はある程度みなさんに伝わっているのかな」という手ごたえでした。

CEO Town Hall Meetingの初回は2021年4月。「始めたころは、こんなに続けることになるとは思わなかった」と森田は笑います。当時はコロナ禍の影響でオンラインのみの開催でしたが、徐々に本社(東京都港区)などを会場にしたリアルとオンラインのハイブリッド型に発展させていきました。

当時社長に就任したばかりの森田の人となりを紹介する目的もありましたが、最大の狙いは経営方針や戦略の理解浸透です。「経営と現場が遠いという声がものすごく多かった」と振り返る森田。社長が社員と直接対話する場も珍しかった頃で、社内からは「社員からネガティブな質問が出るかも」という不安の声も上がっていました。

それでも森田が徹底してこだわったのが「社員との生の対話」です。「台本をつくりこむと偽物になってしまうし、つまらない」。社員からのどんな質問でも、正面から受け止めて対話する。こうした姿勢の積み重ねは、社員との信頼関係を育んでいきました。

社員アンケートでは、「経営方針の理解浸透」につながったという回答の割合は毎回8~9割にのぼります。「社長や役員を身近に感じることができた」「モチベーションにつながった」「意思決定の背景を知ることができた」といった声も寄せられており、森田自身もアンケート結果は自由回答も含めて隅々まで目を通しています。「若い人の回答率が低いかな。もっと若い人の意見を聞けるように工夫したい」などと運営チームにフィードバックをすることも。参加者数も徐々に増え、2021年度は平均約1万人でしたが、最近は毎月1万5000人超が参加するようになりました。

5年近く「対話」を継続 社員にも、組織にも変化

CEO Town Hall Meeting は社員とのコミュニケーションを深める有効な手段の一つになる──。4年以上続けた結果、NECのコミュニケーションの基盤の一つとしても定着しつつあります。それはテーマの選び方の変化にも現れています。

スタート当初は運営チームによる企画が中心で、中期経営計画のキーテーマがほとんどでした。最近はあちこちの現場から毎週のように運営チームに相談や提案が寄せられています。例えば「NECの価値創造モデルBluStellarをメディア説明会とタイミングを合わせて社内にも周知したい」、「NECの先端技術をもっと社員に知ってもらいたい」、「新たに決定した働き方の方針について伝えたい」。こうした現場からの提案をもとに構成する回もどんどん増えています。

CEO Town Hall Meetingをお手本にした対話の取り組みも広がっています。各組織のリーダーが○○版Town Hall Meetingを開いたり、管理職クラスがさらに少人数の対話集会を開いたり。リーダー層と現場がお互いに自分の言葉で想いを伝えあい、組織のビジョンの理解を深め、職場環境の改善につなげています。

対話の意義について、CEOの森田は、こう語ります。「自分自身も新たな気づきがあります。伝えたつもりだったけれど、案外伝わっていなかったんだなとか、誤解があったなとか」

伝わっていないと感じたことは、次の対話でアップデートを重ねていく。そうした試みを「継続してきた」ことが、この50回という数字に象徴されています。継続の成果として森田が感じること。それは「対話を通して理解を深めてもらえたことで、事業のスピードが上がっていくということ」と力を込めます。

NECがPurposeに掲げる「社会価値創造」。CEO Town Hall Meetingで育まれたものは、Purpose実現に向けた、確かな原動力となっていきます。

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