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相模原市とNECが育てる生成AIに全国から熱視線 働き方改革と「暮らしやすさ」向上

今やそのニュースでその話題を目にしない日はない生成AI。データ学習をもとに文章や映像などをつくれる生成AIは、日々の仕事や暮らしに大きな影響を与えるといわれています。NECも高い日本語性能を持つ生成AIをいち早く開発して市場投入したことで、この分野で存在感を発揮しており、金融、製造、医療など様々な業務に対応した生成AIの活用を進めています。今回のNEC Storiesでは議会答弁案の作成に生成AIを活用する相模原市とNECの取り組みをご紹介。この事例を糸口に目指すのは、相模原市にとっては職員の働き方改革と市民サービスの向上、NECにとってはPurpose(存在意義)にある「誰もが人間性を十分に発揮できる社会の実現」です。

第一弾は議会答弁案の作成 DXで“ワクワクする相模原づくり”

相模原市との取り組みは「全国初の自治体による国産生成AI活用」として報道され、注目を集めています。相模原市の本村賢太郎市長は「人口や職員が減る中でも、市民のニーズに対応したサービスは向上しなくてはいけません。そのためには働き方改革にもつながるDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要」と強調。市制70周年を迎えDXを加速する相模原市で「 “ワクワクする相模原づくり“にNECとともに取り組んでいきたいですね」と力をこめます。

相模原市 本村賢太郎市長

相模原市とNECのタッグは、2023年10月に生成AIの共同検証に関する協定を締結したのが始まり。議会答弁案の作成における生成AIの活用の検証はその第一弾です。過去の答弁データを参照することが多い答弁案の作成は、膨大なデータをもとに文案をつくる生成AIの特長を活かせる好事例です。議会答弁案の作成は職員の長時間労働の一因という指摘もあり、生成AIの活用で働き方の改善に繋がるのではと期待が寄せられています。

全国初の自治体での国産生成AI活用 「現場重視」でプロジェクトチームが挑む

今回の取り組みの成功に不可欠だったのが、NECの自社開発の生成AIでした。それが、DX事業の新たな価値創造モデルとして2024年5月に発表した「BluStellar(ブルーステラ)」のコアテクノロジーである、NEC開発の生成AI「cotomi」です。

自社開発の生成AIがあったから実現した特長の一つが、特定の業界や業務に対応した精度の高い回答を導く「ファインチューニング」で、他社モデルで行うのはハードルが高いと言われていました。細かいファインチューニングの実現で、複雑な指示がなくても語尾や言い回しなど相模原市の特徴を反映した答弁案をつくることができるようになりました。

ファインチューニングを実現できたもう一つのポイントは、相模原市の担当者とのきめ細やかなやりとりです。過去のデータだけではフォローできない最新情報をユーザーが追加する機能も現場からの要望で実現しました。「実際に利用するお客様とやり取りすることで気が付いたことも多くあります」とアナリティクスコンサルティング統括部の仲川太陽は振り返ります。

自治体DXを推進し、誰もが先端技術を扱える社会へ

2024年6月の相模原市議会からは、本格的に生成AI活用がスタート。「行政用語にもどんどん強くなってきて、本当に一緒にやってきた甲斐がありました」と本村市長。「チャレンジを進めて生成AIを育てて、将来的には国内だけではなく世界にこの取り組みを広げていきたい」と期待を語ります。相模原市には他の自治体から視察要望が複数寄せられ、市民からも「相模原市やるじゃん」などのコメントが届くなど、反響も上々とのこと。

何より、当初の目的だった業務の効率化にも手ごたえがあったといいます。「今回の相模原市との実証を成功事例として今後はそれを多くの自治体に広げてもらい、自治体領域のDXを推進して日本社会に貢献していきたい」と、このプロジェクトをまとめたNECソリューション開発統括部の渡辺亮介は今後の展望を語ります。

生成AIという技術そのものへの未来図もNECが照らします。技術面のリーダーを務めるアナリティクスコンサルティング統括部の境辰也は「生成AIを入り口に今までアクセスできていなかったシステムや情報により気軽に一般の方々がアクセスできるようになる」としたうえで「NECの生成AIの技術と様々な社会のシステムを組み合わせることで、より便利な社会を作っていきたい」と期待を込めています

ソリューション開発統括部 渡辺亮介
アナリティクスコンサルティング統括部 境辰也

NEC 2030VISIONの「とまらない社会を築き産業と仕事のカタチを創る」ために。NECグループでは、最先端のテクノロジーを社会に実装することを通して「誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現」を目指していきます。

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