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だから私たちはNECで働く 幾度もの危機からの変革「選ばれる会社」へ 堀川CHRO

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私たちはどう働くか。仕事に対する考え方がどんどん変わるこの時代、NECも大きく変わろうとしています。キャリア採用者の増加、ジョブ型人材マネジメントの本格化など、まず仕組みから布石をうってきました。目指すのは、自らキャリアを「選ぶ」人材を育て、「選ばれる会社」となること。幾度もNECの危機にもまれ、2023年4月にCHRO(最高人事責任者)に就任した堀川大介CHROに、NECの変革の今とこれからを尋ねます。

「辞めたい」でもNECで働くことを選んだ

── CHROと同時に人事総務改め「ピープル&カルチャー」の部門長にも就きました。NECは2025中期経営計画(中計)で「選ばれる会社 - Employer of Choice」を掲げ人・カルチャーの変革を目指しています。自身はこれまで、なぜNECを選んできたのでしょうか。

グローバルに戦える会社で働きたい。それがNECを志した一番の動機でした。私が入社した1992年、NECは半導体など複数の分野で世界の5本の指に入る企業として、新卒就職人気ランキングもトップクラスでした。

官公庁担当の営業としてやりがいを感じながら、転機は1998年に訪れました。大きなコンプライアンス問題の発生です。

この時、辞めたいという気持ちを初めていだきました。でも辞めなかった。理由は二つあります。一つは、当時の対応の矢面に立っていた上司からの「若い人たちで立て直してほしい」という言葉。もう一つは、お客様からの言葉でした。

「国民の安全と安心を守るためにNECと一緒にやっているつもりだったのに」。お客様からの叱咤は、申し訳なさと同時に、NECだからこそ果たしてきた役割があったことを思い起こさせてくれました。国の、社会の安全・安心を守る。こんなやりがいのある仕事ができるのはNECしかない、と。

この時、「NECで働き続けること」を選んだ。そして、NECを変えていこうと心に誓ったのもこの時でした。

「変わらなければならない」会社も、社員も

── 営業から官公庁担当部門の企画に移りました。どのような変革を仕掛けたのでしょうか。

現場から徹底的に意見を聞き、評価制度にも手を付けました。意識改革では、アウトドア研修で、「チーム全員が自ら考えてお互いに協力し合いながら、いかだを動かさないと、前に進まない」ということを体感してもらいましたね。(笑)

手ごたえはありました。しかし、今思えば少し天狗になっていたかもしれません。異動した途端、鼻っ柱を折られましたから。別の事業部門では、これまでのやり方は全く通用しなかった。仕事の進め方もカルチャーも全然違いました。この頃のNECは制度や仕組みの異なる中小企業の集合体みたいな組織だったように思います。

細分化された市場において、現場ごとに蓄積されたノウハウで仕事をするのは、それまでの時代にはよかったかもしれません。でも、このやり方では勝てない。時代は変わっていき、変われない私たちは勢いを失い、取り残されていきました。

── 21世紀に入って業績は右肩下がりを続けました。2012年にはNECの株価が100円を割ります。この時、経営企画部にいましたね。

「NECは何のために存在しているのか」。当時の経営層はまずこれを徹底的に議論して、事業ポートフォリオを見直しました。モノづくりからコトづくりへのビジネスモデルの大きな転換です。「社会価値創造」という言葉が生まれたのもこの時で、今のPurpose(存在意義)「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」につながっています。

しかし、変革はすぐに上手くいったわけではなく、好転の兆しが表れたのは2018年になって「119年目の大改革」と称した、実行力の改革が始まってからです。社員の声を起点に、「人事改革」「働き方改革」「コミュニケーション改革」の3本柱を打ち出し、行動基準(Code of Values)の制定、評価制度の見直しや働く環境の改善など、社員の力を最大限に引き出す仕組みの整備が進みました。トップマネジメント層から変わるべく、外部人材を積極的に登用。スピーディに戦略を実行するためにトップ層に限らず、キャリア採用(中途採用)を強化し、今や新卒採用と匹敵する割合にまで増えています。多様な人材が変革を後押ししたのは確かです。

2025中計も折り返しとなりました。人・カルチャー変革でいえば、変化のための基盤の整備が着実に進み、浸透しつつあります。これからは社員一人一人が「主役」となって変わっていくフェーズになります。

「信頼の歴史」と「変革の加速」の両立、だからこそ面白い

── ジョブ型人材マネジメントの導入も最終段階に入り、2024年4月からNEC社員を対象に本格展開されます。

組織にとっては、人材の柔軟な配置によって戦略の実行力を上げることができるのがジョブ型です。社員からみれば、自身の強みや人生設計なども踏まえてキャリアを選ぶことができます。「自ら考え、決め、行動」し、挑戦する人が今まで以上に評価される時代になるんです。もちろんジョブ型でも、個人プレーに走ることだけが求められているわけではありません。チームの成果への貢献が大事なのは、これまでの考え方と変わりません。

今年はワールド・ベースボール・クラシックやラグビーワールドカップなどの世界大会で盛り上がりました。日本代表メンバーの出身地やキャリアが多様化する中、一人一人が自律的に動き、互いに個性を認め、活かし合いながらチームとして最高の結果をめざす。世界で結果を出すためのお手本が日本代表にはありました。

── 「選び」「選ばれる」ために、改めてNECグループで働く価値をどう考えていますか。

個人的に、まず思い浮かぶのが「信頼」という言葉です。かつてお客様の言葉で実感した「安全・安心を守るNEC」への信頼は、今も私の原点にあります。120年以上の歴史を持つNECだからこそ任せられる事業とスケールがあります。

信頼の歴史がベースにあり、未来を創るイノベーションにチャレンジできる。この両方があることがNECの強みです。この面白いNECで起こす私たち一人一人の行動が、グローバルで勝てる会社への原動力となり、選ばれる会社になる。そう確信しています。

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