Japan
サイト内の現在位置を表示しています。
CLUSTERPRO X 5.3のご紹介~統合 Cluster WebUIでクラスターを一元管理~
CLUSTERPRO オフィシャルブログ ~クラブロ~
はじめに
CLUSTERPRO Xの最新バージョンであるCLUSTERPRO X 5.3を2025年4月8日にリリースしました。CLUSTERPRO X 5.3ではクラウド利用における構築・運用の容易化、ユーザビリティ向上、セキュリティ/IoT・組込みOS対応、新OS・プラットフォーム対応など多数の機能強化を実施しました。詳細は機能強化ポイントを参照ください。
本記事では、ユーザビリティ向上の機能の1つとして追加された統合 Cluster WebUIをご紹介します。統合 Cluster WebUIを利用することで、CLUSTERPRO Xが導入されているHAクラスターや、CLUSTERPRO X SingleServerSafeが導入されているシングルサーバーを1画面で管理することができます。(以降では、HAクラスターとシングルサーバーをまとめてクラスターシステムと表記します。)
この記事の内容
1. 統合 Cluster WebUIとは
統合 Cluster WebUIは、複数のクラスターシステムを一元管理することが可能なWebアプリケーションです。複数のクラスターシステムをフォルダーにまとめ、ツリー構造で表示、操作することができます。
従来から提供されている(統合と付かない)Cluster WebUIは単一のクラスターシステムを管理するGUIのため、複数のクラスターシステムを管理する場合は複数のウィンドウを開く必要がありました。一方、統合 Cluster WebUIは一つのウィンドウで一元管理することが可能ですので、システム全体を俯瞰、管理するのに役立ちます。なお、クラスターシステムの設定については引き続きCluster WebUIから行う必要がありますので、クラスターシステムの構築時などはCluster WebUIをご利用ください。
Cluster WebUIと同様、統合 Cluster WebUIの利用は一般的なブラウザの標準機能でご利用いただけます。動作確認済みブラウザは以下をご確認ください。
2. 統合 Cluster WebUIの機能
統合 Cluster WebUIでは登録したクラスターシステムに対して、シャットダウンや再起動、リソースの起動や停止等の操作を行うことができます。統合 Cluster WebUIからCluster WebUIを起動して設定変更を行うこともできます。
また、フォルダーのステータスを確認することで、登録したクラスターシステムが正常に稼働しているかを一目で確認したり、フォルダーのツリーを展開することで、どのクラスターシステムに異常が発生しているかを確認することができます。
ステータスアイコンが表す状態は以下のとおりです。
クラスターシステムの状態が「正常」の場合は「」で表示されます。
クラスターシステムの状態が「異常」の場合は「」で表示されます。
クラスターシステムの状態が「警告」の場合は「」で表示されます。
クラスターシステムの状態が「サスペンド/停止/不明状態」の場合は「」で表示されます。
フォルダーの状態について、フォルダー配下のクラスターシステムまたはフォルダーに異常が1件以上あればステータスは「異常」、異常はなく警告およびサスペンド/停止/不明状態が1件以上あれば「警告」となります。フォルダー配下のクラスターシステムおよびフォルダーがすべて正常であれば、「正常」となります。
以下は「Web Cluster」に含まれる「Web Server 01」のみ、グループの起動に失敗している状態です。フォルダーの状態を確認することで、一目でクラスターシステムの状態を把握することができます。また、フォルダーを展開することで、詳細を確認できます。
3. 統合 Cluster WebUIの使用方法
統合 Cluster WebUIの使用方法をご紹介します。構成は以下のとおりです。
今回の構成では統合 Cluster WebUIに登録するクラスターシステムとは別のクラスターシステム(10.0.10.51)上で統合 Cluster WebUIを起動しますが、統合 Cluster WebUIに登録するクラスターシステム(WebサーバーやAP/DBサーバー)上で起動することも可能です。
3.1 統合 Cluster WebUIの起動方法
統合 Cluster WebUIはWebManagerサービスが有効になっている、Cluster WebUIで接続可能なCLUSTERPROサーバー上で利用可能です。統合 Cluster WebUIに接続する際はOS認証方式によるログインが可能となっている必要がありますので、事前に設定しておきます。OS認証方式によるパスワードの設定方法については、「Cluster WebUIへの接続をパスワードで制御する方法(Windows/Linux)」の記事を参照ください。
統合 Cluster WebUIにはWebブラウザから以下を指定して接続します。接続できたら、設定したユーザーとパスワードを入力してログインします。
http://<CLUSTERPROをインストールしたサーバーのIPアドレス>:29003/integ.html
暗号化通信を有効にして統合 Cluster WebUIにHTTPS接続する場合は、暗号化設定が必要となります。設定方法については、「Cluster WebUIにOpenSSL 3.0/3.1を利用してHTTPSで接続する方法(Windows/Linux)」の記事を参照ください。HTTPS接続する際は以下のURLを指定して接続します。接続できたら、OS認証方式のユーザーとパスワードを入力してログインします。
https://<CLUSTERPROをインストールしたサーバーのIPアドレス>:29003/integ.html
ログインに成功すると、以下の画面が表示されます。
3.2 クラスターシステムの登録方法
3.2.1 統合 Cluster WebUI 接続用IPアドレスの設定
統合 Cluster WebUIに登録するHAクラスターには、事前に統合 Cluster WebUI用IPアドレスを設定することを推奨します。統合 Cluster WebUIによるクラスターシステムへの接続は、登録時に指定したIPアドレスもしくは統合 Cluster WebUI用IPアドレスに対して試行されるため、統合 Cluster WebUI用IPアドレスにHAクラスターの現用系、待機系の各IP アドレスを登録することで、停止しているサーバーがある場合にも接続が可能となります。詳細はインストール&設定ガイドを参照してください。
-
CLUSTERPRO X 5.3 > Windows > インストール&設定ガイド
→ 第9章 運用開始前の準備を行う
→ 9.4 統合Cluster WebUI を導入する
→ 9.4.4 統合Cluster WebUI にクラスタシステムを登録するには -
CLUSTERPRO X 5.3 > Linux > インストール&設定ガイド
→ 第10章 運用開始前の準備を行う
→ 10.3 統合Cluster WebUI を導入する
→ 10.3.4 統合Cluster WebUI にクラスタシステムを登録するには
AP/DBサーバーの統合 Cluster WebUIの接続用IPアドレスの設定は以下のようになります。
3.2.2 クラスターシステムの登録
統合 Cluster WebUIからクラスターシステムの登録を行います。登録するクラスターシステムにはCluster WebUIで接続する際のログイン方式がOS認証方式で設定されている必要があり、ユーザーIDとパスワードは、「3.1 統合 Cluster WebUIの起動方法」で統合 Cluster WebUIにログインする際に使用したユーザーIDとパスワードと一致している必要があります。加えて、通信方式(HTTP/HTTPS)も一致している必要があります。
最初にWebサーバーとAP/DBサーバーのクラスターを登録するためのフォルダーを追加・編集します。フォルダーを分けて作成すると業務システム毎にグループを分けて管理できるため便利です。
今回は、以下のようなフォルダー・クラスター・サーバー構成とします。
■Web 2-tier(フォルダ)
ーWeb Cluster(フォルダ)
・Web Server 01
・Web Server 02
・Web Server 03
ーAPDB Cluster
- 1.統合 Cluster WebUIの左メニューから[フォルダ編集]をクリックします。
- 2.「folder1」を選択して[編集]をクリックし、フォルダ名を「Web 2-tier」に変更します。

- 3.「Web 2-tier」を選択して[追加]をクリックし、「Web Cluster」フォルダを作成します。

- 4.フォルダの編集が終わったら、[OK]をクリックします。

- 5.統合 Cluster WebUIの左メニューから[クラスタ登録]をクリックします。
- 6.以下を入力します。X 5.3ではフォルダ内の並び順は登録順となりますので、Web Serverを01→02→03の順に並べる場合は登録順に注意します。
[クラスタ登録]が終わったら、[OK]をクリックします。
■Web Server 01 / Web Server 02 / Web Server 03
-IPアドレス:10.0.10.11 / 10.0.10.12 / 10.0.10.13
-ポート番号:29003
-通信方式:HTTPS
※暗号化通信を行わない場合はHTTP
-所属先フォルダ:/Web 2-tier/Web Cluster

■AP/DB Cluster
-IPアドレス:10.0.110.100
-ポート番号:29003
-通信方式:HTTPS
※暗号化通信を行わない場合はHTTP
-所属先フォルダ:/Web 2-tier

- 7.Web ServerおよびAP/DB Clusterの動作状況が表示されることを確認します。
3.3 構成情報ファイルのエクスポート
統合 Cluster WebUIの設定は起動時に接続したサーバーでのみ有効なため、接続したサーバーがダウンした時に別のサーバーに接続すると初期画面が表示されます。そのため、接続先を変更する場合は事前に構成情報ファイルをエクスポートして、新たに接続したサーバーでインポートする必要があります。
統合 Cluster WebUIの構成情報ファイルをエクスポートします。統合 Cluster WebUIの左メニューから[エクスポート]をクリックするとzip形式で保存されるので、新しい接続先のサーバーでインポートしてください。
4. 注意事項
CLUSTERPRO X 5.3の統合 Cluster WebUIでは以下のような注意事項があります。
-
統合 Cluster WebUIに登録可能なクラスターシステムはX 5.3以上の環境となります。
-
統合 Cluster WebUIでは接続対象のクラスターシステムの停止等により通信が途絶えた場合、以降はクラスターシステムを起動してもステータスが更新されないため、接続対象との通信が途絶えた後はブラウザから統合 Cluster WebUIに再接続する必要があります。
-
ブラウザの更新ボタンを押して再接続すると、統合 Cluster WebUIではなく、Cluster WebUIへ接続されるため、以下のURLを指定して再接続します。暗号化通信を有効にしている場合は、httpsで接続します。
http://<CLUSTERPROをインストールしたサーバーのIPアドレス>:29003/integ.html
https://<CLUSTERPROをインストールしたサーバーのIPアドレス>:29003/integ.html
-
統合 Cluster WebUIの設定はブラウザ毎に保存されているため、設定後にブラウザを変更して接続すると初期画面が表示されます。そのため、ブラウザを変更する場合は事前にエクスポートした構成情報ファイルをインポートしてください。
5. 動作確認
今回はサーバーのシャットダウンを行い、フォルダーやクラスターシステムの状態がどのように変化するのかを確認します。
- 1.統合 Cluster WebUI画面上部のサマリボックスより、[クラスタ]・[サーバ]・[グループ]が正常(緑)であること、起動数があっていることを確認します。また、フォルダーやクラスターシステムの状態を確認します。
- 2.AP/DB Clusterのserver01を手動でシャットダウンします。「APDB Cluster」との接続が途切れるため、ステータスが表示できなくなり、状態が不明状態となることを確認します。また、「Web 2-tier」フォルダの状態が警告となることを確認します。
- 3.接続対象のクラスターシステムとの通信が途絶えたため、ブラウザから統合 Cluster WebUIに再接続します。統合 Cluster WebUI用IPアドレスの設定で、現用系と待機系の各サーバーのIPアドレスを登録しているため、server01へ接続できなかった場合は自動でserver02へ接続が行われ、状態が取得されます。「APDB Cluster」の状態が警告となることを確認します。
- 4.AP/DB Clusterのserver01を手動で起動します。「Web 2-tier」フォルダと、「APDB Cluster」の状態が正常となることを確認します。
まとめ
今回はCLUSTERPRO X 5.3で追加されたユーザビリティ向上の機能の1つとして、統合 Cluster WebUIをご紹介しました。統合 Cluster WebUIを利用することで、CLUSTERPROが導入されている複数のHAクラスターやシングルサーバーを1画面で管理することができますのでご活用ください。
CLUSTERPRO XのホームページからCLUSTERPRO X 5.3のフル機能が使える試用版の利用申し込みができますので、是非お試しください。
お問い合わせ
