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WebSAM Automatic Message Callと連携してCLUSTERPROの障害を仕分けて通報してみました(Windows/Linux)

CLUSTERPRO オフィシャルブログ ~クラブロ~

はじめに

CLUSTERPROの電子メール通報機能であるアラートサービスとWebSAM Automatic Message Call(以降、WebSAM AMC)を連携して、HAクラスターに発生した障害を仕分けて通報してみました。

両者を連携させることでWebSAM AMCが電子メールのフィルタリングを行い、障害内容に関係する担当者だけにメール通報したり、重要性が高い障害の場合はメールに加えて電話でも通報する等、より高度な通報を行うことができるようになりますのでご紹介します。

この記事の内容

1. アラートサービスとは

CLUSTERPROのアラートサービスは、サーバーダウン、フェールオーバーなどのCLUSTERPROの重要なイベントを電子メールで通報する機能や、警告灯への通報を行う機能を追加するオプション製品(有償)です。メール通報機能は、クラスターの設定にメールサーバー情報と通報先のメールアドレスを設定するだけで、利用を開始することができます。

  • アラートサービスを利用する場合、「CLUSTERPRO X Alert Service」ライセンスをクラスターを構築するサーバー台数分、用意する必要があります。

2. WebSAM AMCとは

WebSAM AMCは、各種システムからのアラートメールをフィルタリングし、障害等の重要情報だけを電話またはメールで確実に担当者へ知らせる「クラウド型 通報サービス(SaaS)」です。WebSAM AMCでは、通報運用におけるシステム運用部門の運用実態に合わせた電話通報や多彩なパターンマッチング機能によりお客様の通報運用における課題解決が可能です。

例えば、CLUSTERPROのアラートサービスは登録した複数の担当者(アプリケーション担当、データベース担当など)のメールアドレス宛に障害の発生を通報することが可能ですが、障害内容により宛先を限定する機能はないため、データベース担当者のみに通報したいケースであっても全ての担当者に通報することになります。
WebSAM AMCと連携することで、関係する障害内容のみをフィルタリングして担当者にメール通報したり、障害内容の重要度が高い場合にはメール通報に加えて電話通報を行い、担当者につながるまで、繰り返し電話をかける事も可能です。また、Webhook等の通報手段を利用することで、外部サービスと連携することもできます。

3. HAクラスター構成

今回使用するHAクラスターの構成概要は以下のとおりです。

本システムではCLUSTERPROで異常を検出した際に、以下のような動作を行います。

  • 1.
    CLUSTERPROが監視対象の異常を検出します。
  • 2.
    異常を検出したタイミングで、CLUSTERPROのアラートサービスからWebSAM AMC宛てにアラートメールを送信します。
  • 3.
    WebSAM AMCが受信したアラートメールの内容を仕分けて、自動で通知します。

今回は以下の製品バージョンを利用して動作確認を行いました。

■CLUSTERPRO X 5.2 for Windows(内部バージョン:13.21)
■CLUSTERPRO X 5.2 for Linux(内部バージョン:5.2.1-1)
■WebSAM Automatic Message Call V2.0.58

CLUSTERPROに登録したリソースは以下のとおりです。

■Windows

クラスター名: cluster
サーバー名: server1、server2
フェールオーバーグループ:
    名前: failover
    グループリソース:
        fip1 (フローティングIPリソース)
        md1 (ミラーディスクリソース)
        serviceAP (サービスリソース)
        scriptDB (スクリプトリソース)
    モニタリソース:
        fipw1 (フローティングIP監視リソース)
        genwDB (カスタム監視リソース)
            監視対象:scriptDB
        mdw1 (ミラーディスク監視リソース)
        servicewAP (サービス監視リソース)
            監視対象:serviceAP
        userw (ユーザー空間監視リソース)

■Linux

クラスター名: cluster
サーバー名: server1、server2
フェールオーバーグループ:
    名前: failover
    グループリソース:
        fip1 (フローティングIPリソース)
        md1 (ミラーディスクリソース)
        execAP (EXECリソース)
        execDB (EXECリソース)
    モニタリソース:
        fipw1 (フローティングIPモニタリソース)
        genwAP (カスタムモニタリソース)
            監視対象:execAP
        genwDB (カスタムモニタリソース)
            監視対象:execDB
        mdnw1 (ミラーディスクコネクトモニタリソース)
        mdw1 (ミラーディスクモニタリソース)
        userw (ユーザー空間モニタリソース)

HAクラスターの基本的な構築方法については、CLUSTERPROのインストール&設定ガイドを参照ください。以降では、上記構成のHAクラスターを構築した後の、WebSAM AMC連携のための設定内容について説明いたします。

  • CLUSTERPRO X 5.2 > Windows > インストール&設定ガイド
  • CLUSTERPRO X 5.2 > Linux > インストール&設定ガイド

4. WebSAM AMCの設定

WebSAM AMCには、アラートメールに対する通報アクションやマッチ条件を設定します。

今回はマッチ条件としてメール本文に特定のリソース名称やエラーメッセージが含まれている場合、通報先に対して通報を行うようなパターンを登録しています。サーバーのダウンについては、CLUSTERPROのエラーメッセージの中でもイベント分類として「情報」と「エラー」の2パターンがありますが、「エラー」の場合に通報するような設定にしています。

■Windows

通報アクション 通報先 キーワード マッチ条件
メール通報 アプリケーション担当者 KEY1:servicewAP
KEY2:異常を検出しました
servicewAPが異常を検出した時:
メール本文にKEY1とKEY2が含まれている場合にメール通報を行う
メール通報 データベース担当者 KEY1:genwDB
KEY2:異常を検出しました
genwDBが異常を検出した時:
メール本文にKEY1とKEY2が含まれている場合にメール通報を行う
メール通報
電話通報
アプリケーション担当者
データベース担当者
KEY1:サーバ
KEY2:停止しました
KEY3:ID: 102
サーバーのダウンを検出した時:
メール本文にKEY1とKEY2とKEY3が含まれている場合にメール通報と電話通報を行う

■Linux

通報アクション 通報先 キーワード マッチ条件
メール通報 アプリケーション担当者 KEY1:genwAP
KEY2:Detected an error in monitoring
genwAPが異常を検出した時:
メール本文にKEY1とKEY2が含まれている場合にメール通報を行う
メール通報 データベース担当者 KEY1:genwDB
KEY2:Detected an error in monitoring
genwDBが異常を検出した時:
メール本文にKEY1とKEY2が含まれている場合にメール通報を行う
メール通報
電話通報
アプリケーション担当者
データベース担当者
KEY1:Server
KEY2:has been stopped
KEY3:ID: 102
サーバーのダウンを検出した時:
メール本文にKEY1とKEY2とKEY3が含まれている場合にメール通報と電話通報を行う

条件にマッチしなかった場合の通報先は別途設定することができますので、今回は個人の担当者を設定しておきます。

■Windows/Linux共通

通報アクション 通報先
メール通報 日電太郎(個人メールアドレス)

アラートサービスで通報されるメッセージについては、CLUSTERPROのリファレンスガイドを参照ください。

  • CLUSTERPRO X 5.2 > Windows > リファレンスガイド
    → 第11章 エラーメッセージ一覧
        → 11.3. イベントログ、アラートメッセージ
  • CLUSTERPRO X 5.2 > Linux > リファレンスガイド
    → 第11章 エラーメッセージ一覧
        → 11.2. syslog、アラート、メール通報、SNMP トラップメッセージ、Message Topic

5. アラートサービスの設定

Cluster WebUIに接続し、設定モードに切り替えます。
[クラスタのプロパティ]を開き、[アラートサービス] を選択します。

[メール通報]では以下を設定します。以降の画像はLinux版の画面ですが、Windows版でも同様の箇所から設定が可能です。

項目名
メールアドレス メール通報の宛先となるWebSAM AMCのメールアドレス
件名 TEST AMC
メール送信方法 SMTP

[SMTP設定]では以下を設定します。

■Windows

項目名
メール送信文書の文字コード Shift_JIS
通信応答待ち時間 30秒
件名のエンコードをする オフ(チェックを外す)

■Linux

項目名
メール送信文書の文字コード ISO-2022-jp
通信応答待ち時間 30秒
件名のエンコードをする オフ(チェックを外す)

入力後、SMTPサーバーの情報を設定します。[SMTP設定]で[追加]をクリックします。

[SMTPサーバの入力]では以下を設定します。

項目名
SMTPサーバ メール通報に利用する送信用メールサーバー
SMTPポート メールサーバーのポート番号
差出人メールアドレス 任意
SMTP認証を有効にする メールサーバーがSMTP認証を要求する場合はオン

  • SMTP認証を利用する場合は、[SMTP認証を有効にする]にチェックを入れ、認証方式・ユーザ名・パスワードを入力します。

アラートサービスを設定した構成情報を、クラスターに反映します。

6. 動作確認

CLUSTERPROが異常を検出し、アラートサービスで送信したアラートメールの内容により、メール通報や電話通報が行われることを確認します。以降の画像はLinux版で動作確認を行ったときのものです。

アプリケーション担当者へのメール通報

アプリケーション担当者にメール通報が行われることを確認します。障害を発生させるために、各モニタリソースの監視対象のサービスを手動で停止します。

  • 1.
    Cluster WebUIから、server1でフェールオーバーグループを起動します。
  • 2.
    server1で、サービス監視リソース(servicewAP)やカスタムモニタリソース(genwAP)の監視対象のサービスを手動で停止します。
  • 3.
    Cluster WebUIから、CLUSTERPROが異常を検出することを確認します。
  • 4.
    異常を検出した旨のメッセージがアプリケーション担当者のメールアドレス宛に通報されることを確認します。

データベース担当者へのメール通報

データベース担当者にメール通報が行われることを確認します。障害を発生させるために、各モニタリソースの監視対象のサービスを手動で停止します。

  • 1.
    Cluster WebUIから、server1でフェールオーバーグループを起動します。
  • 2.
    server1で、カスタム監視リソース(genwDB)、もしくはカスタムモニタリソース(genwDB)の監視対象のサービスを手動で停止します。
  • 3.
    Cluster WebUIから、CLUSTERPROが異常を検出することを確認します。
  • 4.
    異常を検出した旨のメッセージがデータベース担当者のメールアドレス宛に通報されることを確認します。

アプリケーション/データベース担当者へのメール・電話通報

アプリケーション担当者とデータベース担当者にメール通報と電話通報が行われることを確認します。障害を発生させるために、OSからサーバーをシャットダウンさせます。

  • 1.
    Cluster WebUIから、server1でフェールオーバーグループを起動します。
  • 2.
    OSからserver1をシャットダウンします。
  • 3.
    異常を検出した旨のメッセージがアプリケーション担当者、データベース担当者のメールアドレス宛に通報され、あわせて電話通報が行われることを確認します。なお、電話通報が行われると、報告メールも届きます。

個人の担当者へのメール通報

また、条件にマッチしなかった場合のメールが個人の担当者宛てにメール通報されていることをあわせて確認します。

WebSAM AMCに設定した、アラートメールに対する通報アクションやマッチ条件に従って、各担当者にメールや電話による通報が行われることを確認できました。

まとめ

今回は、CLUSTERPROのアラートサービスとWebSAM AMCを連携して、HAクラスターに発生した障害を仕分けて通報してみました。アラートサービス単体では、障害発生時のメール通報は登録した全ての宛先へ行うことになりますが、WebSAM AMCと連携することで、電子メールに加えて電話による通報やアラートメールの内容を仕分けて担当者を絞って通報することが可能になります。

CLUSTERPRO XのホームページからCLUSTERPROのフル機能が使えるpopup試用版の利用申し込みができますので、是非お試しください。

また、WebSAM AMCを試してみたい、という方はぜひ以下のページに記載の無料トライアルをご確認ください。

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利用製品

本記事の構成を構築する際に利用した製品です。
  • CLUSTERPROの本体ライセンスは環境にあわせてCPUライセンスもしくは仮想マシン用ライセンスを用意してください。

■OS共通
 -CLUSTERPRO X Media 5.2
 -CLUSTERPRO X Startup Kit 5.2
■Windows
 -CLUSTERPRO X 5.2 for Windows VM (1ノードライセンス)
 -CLUSTERPRO X Replicator 5.2 for Windows (1ノードライセンス)
 -CLUSTERPRO X Alert Service 5.2 for Windows (1ノードライセンス)
■Linux
 -CLUSTERPRO X 5.2 for Linux VM (1ノードライセンス)
 -CLUSTERPRO X Replicator 5.2 for Linux (1ノードライセンス)
 -CLUSTERPRO X Alert Service 5.2 for Linux (1ノードライセンス)

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