ソブリンクラウド

「ソブリンクラウド」とは、主権を保持・コントロールできるクラウドサービスです。国家や企業の経済安全保障や地政学リスクに応じたデータやソフトウェアの主権の確保に貢献できます。
NECは、お客様のソブリンクラウドに対するニーズに応える幅広いクラウドサービスを提供することで、お客様が安心してDX*1を推進できるよう支援しています。

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    Digital Transformation

1. ソブリンクラウドとは?

ソブリンクラウドの一般的な考え方

ソブリンクラウドとは、経済安全保障の観点からデータやソフトウェアの主権を保持・コントロールできるクラウドサービスを指す言葉です。
国家としてガバナンスを意識したクラウドサービスや、一般企業がデータ主権・運用主権・ソフトウェア主権を確保できるクラウドサービスを指しており、用途に応じて一般的なクラウドサービスと使い分け・組み合わせて利用できます。
現時点では、統一されたソブリンクラウドの定義は存在せず、国や企業によってその形態が異なります。
フランス政府は、フランス企業やフランス国家がソブリンクラウドのようなデータ主権を高める信頼できるクラウドを使用することなどを定めた声明を出しています(PDFフランス政府の声明)。

日本におけるソブリンクラウド

現在、ソブリンクラウドの定義は明確に定められていません。IT企業各社が、お客様の置かれている状況や課題に応じてソブリンクラウドとして実現すべき内容を検討し、対応している状況です。

2. お客様の状況

VUCA時代におけるDXの取り組み

現代は、環境が絶え間なく変化し、将来の予測が困難で既存の価値観やビジネスモデルが通用しなくなるVUCA*2時代です。VUCAの時代に対応するためには、PDFDX白書2023(独立行政法人情報処理推進機構(IPA))によると、日本企業全体にDXへの取り組みが求められています。しかし、多くの企業はDXによるサービス創造や革新の必要性を理解しているものの、投資が企業の成長にうまく反映されていない状況です (PDF経済産業省DXレポート2.2(概要): 002_05_00.pdf) 。

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    Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguityの4単語の頭文字をとったアクロニム

DXとクラウドのセキュリティ

DXを推進するにあたり、クラウドの活用は不可欠です。クラウドがビジネスの基幹システムを担うケースが多くなることで、クラウドに対するセキュリティ対策がより一層求められるようになっています。また、地政学リスクや経済安全保障の懸念から、クラウド上のデータガバナンスやデータの重要度・機密性を考慮したクラウドサービスを選定することが重要です。変化する社会情勢の中で、経済活動に影響を与える問題がいつどこで発生するか予測することは難しいため、有事の際にもクラウドが稼働し続けられるように、セキュリティ対策を施しておくことが必要になります。

3. NECのソブリンクラウドへの対応方針

お客様のビジネス課題解決のためのクラウド

NECは、お客様のクラウド活用によるDX推進やビジネス支援をしています。セキュリティ対策の必要性が高まる中で、安全性を損なわずにスムースにクラウドを導入できるソブリンクラウドを提供します。
お客様の要求するセキュリティのレベルに応じ、包括的な主権確保を行う場合や、部分的な主権確保を行う場合など、幅広いケースに対応したサービスを提供します。
包括的な主権確保を実現する場合、NECのクラウドをはじめとした日本国内のみで完結するサービスを提供することで地政学リスクや他国法の影響を軽減します。部分的な主権確保を実現する場合、日本国内のみで完結するサービスを利用するだけでなく、お客様が現在使用しているクラウドサービスとNECの提供するセキュリティ機能を組み合わせることで現状のシステムを大幅に変更することなくセキュリティ対策のレベルを向上させることも可能です。
このように、お客様がクラウドに求める要件・ニーズに対して単一のサービスで提供することにこだわらず、複数のサービスを組み合わせることで応えます。
NECは、複数のサービスをどのような組み合わせで提供するかを考え、必要な機能を適切なサービスに実装していきます。

取り組み方針

NECの目指すソブリンクラウドを達成するために、以下の3つに取り組んでいます。

安心して使えるクラウドサービス

NECはお客様に安心してクラウドサービスを使用していただくために、客観的な基準としてISMAPやISOなどの第三者機関によるセキュリティ対策の評価を取得します。
お客様の求めるセキュリティ対策のレベルに応じ、地政学リスクや他国法の影響を軽減できる日本国内のみで完結するクラウドサービスや現在お客様が使用している主要なクラウドサービスとの連携したサービスを提供していきます。
また、日々発生する新たな脅威に対応するため、セキュリティ技術も日々進化しています。NECのソブリンクラウドは新しいセキュリティ技術を評価し、暗号化技術や暗号鍵管理などセキュリティ技術を更新していくことで継続的に安心して利用できる安全なクラウドサービスを目指します。

短期間で導入可能なクラウドサービス

ビジネス規模拡大のために、変化の激しい時代の中で、適切なタイミングでビジネスチャンスを捉え対応する必要があります。
NECは、主要なクラウドサービスと素早く連携出来る仕組みを提供する*3,*4,*5など、NEC以外のクラウドサービスとの連携にも力をいれています。
NECのセキュリティ機能を現在使用しているシステムと組み合わせることでセキュリティニーズの変化に素早く、適切なタイミングで対応することが可能となります。NECのソブリンクラウドは利用したい機能を柔軟に選択・変更することが可能であり、お客様の望む利用形態でご使用いただけるクラウドサービスを目指します。

さまざまなユースケースに対応可能なクラウドサービス

ビジネス拡大やDXにクラウドを利用する際には多様なユースケースが想定されます。
NECのソブリンクラウドはお客様の様々な要望に対応できるサービス提供を目指し、充実したサービスラインナップを展開していきます。
各種サービスラインナップは柔軟に組み合わせることでお客様の課題解決に最適な機能提供が可能です。
特定のユースケースに対象を絞ることなくお客様の抱える様々な課題解決に貢献できるサービスを目指します。

これらの取り組みを通じて、NECは社会において安全かつ効果的なソブリンクラウドサービスを提供し、お客様のビジネスに貢献していきます。今後もお客様のニーズに応えるサービスの開発と向上に努めてまいります。
NECは、BluStellarの拡充により様々なお客様のDX推進に取り組んでいます。ソブリンクラウドに関する取り組みもBluStellarの一環として取り組んでいきます。
NECのDX: デジタルトランスフォーメーション | NEC