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株式会社フジテレビジョン様

自然災害など非常時でも迅速な放送再開が可能に。
機動性に優れた予備放送装置でBCP体制を強化

業種:
  • メディア業
業務:
  • その他業務
製品:
  • その他

事例の概要

課題背景

  • 放送の継続は放送事業者の使命。自然災害などの有事の際にも、送信継続を可能とする対策が求められていた
  • フジテレビのほか、全国の系列放送局が非常時に利用できることも考慮し、オールバンド対応の送信装置が必要だった

成果

複数台に分割のできるラック構成とし、航空機や車両に積載できる機動性と出力可変の送信装置にすることで即応性を確保

フジテレビ本社から、被害を受けた送信所までスタッフが持ち運び、現場で組み立てる非常用可搬型予備送信装置を導入。有事の際に迅速な送信再開が可能に

UHF帯すべてのチャンネル(周波数)に対応可能

海外向けの送信設備で実績のあるオールバンド技術と国内の送信技術を組み合わせ、どのチャンネルでも利用可能な予備送信装置を導入。BCP体制の強化を実現

導入ソリューション

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事例の詳細

導入前の背景や課題

株式会社フジテレビジョン
技術局 送信技術部
デスク担当部長
安孫子 信明 氏

災害時にも放送を継続するための送信設備と体制づくりが喫緊の課題に

企業理念に「挑戦と創造」を掲げている株式会社フジテレビジョン様(以下、フジテレビ様)。行動宣言の第1として「社会的責任」を挙げ、「メディアの持つ社会的影響の大きさを自覚し、公平公正で信頼できる情報を発信します」と宣言しています。

放送事業は重要な社会インフラの1つであり、設備の保守・点検時を除いて、放送は24時間・365日、止まらないことが当然とされています。しかし、近年は大型台風や集中豪雨など、全国各地で発生する大規模な自然災害により、テレビ放送事業にも大きな影響を与える被害が発生しています。

フジテレビ様の系列放送局では2018年1月、親局の電波塔への落雷でケーブルや放送設備が火災に遭い、電波の送信が止まる事故が発生。一時、放送エリアの約38万世帯に放送を届けられない事態となりました。仮設のアンテナを立てて放送を再開したものの、新しいアンテナを設置するまで半年以上の時間を要しています。

また、千葉県に甚大な被害をもたらした2019年9、10月の台風15号及び19号の際は、強風で送電線の鉄塔が倒れ、県内各地で停電が発生。この停電により、フジテレビ様をはじめ他の民放局、NHKは同県内の中継局の約半数が停波したため、発電機を現場に持ち込み、送信を復旧しています。

「災害時の経験から、放送を継続するにはあらかじめ予備の送信設備やケーブルを用意しておくことと、突発的な災害に備えた体制づくりの大切さをあらためて実感しました」とフジテレビ技術局 送信技術部 デスク担当部長の安孫子信明氏は振り返ります。

選択のポイント

1kW出力をベースに考える中で、その構成機器の一部を用い100W出力が可能。
機動性、オールバンド対応、出力可変により、あらゆるケースを想定した送信装置


災害時の経験から、フジテレビ様は、放送事業を継続するBCPの体制づくりが重要であると認識。「放送の維持で大切なのは即応性と事業継続性です」と安孫子氏は強調します。即応性とは、事故で停波や出力低下をした場合、予備の送信装置を現場に持ち込み、早急に送信を再開することです。そのため、フジテレビ様が予備の送信装置を用意し、自社の大規模中継局を救済するだけでなく、非常時に系列局に貸し出すことも検討しています。

そこでポイントとなるのが、機動性、オールバンド対応、出力可変です。

1つ目は機動性です。現場に持ち込む際には送信装置を複数台に分割して航空機に積み込んだり、車に積載したりして急行する必要があるからです。また、送信所の中には、車両の通行が困難な山頂に電波塔が建てられているケースも少なくありません。そのため、放送局のスタッフが予備の送信装置を背負って運び、現場で組み立てるといった運用が可能なサイズと軽量性が重要となります。

2つ目はオールバンド対応です。NECが海外の放送事業者向けに開発した送信装置で採用しています。現場ではボタン操作でどのチャンネルでも設定できるようにしています。国内で使用されるPAは、チャンネルごとに設定された後、納入されますが、今回のシステムでは、同一のPAでさまざまなチャンネルに対応できます。予備の送信装置としては、各チャンネルで使用が可能なオールバンド対応は欠かせません。

3つ目が最も重要視した、出力可変です。フジテレビ様は2つの段階通しての復旧を考えています。第1段階としては、事故や障害発生後24時間以内での放送再開。その際の出力は100W程度を考えており、「電波を出す」ということに注力をします。国内の送信装置は200Vが一般的ですが、「非常用の場合(第1段階では)、一般のコンセントからでも電源を確保できるように100Vで送信装置が使えるように工夫してもらいました」(安孫子氏)。ここでも海外向け送信装置として納入実績のある100V対応の製品のノウハウを活かしています。

その後の、第2段階として、1週間程度の時間をかけ1kWの出力にまでもっていきます。「アンテナやケーブルなどを含め、送信設備が完全復旧するまでの間、この予備送信装置により、放送事業の継続が可能になります」と安孫子氏は説明します。

一つの送信装置の構成機器を組み合わせることで、1kWの設備を導入しながら100Wの構成も実現できるという提案を受けたフジテレビ様はNECの「非常用可搬型予備送信装置」を採用。「即応性と事業継続性のコンセプトについても十分理解した上で、私たちの要件を満たす送信装置を提案してくれました。これまでNECの送信設備を使用してきている安心感と長年、送信装置の提携で培った信頼感があります」と安孫子氏は選定の理由を話します。

導入後の成果

即応性から事業継続性まで1組の送信装置で対応。段階的な復旧が可能に

非常用可搬型予備送信装置の稼働は、まだこれからですが、期待される効果について安孫子氏は次のように話します。「100Wから1kWまで出力を可能にすることで、即応性から事業継続性までを、1つの設備で対応できる送信装置を導入することができました。有事の際も、半年から1年の間をこの予備送信装置で運用を行い、その間に現用予備(フルスペック)の送信装置をつくることが可能になると考えています」

フジテレビ様では、予備の送信装置のほか、同軸ケーブルとアンテナの予備を用意するとともに、送信装置を組み立てる訓練を検討するなど、災害に備えた体制づくりを進めています。最後に、安孫子氏は「非常用可搬型予備送信装置のように、NECにはこれからも新しいことに挑戦し、更によい提案をしてほしいです」と期待を込めました。

NEC担当スタッフの声

NEC
放送・メディア事業部
第一システム部長
大竹 純貴

海外と国内の製品・技術を組み合わせて予備送信装置を開発

今回の導入では、海外向け送信装置のオールバンド技術などを適用していますが、非常用可搬型予備送信装置はあくまでも国内で使用するものです。そのため、海外と国内の製品・技術をミックスしていることが特長です。

例えば、高周波信号を作り出す変調励振器は国内の製品を活用していますが、海外向けと国内向けでは制御システムが異なり、それぞれを制御するための工夫をしています。

また、予備の送信装置を現場で組み立て、簡単な操作でチャンネルを切り替える制御の仕組みなども、国内と海外で技術を磨いてきたNECならではの技術と自負しています。非常用可搬型予備送信装置は新しい装置です。しかし、使われている技術は決して新しいものばかりではなく、実績のあるオールバンド技術などを使っているため、安心してご利用いただけます。

お客様プロフィール

株式会社フジテレビジョン

設立 2008年10月1日(新設分割による)
放送開始 1959年3月1日
資本金 88億円
従業員数 1,314名
事業所 本社 東京都港区台場2-4-8
送信所 東京スカイツリー内
関西支社・名古屋支社のほか、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地に海外支局・事務所を構える

株式会社フジテレビジョン様

この事例の製品・ソリューション


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(2020年11月17日)

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