企画の「落とし穴」を早期に塞ぐ!新規事業におけるリスクマネジメント
新規事業の開発を進めながら「素晴らしいアイデアだ」と現場が盛り上がっても、社内の最終審査や法務チェックで致命的なリスクが発覚し、頓挫(とんざ)するケースは決して少なくありません。
そこで今回は、企画の初期段階で想定すべきリスクの洗い出し方と、その対策の組み込み方を解説します。
事業開発担当者の知識だけでは、リスクの「死角」に気づくことができません。そこで役立つ「AI(人工知能)」の広範な知識データベースを「リスクの洗い出し」に活用するメリットもご紹介します。
目次
6まとめ
最終承認の直前で発覚する「法務・コンプラリスク」
新規事業の開発を進めるにあたっては、入念な市場調査に基づく事業優位性の構築や、実行計画・スケジューリングを綿密に設計していきます。事業計画書がブラッシュアップされていくことで、最終的には完成度の高い計画書となります。
しかしながら、最終的に社内で法規制やコンプライアンス違反などのチェックが入った際に、致命的な問題に気づくケースもあります。
最後の最後で発覚する法務・コンプライアンスリスクは、それ一つで事業推進がむずかしくなるほど、重要な問題です。それによってプロジェクトがペンディングになってしまったり、事業としてふさわしくないと判断され、見送りとなってしまうこともあります。
あらかじめ、予防策を取り、このような事態を避ける必要があります。
新規事業におけるリスク
新規事業において起こり得るリスクを見ていきましょう。
市場調査不足による戦略の不備
市場ニーズが変化したり、顧客ニーズや需要予測が誤っていたことによる戦略の不備によって、モノが売れない、収益が上がらないといったリスクが生じます。
競合他社との競争リスク
競合分析不足が原因で、思ったよりも競争力が下がってしまい、競争リスクが生じることがあります。また競合他社が新たな施策を仕掛けてくるリスクもあります
新たな法的規制の導入リスク
現場は法的に問題がなかったとしても、グレーゾーンの状態であったり、新たな法的リスクが生まれることも可能性としてゼロではありません。
経営リスク
経営判断を誤ってしまったり、コストや資源導入の判断ミスなどがもとになり、事業継続の危機に陥るなどの経営リスクが挙げられます。
人材リスク
新規事業に最適なスキルを所有する人材不足が、計画通りに新規事業が進まない原因となることもあります。また人材獲得が思うようにいかないといった採用にまつわるリスクも起こり得ます。
技術的なリスク
新規事業における製品開発や製造スキルが未成熟で市場の基準に追いつかないリスクがあります。
社会的リスク
社会的リスクとは、消費者や市民団体からの抗議や反対意見が起きるリスクをいいます。例えば、新規事業が環境にネガティブな影響を与えるといった場合に抗議を受ける恐れがあります。
自然災害・事故リスク
大震災や津波、パンデミックなど予想できない自然災害や思わぬ事故が生じることがあります。
オペレーションリスク
事業の業務プロセスに不備があったり、利用するシステムの障害が生じたりすることによるオペレーションリスクです。
既存事業とのカニバリゼーション(共食い)リスク
新規事業が、既存事業の顧客や売上を奪ってしまうリスクです。特に大企業においては、既存事業部門からの猛反発を招き、プロジェクトが頓挫する最大の要因になり得ます。
ブランド毀損リスク
新規事業でのトラブルや品質問題が、これまで築き上げてきた企業全体のブランドイメージや信頼を損なってしまうリスクです。
これらのリスクは、市場調査や競合分析、法的リスクの洗い出しの徹底や、専門家の相談のほか、テストマーケティングやPDCAサイクルの構築により事業モデルを定期的に改善していくこと、市場をセグメントして段階的に導入していくことによるリスク分散などの回避策が求められます。
企画書に「リスクと撤退条件(プランB)」を明記することで得られる信頼
回避策を講じても、すべてのリスクをゼロにすることは不可能です。だからこそ、想定外の壁にぶつかった際の代替戦略である「プランB」と、それでも立ち行かなくなった場合の「撤退条件」を事前に明記しておくことが、事業計画の信頼性を担保します。
プランBと撤退条件の有効性
プランBは単なる妥協案ではなく、当初の仮説(プランA)が崩れた際に、迅速に方向転換(ピボット)して事業を成功に導くための「発展形」の戦略です。現に、世の中の多くの成功事業はプランBへの移行によって生まれています。
また、事前に「この指標を下回ったら撤退する」という条件を明確にしておくことで、経営陣に対して「傷が浅いうちにコントロールできる」という安心感を与え、投資判断を引き出しやすくなります。
AI活用の可能性―個人の経験や知識だけでは、すべての死角をカバーすることは不可能
事業計画のリスクは未然にすべて洗い出す必要がありますが、限界があります。
プロジェクトメンバーや社内からあらゆるリスクを募ったとしても、どうしても「死角」は生じてきます。
そこで近年はAIを活用する手法が採用されています。まずAIがこれまでの成功事例と失敗事例、市場環境などのデータをあらかじめ学習します。そしてAIは事業のリスクを洗い出し、事業の有効性を診断します。
AIによる事業計画分析のメリット
多角的な視点を持つAIを活用し、360度のリスクチェックを行うことにより、次のメリットが得られます。
リスクの抜け漏れの回避
膨大なデータを学習したAIに事業計画を読み込ませ、あらゆるリスクを網羅的に抽出(または提示)してもらうことで、人間がカバーできなかったリスクも含めて網羅することができます。
リスク回避策の提案
リスクを単に洗い出すだけでなく、そのリスクをどのようにすれば回避できるのかのヒントを示してくれます。
新たな視点の獲得
新規事業のアイデアのヒントが得られることもあります。リスク診断だけでなく、新規事業の可能性について、新たな方向性を見つけることができる可能性があります。
評価者との有効なディスカッション
AIの診断結果は、第三者的で客観的な診断結果となるため、バイアスがかかっていないことが大きな利点です。プロジェクトメンバー間はもちろんのこと、評価者との有効なディスカッションの材料になります。
これらのメリットが、結果的に評価者とプロジェクトメンバーとの軋轢を予防する有効な手立てとなる可能性があります。
まとめ
新規事業には多岐にわたるリスクがつきものです。プランBの用意や撤退条件の設定はもちろん重要ですが、そもそもプロジェクトメンバーの知識や経験だけでは、あらゆるリスクを抜け漏れなく洗い出すこと(死角をなくすこと)は不可能です。
人間の思考の限界を補い、未然にリスクの芽を摘むために、「NEC企画書AI診断サービス」をぜひご活用ください。
数多くの事業開発知見(成功・失敗データ)と約300の評価項目を持つAIに事業計画を読み込ませることで、自社や担当者が見落としていた競合リスクやビジネスモデルの欠陥を瞬時に抽出します。
それにより、リスクに強い事業計画へのブラッシュアップを実現します。