新規事業開発のプレゼンテーション構成術!短い時間で心をつかむ資料と技術をご紹介
新規事業開発の際に欠かせないのが、関係者を納得させるためのプレゼンテーションです。新規事業が成功する根拠や担当者の熱意を伝える重要な役割を果たします。しかし、いざプレゼンテーションを行う立場になったときに、構成や資料作成には頭を抱えてしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、新規事業のプレゼンテーションを成功に導く構成術をご紹介します。資料の構成方法はもちろん、説得力を高めるための考え方や手段についても効果的なやり方のヒントをお伝えします。
特に厳しい質疑応答を乗り切るためには、企画段階での「抜け漏れのない網羅的な検討」が不可欠です。論点の整理不足を事前に可視化するアプローチとして、AIを活用する方法もご紹介します。
目次
役員の「で、結局いくら儲かるの?」を封じるプレゼン構成の極意
プレゼンテーションというと、資料のデザインに凝ったり、話し方を工夫したりすることに意識が向きがちですが、それよりも先に重要なのが「根本の論理構成」です。これこそがプレゼンテーションにおいて評価者を納得させるための最大の武器になります。
「根本の論理構成」が最大の武器となる理由
新規事業開発は成功率が低いことから、評価者が慎重になっており、質問が多角的な視座・視点から投げかけてきます。そのため、あらかじめ論理的な構成を組み立てることで、想定外の質問や疑問をある程度予防しておく必要があります。
「根本の論理構成」の基本の流れ
まずは、新規事業開発のプレゼン資料で求められる基本的な論理構成を押さえておきましょう。多くの場合、PREP法というフレームワークで構成します。下記の4つの要素で構成されます。
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 具体例(Example)
- 結論(Point)
この流れにより、結論が明確になり、論理構成がぶれにくいことから説得力のある構成を作ることができます。
新規事業のプレゼンにあてはめると次のような構成になります。
- 新規事業の概要
- 市場や顧客の現状課題・ニーズ/根拠・データによる裏付け
- 具体的な商品・サービスの概要
- 新規事業の概要/期待できる成果
冒頭30秒で心を掴む「フック」と最後に納得させる「根拠」の構成要素
先述の論理構成をベースとして、次のポイントを押さえることで、より聞き手を惹きつけ、プレゼンテーション全体の説得力を高めることができます。
冒頭30秒で心を掴む「フック」
PREP法で構成した流れのうち、1の「結論(Point)」では、聞き手の心を一瞬で掴む「フック」を入れましょう。
忙しい役員や審査員の関心を惹きつけるには、冒頭の30秒・スライド1枚で「誰の、どんな深刻な課題を、自社がどう解決し、結果としてどれだけのインパクトを生むのか」を端的に言い切ることが重要です。
背景ばかりを長く語るのではなく、「この新規事業によって、業界や顧客、社会の課題がこう変わる」というビジョンを箇条書きやキャッチコピーで可視化し、聞き手に「もっと先を聞きたい」「投資してみたい」と思わせる価値を提示しましょう。
最後に納得させる「根拠」の構成要素
2の「理由(Reason)」と3の「具体例(Example)」に含めるべき「根拠」は、下記のような複数の要素が求められます。要素は抜け漏れがないように整理しましょう。
- 背景
- 課題
- 市場性
- ターゲットと市場規模
- 競合の状況
- 顧客の声
- 提供すべき顧客体験
- 収益性
- リスク
なお、新規事業開発のプレゼン資料の論理構成のフレームワークについては、PREP法の他に、「FABE法」も有効です。これは「Feature(特徴)」「Advantage(利点)」「Benefit(利益)」「Evidence(根拠)」の要素を順に構成するもので、聞き手の視点に立った納得感のあるプレゼン構成が可能になります。一度フレームワークに当てはめてみて、より効果的と思われる方法を検討してみるのをおすすめします。
文字を減らし、図解で「ビジネスモデル」を伝えるデザイン術
プレゼン資料の構成と共に、デザインを工夫することで、より説得力が増します。
デザインで陥りがちなことの一つが、文字ばかりで埋め尽くされ、見にくくなることです。プレゼン資料は話を聞きながら見るものなので、聞き手は文字を読み込むことはできません。そのため、一目で要点が理解できるようにする必要があります。
ビジネスモデルの構造や市場規模、顧客ニーズなどを効果的に伝えるためには、図やイラストを用いるのが有効ですが、インフォグラフィックを用いてデータを可視化することがおすすめです。
インフォグラフィックとは、イラストやグラフ、チャート、表などを用いて直感的に表現したものです。例えば、円の大きさと市場規模の数値を連動させることで、円のサイズが大きいほど市場規模が大きいことを視覚的に示すことができます。これにより、パッと見て感覚的にわかります。この考え方を応用して見せ方を工夫しましょう。
厳しい質問を「味方にする」ための、想定質問とエビデンスの準備
新規事業の評価者は、不明点や曖昧な点があれば解消する必要があるため、質疑応答は活発になりがちです。時には厳しい質問も寄せられるでしょう。その厳しい質問を活用し、事業を深く理解してもらうためには入念な準備が必要です。
想定しておきたい質問例
新規事業開発において、よく寄せられる質問として以下のようなものが挙げられます。あらかじめ回答を準備しておきましょう。
- この新規事業を始める必要性は何ですか?
- 既存事業と比較して新規事業の優位性やメリットはどこにありますか?
- 顧客ニーズの根拠を示してください。
- 主要な競合他社の強みと弱み、差別化ポイントを教えてください。
- 市場の成長性を示すエビデンス(根拠)はありますか?
- 新規事業の最大のリスクと回避策を提示してください。
- 新規事業が黒字になるタイミングを示してください。
- 新規事業を実現するために、必要なリソースとコストを算出してください。
- 新規事業がもたらす既存事業への影響をデータで示してください。
エビデンスの準備
上述の質問に回答するには、確かな根拠、つまりエビデンスが必要です。エビデンスは次の方法で準備することができます。
- インターネットリサーチ(競合他社のHP、オープンデータ、公的機関の統計データ、SNSなど)
- 顧客インタビュー
- 顧客アンケート調査
- テストマーケティング/A/Bテスト
十分な準備を重ねることで、質疑応答の時間が充実したものになります。
AIで論理的完成度を高めるテクニック
プレゼンの自信は、企画そのものの「論理的完成度」から生まれます。完成度を高めるためには、第三者の視点が不可欠です。
いくら複数人でチェックして意見を出し合っても、人間にはバイアス(思考の偏り・先入観)があり、どうしても完全に客観的になることは難しいです。外部のコンサルタントに依頼する方法もありますが、現在ではAIという強力なツールを活用することも可能です。
資料作成に過度に時間を費やしすぎず、AIで論理構成を固めることで、効率的で質の高い準備が可能になります。
AI活用術
対話型AIを用いれば、プレゼン資料の構成案やベースとなる文章は効率的に作成できます。
しかし、それ以上に重要なのが「構成されたロジックに飛躍や矛盾がないか」を客観的に判断することです。
役員からの厳しい質問に耐えうる論理的完成度を目指すには、人間の主観的なレビューだけでなく、客観的かつ膨大なデータに基づく「第三者の視点」が必要です。
そのため、プレゼンを準備する際に、事業開発に特化して作られているAI診断ツールなどを利用して、「論理の抜け漏れ(死角)」をあぶり出し、エビデンスを補強しておくことが、確実な承認を勝ち取るための近道となるでしょう。
まとめ
新規事業のプレゼン資料の構成テクニックをご紹介しました。
まずは最大の武器となる「根本の論理構成」を確実に構築し、冒頭30秒で心を掴む「フック」を取り入れます。また図解を用いて「ビジネスモデル」を直感的に伝えましょう。そして最後に納得させる「根拠」の構成要素を網羅するのがおすすめです。
また、万全の準備がプレゼン時間を有意義なものにし、AIで論理的完成度を高めることで、時間短縮と効率化およびプレゼンの成功に一段階、近づくことでしょう。
NECでは、プレゼン資料を完成させる前の客観的な事前診断ツールとして活用できる、「NEC企画書AI診断サービス」を提供しています。
事業企画書(プレゼンの構成案)をAIに読み込ませることで、人間の主観では見落としてしまう論理の矛盾や、収益計画の甘さ、リスクの抜け漏れを瞬時に洗い出します。
審査員から指摘されるであろう弱点をAIの診断によって本番前にあぶり出し、客観的なエビデンスで論理を補強しておくことで、自信を持ってプレゼンに臨み、確実な承認(投資判断)を勝ち取るための強力な壁打ち相手として機能します。