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世界の研究者から熱い期待 20年の観測を受け継いだ「しきさい」

1999年と2002年、アメリカ NASAは2機の人工衛星を打ち上げて毎日1回から2回、地球の表面をくまなく観測する体制を整えました。雲やエアロゾル、陸上の植物の分布、土地利用変化、地表と海面の温度、火災、噴火、積雪、海氷などさまざまな現象を観測し、世界中の研究者が20年以上このデータを利用してきました。ですが、当初の運用計画の3倍以上の年月を働き続けて、観測機器にも衰えが出始めています。
「しきさい」はこの海外の衛星を超える観測能力を持ち、地球全体を測ってデータを提供する役割を担っています。そのひとつが植物の分布図の作成です。環境省は「緑の国勢調査」と呼ばれる世界で最も詳細といわれる日本の植物の分布図を作っていて、「しきさい」の観測データを使えばこれをアジア全体にも展開でき地球規模の植生情報提供に貢献できると期待されています。JAXAは日本で受信していた海外の衛星データに変わって、2018年12月から「しきさい」のデータ配布を開始。地球の表面で起きる現象をくまなく測り、世界の研究者の期待を乗せて高度800キロメートルを飛んでいるのが「しきさい」なのです。

2018年の4月から5月にかけて東北地方で植物が芽吹きから葉が開いていく様子を観測した「しきさい」の画像。下段の画像は、上段の赤枠部分をそれぞれ拡大したもの。左から右へ1カ月季節が進むにつれて、緑が増え植物が芽吹いていく変化が見える。
クレジット:JAXA

取材・執筆:秋山文野
2020年3月30日 公開

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