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ビッグデータによる価値創造のポイント
~最先端の分析技術とその活用例~

写真:本橋 洋介 氏

NEC
ビッグデータ戦略本部
本橋 洋介

これまでビッグデータは、金融のリスク分析や医薬品の副作用の分析といった限られた分野で活用されてきました。ところが近年では、例えば企業が各家庭のエネルギー需要量をもとに新しいサービスを提供するというような新たなデータ活用も積極的に行われるようになりました。あらゆる分野が「ビッグデータ」という言葉とともに進化しつつあります。

私たちがお客様と共にこれまでに取り組んできたビッグデータに関する多くの商談を振り返ると、特定の業種ではなく、あらゆる業種において、ビッグデータ活用によるビジネスの進化の可能性が大いに存在し、そしてお客様の「期待」が、大きく4つの領域に分類されることがわかってきました。

1つ目は、「オペレーションの高度化/最適化」です。電気やガスなどの大型プラントを安全かつ効率的に運用し続ける事や、橋やトンネルのような建造物の劣化の監視を行います。

2つ目は「情報管理の強化、犯罪・不正の検知」です。コンプライアンスの遵守が強く求められる企業内の報告書や電子メールの管理を行ったり、ソーシャルメディアなどの情報を分析して治安維持に役立てます。

3つ目は、「製品/サービス価値向上・改善」です。将来の商品需要やエネルギー需要の予測や、新しい製品やサービスの企画を支援する分析を行います。

4つ目は「顧客獲得・維持、販売促進」です。ダイレクトメールの送付先選定や、販売施策の立案や、「商品と人」・「観光地と人」といったマッチングを行います。

NECは、このようにお客様の期待を4つに分類し、個々の課題に合わせてソリューションや特徴的なサービスを構築し、提案しています。

データを「見える化」し、「知見」を得て「最適化」を行う

NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、社会価値創造に向けて、海底から宇宙まで幅広い分野において社会に貢献することを目指しています。

社会価値創造に向けてビッグデータを活用する際には、3つのステップが必要です。まずはデータの見える化です。多種多様なセンサーデータを収集し、画像分析等の認識技術を活用して見える化を行います。
次にデータを分析し、その結果から予知・予測・推定を行い、知見を得ます。そして最終的に、最適化や制御を行うことによって、分析結果を社会へフィードバックします。

映像データ処理技術「デノイズ」「デヘイズ」を開発

現在のビッグデータ関連のビジネスは、データの「見える化」と、その分析による「知見」を得る段階が多いです。

NECは官公庁、流通、交通、製造業など、多様な業種においてお客様のデータをもとに、長年に渡り、データ分析技術の研究・開発に取り組んできました。
その際、データのなかには映像もあり、処理しなければ認識・分析できない場合もあります。例えば監視カメラの映像は、暗かったり霧がかかっていたりと、認識しにくい場合も多々あります。そこで開発したのが「デノイズ」という技術です。これは自動的にノイズを抑えて暗い映像を明るく変換します。一方、霧やもやがかかった悪天候時の映像を鮮明化する「デヘイズ」 という技術も開発しました。これらの技術によって、これまで以上に映像データの分析ができるようになりました。

また、「顔認証技術」の分野においてNECは世界トップクラスではありますが、「顔」と「人」を識別する技術には隔たりがあります。顔認証は静止に近い状態で撮影するため、同一人物の識別や性別の識別は高い精度を実現しています。しかし、人が群がった「群集」の場合に、誰がどのように歩いたか、女性はこういう方向に歩く傾向にあるといった分析については、まだ技術開発を進める余地があります。そこでNECは、「群衆行動解析」に精力的に取り組んでいます。人の密度や移動の方向を推定することで、衣服や人の特徴に分けて、それぞれの移動パターンを認識して分類する技術です。この技術を用いて群衆をとらえることで例えば急病人の発生を映像から早期に発見することができるようになります。

センシング、解析の先にあるアナリティクスが鍵を握る

「機械学習」という技術があります。これは大量のデータから一定のルールを導き出して未来を推定するものです。その応用例として有名なのが、プロ棋士と将棋を指すロボットです。ロボットには、実際のプロ棋士の膨大な棋譜を「学習」させた、プログラムが組み込まれています。

図:機械学習技術への期待が高まっている

また機械学習による分析に基づき予知・予測を行うには「タスク設計」が重要です。データサイエンティストはタスク設計の際、「目的設定」「モデル設計」「特徴空間設計」「運用設計」を行い価値のある分析を導き出します。小売店舗を例にすると、売り上げの予測をして商品の品揃えを決めるという目的を設定し、そのために必要なモデルやデータを決め、分析がうまく行った際にはその後の運用を設計します。

図:タスク設計とは?

これらのうち「モデル設計」を説明します。「モデル設計」とは、データをどのように処理し、何をどのように分析するかを決めることです。分析において何が重要なファクターなのか、またデータの状態などを勘案しながら最適なモデルを決めることが大事です。
この「モデル設計」においてNECは、データサイエンティストがよい設計ができるような方法論や知見を蓄積しています。

例えば、モデル設計においては「精度」と「解釈性」が重要なファクターとなることが多いです。「この部屋の温度が5分後に何度になるか」を予測した場合、温度を当てる「精度」だけが大事なのではなく、予想した温度になる理由を説明する「解釈性」が重要となるのです。ビジネスではその分析結果を、現場におけるオペレーションの改善に結びつける具体的な方法を提示しなければならないからです。

またデータ分析は「特徴空間設計」が欠かせません。異常値の有無、変換処理の仕方、日付や曜日など二次加工の仕方などの「データを特徴に変える方法」を設計に落とし込む作業です。この特徴空間設計が正しくないとアルゴリズムが秀逸でもよい結果が導き出せなくなってしまうのです。データの二次加工方法の検討の際に、変数が少ないなどの理由で滞った場合は、5W2H(誰が、何を、いつ、どこで、どうする、なぜ、どのくらい)を個別に洗い出して、お客様の要求に即した提案をしています。

NECの取り組み

データ分析の具体例を挙げます。
まず、「インバリアント分析技術」を活用した、プラント内で発生している「いつもと違う」状態を、リアルタイムに検知する分析事例です。
インバリアント分析は、多数のセンサから大量の時系列データを収集・分析し、平常時に成り立つセンサ間の不変関係(インバリアント:invariant)を関係式として自動でモデル化します。このモデルの予測値とリアルタイムデータを比較することで故障の予兆を早期に検知します。

図:インバリアント分析技術の適用先

次に「異種混合学習技術」について説明します。この技術は端的に言えば「場合分けを自動化する技術」です。従来はあるビルの電力需要を予測する際、7月まではあまり空調を使わないが、8月から一気に使用頻度が高まるのではないか、または土日と平日で冷房の使い方が異なるのではないか、といった仮説を設けることから始めていました。ところがこの技術では、多種多様なデータに混在するさまざまなパターンや規則性を自動で発見・場合分けし高精度な予測を導き出すため、例えば「このビルでは夏モード、冬モード、休日モードの3つの使用パターンがある」といった場合分けを自動的に行うのです。

この技術によって、小売業の商品需要予測や、建造物の劣化予測による交換・修理時期の予測など様々な分野で応用ができることから、現在、多くのお客様と実証実験やシステム開発を進めています。

次に、「テキスト含意認識技術」についてです。リスク検知や問題把握の観点から注目されているのがテキスト解析ですが、この技術は、文中における単語の重要性や、主語や述語などの文の構造を考慮することで、二つの文が同じ意味を含むかどうかを高精度に判定します。
例えば顧客から「ちょっと遅い」や「明日までになんとかしてください」というコメントが寄せられた場合、言葉は違いますが、伝えたいことは「対応が遅い」ということです。このように、同じ意味の言葉をグループ化し、「同意」として認識します。
ここまで触れてきた、インバリアント分析技術、異種混合学習技術、テキスト含意認識技術は、すべてNEC独自の技術です。

NECは、このような技術を活用した特徴的なソリューションを、今後も提供していきます。

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