ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. ソリューション・サービス
  3. AI・ビッグデータ
  4. 特集コンテンツ
  5. イベント・セミナーレポート
  6. C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2014
  7. ビッグデータによる価値創造
ここから本文です。

ビッグデータによる価値創造
~社会課題を解決する三位一体のアプローチ~

社会課題の解決にビッグデータ活用で挑む

写真:本部長 中村慎二

NEC
ビッグデータ戦略本部
本部長
中村慎二

NECは2007年、「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」というグループビジョンを掲げました。この「人と地球にやさしい情報社会」の実現に向けては、ICTを高度化し、「安全」「安心」「効率」「公平」という4つの価値を提供することが重要だと考えています。

こうした豊かな社会を実現するためには、解決しなければならない「社会課題」が数多く存在します。我が国の政府も、日本は「課題先進国」であると認識しており、それらの課題をいち早く解決することが、今後の成長戦略につながると発表しています。また、日本にいると気づきにくいことかも知れませんが、世界に目を向けるとエネルギー、水、食料の問題など、解決すべき課題が山積みとなっています。

その一方、世の中で爆発的に増え続けているものがあります。それは、インターネットにつながったコンピュータ、スマートフォン、各種センサなどのデバイスであり、それらのデバイスから時々刻々と発生するデータ、つまり「ビッグデータ」です。現在、世界中で「資産」としてのデータの価値が高まり続けている状況にあり、こうした資産としてのビッグデータをうまく活用して社会課題を解決していくことこそが重要だと考えています。

ビッグデータを使って価値を生み出すには、3つの段階を経る必要があります。

まず1つ目が「センシング」です。実世界にあるさまざまな情報をデータとして収集し、そのデータを蓄積・加工・編集することで現状を分かりやすく、誰もが見える状態にすることです。現実の世界を、サイバー空間上に再現する作業といってもいいでしょう。

センシングによって「見える化」したデータを使い、次に行うのが「アナリティクス」です。これは、大量データの相関関係などを分析することでデータの中に隠れた法則を見つけだし、さらなる未来を予測して価値を生み出すステップです。

そして最後に、最も重要なのが「アクチュエーション」です。データの中から新たな知見を得て何をすれば良いかが分かっても、実際にアクションを起こさない限り、現実世界の課題は解決できません。サイバー空間で得た知見や法則を、現実の世界にフィードバックする「アクチュエーション」まで実現してこそ、はじめて本当の価値が生まれるのです。

NECは、この「センシング」「アナリティクス」「アクチュエーション」を「三位一体」で取り組むことこそ、ビッグデータ活用において重要であると考えています。

ここからは、いくつかの例を取り上げながら、どのようにして三位一体のプロセスを回し、ビッグデータを社会課題の解決に役立てていくのかということについてお話しします。

自然災害に対しては、発災直後の情報センシングが初動の鍵

まずは「自然災害」の分野です。近年、自然災害が世界中で猛威を振るっており、多大な人的被害や経済的損失をもたらしています。

自然災害にどう立ち向かうか-。残念ながら、現在の技術では自然災害の発生を完全に予知することは非常に難しいというのが実情です。しかし、万が一災害が発生した際の被害を予防するという視点、応急対応するという視点、復旧・復興するという視点で考えると、初動や応急対応時の情報不足が大きな問題だということが分かっています。

特に、発災直後から72時間以内が「人命救助の生命線」といわれます。つまり、初動での情報量が被災者の捜索・救助活動の成否を大きく左右するため、有用な情報を初動時にどう得るかが大きな課題となります。

この初動時の情報収集においては、さまざまなセンサを使うことで、災害発生の直前に何らかの予兆から情報を得ることができますし、発生直後であれば、インターネット上のさまざまな書き込みから被害状況を知ることができます。また、小型無人飛行機を飛ばして被災地の写真を撮影したり、衛星からセンシングするなど、あらゆる情報収集手段を使って被災状況をつまびらかにすることができます。これにより、適切な救難指示や避難誘導をはじめ、その後の被災に備えたシミュレーションなどもできるだろうと考えます。

このような「センシング高度化技術」は、NECがいま非常に力を入れて開発を進めている分野であり、新たな社会価値の創造ができる分野だと考えています。

上水道の漏水・劣化検知で効率的なインフラ運用を実現

2つ目が「水」の問題です。世界には水不足で困窮している人々がたくさんいますが、水の問題は新興国だけのものではありません。先進国においても「漏水」という問題がいま大きな課題として浮かび上がっています。

東京の漏水率は5%程度ですが、国内でも一部の地域では10%ほどの水が漏れています。また、ロンドンはインフラが古いこともあり、25%以上の水が漏れているとの調査データがあります。そしてこれが新興国となると、工事の技術力不足もあり、実に半分近くの水が漏れているといわれています。つまり、最終的な利用者に届く前に半分の水を失っているという事態が起きているのです。

水は、作る際、汲み上げる際、さらには上水道を使って運ぶ際にも膨大な電力を使用します。米国カリフォルニア州では、電力使用量の19%は水道システムのためだけに使われているともいわれています。つまり、水を無駄にするということは、電力やエネルギーも無駄に消費していることにつながるわけです。このような状況で、スプリンクラーの散水量を制御したり、水道の蛇口を小まめに閉めるといった末端の対策だけでは効果にも限界があります。インフラ全体で課題を解決していくことが重要なのです。

そこで、例えば地下に埋まっていて把握しにくい上水道管の漏水、あるいは劣化状況をセンサやカメラを使って「見える化」し、それらがいつ壊れそうなのかをアナリティクスで予測して手を打つことができれば、根本的な改善につながります。

センシングにより、水の漏れている箇所を特定し、アナリティクスで漏水の予兆を検知。それをもとに保守を行ったり、最適な水圧制御を行うことで、漏水を最小化し、インフラを長寿命化、ひいてはエネルギーコストをも最小化し、効率的にインフラを運用することが可能になるというわけです。

精度の高い需要予測と適正な発注が食糧廃棄ロスを防ぐ

3つめが「食糧」です。ここでも、ビッグデータ活用の余地が大いにあります。世界では食糧不足で苦しむ人々がいる一方、近年、クローズアップされているのが、私たちの身の回りで日々起こっている膨大な食糧廃棄の問題です。

現在、全世界で行われている食糧援助の総量は年間400万トンといわれています。しかし、日本国内だけでも年間500万トンから800万トンもの食糧が、食べられずに捨てられているという事態が起きています。

これもまた、各家庭で「食べ残しはやめましょう」といったスローガンだけでは解決しません。家庭で捨てられる量と、同じ量の食糧が事業者によって廃棄されている現状ですから、サプライチェーン全体で考えるべき課題であるということが分かります。

事業者による食糧の廃棄を低減させるためには、売り逃しを避けたいがための過剰発注を抑制することが有効な手段の1つとなります。より精度の高い需要予測のもとに、適正な発注量を維持することが、社会課題を解決する視点からも大きな意義があるわけです。

「明日、おにぎりがいくつ売れるか」といった予測を正確に行うためにはさまざまなパラメータが存在します。センシングによってそれらのパラメータ情報を入手し、それを店舗ごと、商品ごとの精度の高い需要予測に活用し、さらに自動発注まで行うことができれば、非常に高い効果を生み出せることになります。これは、食糧の廃棄を減らすという社会課題を解決することができるばかりか、売上向上、コスト削減、機会創出、サービス向上といった小売業の企業価値向上にもつながります。

お客様やパートナーとともに価値創造を

冒頭にも申し上げた通り、NECは、「安全」「安心」「効率」「公平」という4つの価値を提供することで社会に貢献したいと考えています。そのために、世の中で増え続けている資産であるビッグデータを活用したいと考えています。

こちらも繰り返しになりますが、ビッグデータ活用で重要なポイントは、実世界の情報をデータとして取り込みサイバー空間で見えるようにする「センシング」、実世界から集められた膨大なデータを解析して次の打ち手を導き出す「アナリティクス」、そして、そこで導き出された方策を実行することで最終的に現実の世界にフィードバックする「アクチュエーション」です。そしてこの3つを三位一体で取り組みループを完成させてこそ、本当に世の中を変える新たな価値を生み出すことができるとNECでは考えています。

しかし、特にアクチュエーションに関してはNECの力だけで実現させるのは難しく、今後は多くのお客様やさまざまな団体の方々とパートナーシップを結びながら、一緒にこうした価値創造のループを形づくっていきたいと考えています。

NECは今後とも、皆様とともに新たな価値創造に取り組んでいく所存です。
本日はご清聴、ありがとうございました。

ページの先頭へ戻る