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~旭化成ホームズ株式会社 様~

WebOTX - 導入事例
旭化成ホームズ株式会社
情報システム部
部長
後藤 博 氏
情報の共有と見える化により、お約束した以上の満足を提供することにより、お客様に感動していただこうと思っています。

SOAの考え方にもとづいて段階的にシステムを構築

ロングライフ住宅「へーベルハウス」で有名な旭化成ホームズ様は、ロングライフの名のとおり、30年先、60年先まで変わらぬ資産価値を持ちつづける住宅の提供に力を注いでいます。

また、IT活用にも積極的に取り組まれており、図面情報、部門間依頼業務情報、来客情報、邸別情報といった情報を共有するためのシステムを新たに構築。「お客様情報ビュー」と総称される本システムは、システム基盤として「WebOTX」を採用し、SOA(Service Oriented Architecture)の考え方にもとづいて構築しています。システム構築の背景について、情報システム部 部長の後藤 博氏は、次のように語ります。

「本システムを構築することでコスト削減や情報の一元管理など、さまざまな効果を期待しました。例えば、図面情報はお客様の大事な情報であり、長年にわたって必ず保存しておく必要があります。これまでフィルム化、オプティカルディスク、そしてASPの保管サービスへと保管方法を変えてきましたが、保管サービスは容量による従量課金制のため、どんどんコストが上がっていくという課題がありました。また部門間業務依頼においては、例えばCAD入力センターへ依頼するとき、届かない、不鮮明で見えにくいなど、ミスを誘発しやすいという問題がありました。こういった課題を本システムによって解決すると同時に、情報を一元管理することによりお客様の情報を容易に共有できるようにしたいと考えたのです。ただ、これだけ大規模なシステムになると一度にまとめて構築することは難しいので、システムを段階的に構築できるSOAの考え方にもとづいて優先順位の高いものから順に構築することにしました。」

最もRFP(提案要件)の条件を満たすシステムを提案したNECを開発パートナーに選定

旭化成ホームズ様は、新システム構築のパートナーとしてNECを選定しました。

「IT中期計画の策定段階では、NECにも加わってもらいました。お客様情報ビューでは、当社の業務内容と要望をよく理解しているNECが、最もRFPを満たす提案をしてきたこともあり、パートナーに選びました。

具体的なRFPには、図面保管コストを半減することや、従来紙ベースで行われていた業務をシステムに取り込めること、また、システムとして水平統合を見据えた拡張性の高いものにすることなどを盛り込みました。」(後藤氏)

旭化成ホームズ様は、以前からSOAを意識したシステム構築を検討していましたが、今回のお客様情報ビューで初めてその考え方にもとづいたシステム構築に着手しました。

「SOAについては、以前からそのアーキテクチャに関心をもっており、水平統合実現に向けてシステムに取り入れたいという思いがありました。そこでその考え方にもとづき、部分的にですがソフトウェアの部品化から着手し共通的な機能をサービスとして整備、その上でこれらを利用するシステムを構築、というように段階的に進めていく方針をとりました。」(後藤氏)

そのシステム基盤には、これまでの安定稼動の実績を評価している「WebOTX Application Server(以下、WebOTX AS)」、連携基盤には同ブランドの「WebOTX Enterprise Service Bus(以下、WebOTX ESB)」を採用。

「WebOTX ASは、“これからはWebの時代”と言われ始めた頃のバージョン1.1から採用しています。その理由は、今後機能が増えていくことでシステムの応用発展が期待できたことと、エンタープライズ向けのアプリケーションサーバとして安心して使えそうだったことからですが、期待どおりこれまで安定して稼動しています。そのため、今回のお客様情報ビューの構築においても採用することにし、連携基盤においても親和性の高いWebOTX ESBを採用することにしました。」(後藤氏)

WebOTX Enterprise Service Busによりスムーズなシステム連携を実現

旭化成ホームズ様のシステムでは、共通的な機能をサービスとして部品化し、WebOTX ESBを介して連携させています。業務アプリケーションは、必要に応じてこれらのサービスを呼び出して実行するように設計されているため、新たなシステム構築の際は作成済みのサービスが活用でき、開発の効率化を実現できます。実際に旭化成ホームズ様の第二期システムの構築でサービス部分の開発規模は、第一期システムの構築の20%程度に抑制できたため、開発期間を40%短縮することができました。

また、新システム構築や既存システムの高度化を進めていく過程で、WebOTX ESBを経由することによって、各種プロトコル変換や複雑なパターンでのスムーズなシステム連携も可能となっています。

期待どおりのシステムが完成し、保管コスト2分の1、スムーズな業務依頼、お客様情報の一元管理を実現

お客様情報ビューは2008年に第一期として図面情報と部門間依頼業務情報、2010年には第二期として来客情報と邸別情報を構築しました。システム稼働後の状況について、後藤氏はこう語ります。

「第一期のシステムでは、当初、安定稼働するまで少し苦労するのではないかと考えていましたが、予定どおりに稼働しています。これまでのファイル転送時の遅延もなくなり、業務依頼もスムーズになりました。また、図面保管コストは、期待どおり2分の1になりました。

第二期のシステムでは、個人情報を一元管理し、お客様ごとに情報を容易に取り出せるようにすることが目的でしたが、これは想定以上の成果がでています。例えば、メンテナンス計画では、図面とメンテナンス履歴を紐付けることで、関係する社員が簡単に図面を利用できるようになりました。ここまでは想定どおりなのですが、便利に使えるのがわかってくると、進んで情報を入れるようになり、仕事のやり方も変わってきたようです。さらに、すべてのお客様情報を保管できる場所ができたことから、社員の間に“ここに情報を集めなければならない”という共通認識が浸透。個人情報管理の意識が向上し、情報漏洩リスクの軽減にも効果がでてきています。」

旭化成ホームズ様では、現在第三期の構築を進めており、今後もお客様情報ビューを充実させていく計画です。

「今後は、グループ会社なども含め、情報共有を進めていこうと考えています。例えば、アパート建設では査定会社との図面の共有、施工会社の建築に関する申請業務の共有などを進めていきます。これによって、業務効率化ができ、しかも抜けや漏れがなくなり、より安心感が持てるようになります。また、お客様に紙で渡しているものは、現在スキャンして取り込んでいますが、いずれドキュメント類もこのシステムを経由するようにして、情報をトレースできるようにする計画です。情報の共有と見える化によって、お客様に約束したことは当然のこと、それ以上の満足を提供することで、お客様に感動していたこうと思っています。現在、第三期のシステム構築を進めていますが、NECは必要に応じていろいろな後方部隊がバックアップする体制を整えているので、今後も大いに期待しています」と後藤氏は締めくくりました。

NEC担当スタッフの声

NEC
第三製造業ソリューション事業部
住宅・建材グループ
種村 慎也

旭化成ホームズ様の業務システムは、安定稼働が絶対条件になります。そこで、WebOTX ASのプロセス多重実行機能を利用し、アプリケーション障害が発生してもシステム全体を止めずに自動復旧できる設計にしました。また、WebOTX ASでは万が一障害が発生しても、ログ収集機能により原因究明を簡単に行えるようになっています。さらに豊富なシステムの稼動情報によるきめ細やかな運用監視も行えるため、WebOTX ASを採用することにより、設計、障害解析、日々の監視といったトータルでの安心感を考慮したシステムを構築できました。
今回の新業務システム構築では、SOAの設計手法でシステムとして水平統合を進めていきたいとの方針がありましたので、WebOTX ESBの導入をご提案し、ご採用していただきました。
第一期、第二期とシステム構築が進むにつれ、WebOTX ESB導入の効果も現れてきています。さらに現在構築中の第三期システムや、既存システムの高度化を進める上で、各種プロトコル変換や複雑な連携パターンをするとき、WebOTX ESBの効果がますます発揮されるものと考えています。
旭化成ホームズ様は、IT活用において、常に先進的な技術への取り組みに意欲的です。われわれも、そのご意向を汲みながらご提案し、真に業務に役立つシステム構築に貢献したいと考えています。