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北陸通信ネットワーク株式会社様
シンクライアント基盤で効率運用を実現
最新技術ノウハウを蓄積し、攻めのIT戦略を加速
- 製品:
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- シンクライアント
- PCサーバ
- ソリューション・サービス:
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- 基盤技術/サーバ仮想化/デスクトップ仮想化
- 働き方改革
事例の概要
課題背景
- 業務基盤をシンクライアントシステムで仮想PC化しているが、導入から数年が経ち、性能問題が顕在化
- 最新技術を積極的に社内に取り入れ、検証することで、ノウハウ・経験を蓄積したい
- すべての社員に快適かつ安定的に仕事をできる業務基盤を提供し、働き方改革をさらに推進したい
成果
性能問題を解消し、拡張性の高い業務基盤を整備
数年先を見据えた業務量の拡大や社員数の増加に対応できる拡張性の高いシンクライアント基盤を実現。「つながらない」「動作が遅くなる」といった性能問題を解消し、業務部門からのクレームや問い合わせも激減
1つの管理ツールですべての仮想PCを統合管理
シンクライアント基盤をVMware Horizon®に一本化したことで、複数の管理ツールを使い分ける必要が無くなり、トラブルの原因究明や対処もスピーディになった
働く場所の制約を無くし、社員の柔軟な働き方を推進
モバイルPCやスマートデバイスで、外出先や自宅からでも接続が可能なため、場所を選ばず仕事ができるようになった
組織の攻めのIT活用に向けたノウハウを蓄積
最新技術を社内で積極的に使うことで、お客様への提案力・サポート力はもちろん、攻めのIT活用を支援できるノウハウを蓄積できた
導入ソリューション
NEC HCI for VMware vSAN上に、仮想デスクトップシステムを実現するVMware Horizon®を組み合わせ、シンクライアント基盤を実現した。vSANの活用により、サーバの内蔵ディスクを仮想ストレージとして利用し、最適なリソース割り当ても自動化できる。仮想PC環境をHorizonに一本化したことで、システム構成がシンプルになり、運用も効率化された
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事例の詳細
導入前の背景や課題
シンクライアント基盤の性能が低下し、システム運用の負荷も増大
北陸電力グループの電力系通信事業者である北陸通信ネットワーク様は、北陸全域をカバーする自社光ファイバネットワークをベースに、高信頼・高品質な通信サービスやクラウドサービスを提供しつつ、お客様のICTインフラを構築するシステムインテグレータの分野にも注力し、北陸エリアの幅広いビジネスを支えています。「サービスの提供にあたっては、まず自分たちで検証し実際に使ってみて、技術・ノウハウの蓄積を図ります。多様化・高度化するお客様ニーズに対応するためには、提供者である私たち自身が高度な技術やノウハウを持つ必要があるからです」と同社の長尾 秀隆氏は語ります。
いち早く業務基盤のシンクライアント化を実現したこともその一環です。2013年にはNECのシンクライアントシステム VirtualPCCenter(以下VPCC)をベースに、仮想化基盤にVMware vSphere®、仮想PC基盤にCitrix社のXenDesktopを組み合わせ、構築しています。
これまでトラブルなく稼働していましたが、導入から数年が経過したことで、様々な課題が顕在化していました。性能問題はその1つです。「ファイルサイズの大きいExcelや地図ソフト利用の際に動作が遅くなる。ログインやログオフに時間がかかるなどの事象が顕著に見られるようになったのです。アプリケーションやデータの大容量化が進み、導入時の想定より社員数も増加し、ストレージリソースも逼迫してきました」。同社でシステム運用を担当する中邑 臣宏氏はこのように述べます。
システム構成の複雑さがもたらす弊害も無視できないものでした。「不具合が発生した場合、VMware vSphere®に問題があるのか、XenDesktopに問題があるのか、あるいはその上で稼働するOSやアプリケーションに問題があるのか。その切り分けに時間を要していました。」と同社の北山 智也氏は振り返ります。
同社は全社を挙げて働き方改革を推進しています。これを実現するために導入したシンクライアント基盤が、システムを運用するグループの業務負担を増大させつつありました。「すべての社員が快適に仕事をできる業務環境を提供し、同時に増大したシステム運用メンバーの負担を軽減する。これを実現するため、新たなシンクライアント基盤の構築を上申しました」と長尾氏は話します。
選択のポイント
先進性と実績を兼ね備えたHCIモデルとHorizonで次期基盤を構成
次期シンクライアント基盤として、同社が選定したのが「VMware Horizon®」です。このインフラにはNEC HCI for VMware vSAN™を採用しました。
「Horizonを採用することで、仮想化基盤から仮想PCまでVMware製品で統一できます。基盤構成をシンプル化し、運用負担の大幅な軽減も可能になります」と長尾氏は選定の理由を述べます。さらにNEC HCI for VMware vSANは文字通りvSANを搭載しており、サーバの内蔵ディスクを仮想ストレージとして利用可能です。「インフラもシンプル化できる上、仮想ストレージにより、柔軟なリソースの割り当ても可能になる。ディスクの追加も容易に行えるため、業務量の拡大に伴うスペックの増強や社員数の増加にも柔軟に対応できます。また、検証済みの構成で導入実績も豊富なので、安心して運用できると判断しました」と長尾氏は続けます。これに加え、同社は今回のタイミングでクライアントOSを現状のWindows 7からWindows 10に刷新することも決断。早めにWindows 10に移行することで、お客様サポートに活かせるノウハウを蓄積することにしました。
次期シンクライアント基盤の構築を担うパートナーにはNECを選定しました。「従来のシンクライアント基盤の構築時からNECの技術力とサポート力を高く評価していましたし、私たちの要件を深く理解しています。また、NECの持つ最新のナレッジやノウハウを当社が吸収することもできます」と中邑氏は話します。
管理サーバ基盤には従来の「VPCC」を利用することも大きな特徴です。「VPCCのDeploymentManagerの機能を利用することで、従来通りにパッチ適用やアプリケーション配信を自動化できるからです。おかげで既存資産を有効活用し、その後の運用まで見据えた最適な仕組みを実現できました」と同社の塩崎 茉莉氏は評価します。
導入後の成果
性能問題を解消し、システムに関するクレームや問い合わせが激減
Horizonの仮想PC実装方式には、マスターイメージを展開する専用割り当て方式の「フルクローン」と、マスターイメージを共有し個々の仮想デスクトップに差分情報のみ保有させる「リンククローン」を選択できます。メインの金沢サイトはフルクローン方式を、バックアップの富山サイトはリンククローン方式を採用しました。リンククローン方式を取り入れたことで、先進技術の習得が進み、BCP対策の運用工数とコストの最適化にもつながっています。
懸念された性能問題も解消されました。「動作が遅くなるといった現場からのクレームは一切ありません。業務の拡大や社員数の増加にも柔軟に対応できる高い拡張性も備えています」と塩崎氏は語ります。以前は複数製品の組み合わせ構成だったため、3つの管理ツールの使い分けが必要でしたが、現在はHorizonの管理ツールだけで管理が可能。運用管理がシンプルになり、業務負荷も軽減されています。仮想PCのストレージ容量が足りない場合も、vSANならローカルディスク全体を単一のストレージプールとして利用できるため、柔軟かつ効率的に仮想マシンを割り当てることが可能です。「プール単位のディスクの空き状況や、割り当てを気にすることなく、仮想PCを迅速に展開できる上、リソースも有効活用できるようになりました」(塩崎氏)
マルチデバイス対応のリモートアクセスは従来の基盤でも実現していましたが、以前は社外から接続できないことがあったといいます。「現在はそういう事象の発生はゼロ。社外でも安心して仕事に取り組めます。私自身、育児の関係で在宅勤務を利用する際は、モバイルPCを使ってリモートで運用管理や問い合わせ対応を行っています」と塩崎氏は話します。
運用負荷が軽減されたことで、新技術の検証にもより多くの時間を割けるようになりました。「新技術のノウハウの蓄積や活用に磨きをかけ、お客様への提案力・サポート力の向上に努めるとともに、攻めのIT活用をより一層支援していきます」と長尾氏は語ります。
今後、同社では仮想PCのセキュリティ対策の強化も検討しています。具体的にはVMware NSX® Data Centerのマイクロセグメンテーション機能やマルウェア感染時に自動隔離できる仕組みです。仮想マシン単位でファイアウォールを設定できるため、漏れのない対策が可能になる上、業務部門の負担を減らすことにつながります。
「働き方改革やセキュリティ強化以外にも新基盤を使ったアイデアはまだまだあるはず。これからもNECには有意義な提案を期待しています」と長尾氏は力強く語りました。
NEC担当者の声
展開後の運用まで見据えて全体を最適化
今回のプロジェクトは性能問題の解消とシステム運用の負荷軽減が2大テーマ。仮想PCはHorizonで実現することが要件だったため、これに最適なインフラとして、vSANを実装したNEC HCI for VMware vSANを提案しました。仮想PCはHorizonに一本化することで管理が容易になり、vSANによってリソースの自動割り当ても可能になります。
プロジェクトは設計段階からともにレビューを行い、最適な基盤構成について密に議論を重ねました。その中ですべてを刷新せず、管理サーバ基盤には従来の「VPCCのDeploymentManagerの機能」を継承することを提案しました。実績のある仕組みを捨てて、運用性が損なわれるのは本末転倒。新技術と既存資産を適材適所で使うのが得策と考えました。これにより、運用の負荷軽減効果がより高まったとのご評価をいただきました。今後も北陸通信ネットワーク様のシステム運用をサポートし、その中で私たちもナレッジ・ノウハウの習得に努め、より良い提案につなげていきたいと思います。
お客様プロフィール
北陸通信ネットワーク株式会社(略称:HTNet)
所在地 | 石川県金沢市西念一丁目1番3号 コンフィデンス金沢 |
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設立 | 平成5年5月25日 |
資本金 | 60億円 |
従業員数 | 170名(2019年7月1日現在) |
事業内容 |
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URL | https://www.htnet.co.jp/ |
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(2019年7月23日)