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スぺイン・コルドバ県様

業種:
  • 地方公共団体・官庁
業務:
  • グローバル
製品:
  • ソフトウェア/サービス実行基盤
  • ソフトウェア/運用管理
  • ソフトウェア/情報管理
ソリューション・サービス:
  • クラウド
  • IoT

はじめに

スペイン南部のアンダルシア地方の中心部に位置するコルドバ県は、歴史的背景からイスラム文化が色濃く残る文化遺産を有する広大で豊かな地方です。
県下には78の市町村があり、その全域がスマートシティとして進化しています。
コルドバ県を住みやすく持続可能な都市にするための取り組みの一つとして支えるのが、さまざまなデータを統合管理する「共通プラットフォーム」です。
NECの強みであるAIやクラウド技術を活用して街中のデータを収集し、分析。
住民によりよいサービスを提供するために、「データのリアルタイム収集・分析基盤」、「廃棄物管理システム」、「インシデント管理システム」、「設備・資産管理システム」、「オープンデータ基盤」、「行政と市民のコミュニケーション用webポータル」など、分野を横断したスマートシティプラットフォームを実現し、さまざまな領域で広域自治体連携によるデジタル化、スマート化を高いレベルで実現します。

課題

78自治体によるクラウドプラットフォームの共同利用を目指して

コルドバ県の抱える課題として、過疎化による市町村の人口減少がありました。
若者はより良い雇用や行政サービスを求め都市部に流出、高齢化が進んでいました。

人口2万人以下の小中規模の市町村が多く存在するコルドバ県では、各自治体においてこの課題を対処するほどの技術、政策、実行リソースが十分でなく、それぞれの市町村が解決していくのは難しい状況でした。

この深刻な課題の解決と一定の生活水準を維持するために、コルドバ県下の市町村が共通で利用できるデジタル環境の整備の取り組みを進めることで地域の人口の減少に歯止めをかけ、住民にとって魅力的な県にするために動き出しました。

コルドバ県は、この課題を解決するために、検討の結果、同県の要件を十分に満たした
NECと協業することを決定しました。
また、このプロジェクトの推進にあたりスペイン政府が取り組むデジタル改革分野における公共政策を推進運営する「red.es」の公募を活用し、111の提案の中から選定されたプロジェクトの1つとなりました。

デジタル化にあたっての取り組み

「red.es」は経済・デジタル変革省に所属する公的機関であり、デジタル化に関してスペイン政府が推進する公共政策を策定するのが役割です。その取り組みには「スマートシティ国家計画」があり公募を通じて地方自治体とのプロジェクトを選定しています。red.es 公共デジタルサービスディレクターのフランシスコ・ハビエル氏は語ります。

都市と地域のデジタル化の推進を目指して、掲げる3つの目標

「都市や地域のデジタルトランスフォーメーションを促進することを目的としたスマートシティ国家計画には3つの基本的な目標があります。

1:標準化と規格化の推進
2:テクノロジー分野の企業を誘致し産業政策として機能させる
3:地方自治体のデジタル化のプロセスを支援
コルドバ県のプロジェクトはこれらの目標も踏まえて、満足のいく形となり成功したと考えています。私たちは、このような取り組みをコルドバ県のみならず、他の地方自治体にも続いてほしいと願っています。

今回のプロジェクトのように、デジタル化、スマート化をすることは、新しい公共サービスを提供する絶好の機会なのです。デジタルトランスフォーメーションは終わりのないプロセスです。今後もプラットフォームに新しいサービスを統合し、活用推進を通じて市民が恩恵を受け続けることを私たちは望んでいます。」

red.es
公共デジタルサービス
ディレクター
フランシスコ・ハビエル氏

導入ソリューション

NECはコルドバ県と協力し、県下の78の市町村から集められた関連データをリアルタイムで収集し分析、統合、管理するクラウド共通プラットフォームを構築し、サービスの共通アプリを整備しました。このプラットフォームにはオープンソースのFIWAREをベースにしたNEC都市OSを採用しています。NEC都市OSは、自治体間の垣根を超えたデータ連携によって街と人の情報をつなげ、地域課題の解決や新しいサービスの実現が可能になります。

「共通のプラットフォームは必要な条件でした。コルドバ県下の全78の市町村が広域連携をしながら行政サービスを提供することで、オペレーションだけでなくメンテナンスの面でも展開が容易です。
コルドバ県が、各市町村で「何が起きているか」を知るためのデータを入手するのに大変役立っています」と、コルドバ県エネルギー庁 ディレクター サラ・ルイス氏は説明します。

コルドバ県エネルギー庁
ディレクター
サラ・ルイス氏

行政サービス紹介

例えば、共通プラットフォームを通じて、市民の行政参加を促したりインシデントを把握することができます。
災害などで道路に倒木があると、住民がアプリを通じて通報でき行政が現場に向かい問題を解決します。また断線した電線や、点灯しない街灯なども住民からの通報や依頼に迅速に対応し、解決することができます。

さらに、商業施設の建設計画に対してその必要性や意見を住民に聞くこともできます。
住民にとってこのプラットフォームから得られる情報はとても重要です。
コミュニティの一員であることを実感し、意思決定に参加することができるのです。

「私たちにとって最も重要なのは市民の皆さんに行政サービスを提供し続けることです。
そして、コルドバ県の市町村は人にやさしく魅力的で住むには理想的な場所であることを感じてもらいたいです」と、サラ・ルイス氏は期待を込めます。

導入成果と今後の取り組みについて

「このred.esの公募プロジェクトは小さな市町村を多く持つ私たちにとってとても重要な機会でした。新しいテクノロジーを使い小規模自治体にも適したスマートシティプロジェクトを開発する道を開いてくれたのです。また、多くのサプライヤーが競い合う公開入札プロセスにおいてNECの提案が最も有利であり適したものでした。」とサラは言います。

NECの共通プラットフォームにより、コルドバ県は町の安全確保、効率的な地域運営などを実現できています。
当初は含まれていなかった自治体も加わり、新たな分野でのプロジェクトも検討が始まっています。今後も市民にとってのより良い暮らしに向けた新しい行政サービスを提供できる可能性が大いに期待できます。
人々が定着できる魅力的な街づくりにNECのスマートシティソリューションは大きな役割を担っています。

NEC提供の共通プラットフォーム上で稼働している行政サービス

データのリアルタイム収集・分析基盤
各システムからのデータをリアルタイムに収集・分析し相関関係を見える化することで、行政サービスの改善を支援。EUの次世代インターネット官民連携プログラムで開発・実装されたデータ利活用基版。ソフトウェア「FIWARE(ファイウェア)」を活用

廃棄物管理システム
ゴミ収集容器にセンサを取り付け、容器内に溜まったゴミの量や容器の設置場所などの情報を一元管理することで、ゴミ収集作業の効率化に貢献

インシデント管理システム
市内で発生した倒木や電線の断線など迅速な対処に貢献

設備・資産管理システム
自治体が所有・管理するゴミ箱などの設備・資産の位置情報や稼動状況を、Webポータルとモバイルアプリ上で見える化。
これにより、設備・資産のライフサイクル管理による予防保全作業の効率化に貢献

オープンデータ基盤
オープンデータを市⺠や企業・団体に公開する基盤およびWebポータルを提供。オープンデータの利⽤に関して住⺠がアイデアや提案などを⾃由に投稿可能

⾏政と市⺠のコミュニケーション⽤Webポータル
⾃治体からの情報提供や市⺠からの意⾒・ニーズの書き込みなど、⾃由なコミュニケーションを実現するWebポータルを提供

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(2023年12月22日)

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