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NEC、VLMでライブカメラ映像から現場状況をスコア化し、災害予兆を早期に発見できるAIを新たに開発

~河川氾濫・冠水・積雪などの災害対応力の強化に貢献~

2026年10月23日
日本電気株式会社

NECは、視覚言語モデル(Vision-Language Model、以下VLM)を活用し、道路や河川を観測するライブカメラ映像から現場の状況をスコア化することで、河川氾濫・冠水・積雪などの災害につながる予兆を早期に発見できるAIを新たに開発しました。
本技術は、自治体や関係省庁、インフラ事業者などが運用する既設のライブカメラを活用でき、災害観測現場への容易な導入に加え、モニタリング業務の効率化や対応判断の迅速化に貢献します。NECは、2027年度中の実用化を目指します。

本技術を用いた災害予兆検知システムイメージ

背景

自然災害の激甚化が進む中、道路や河川などのインフラ管理現場では、現場状況のモニタリング業務の効率化と災害予兆の早期発見が求められています。多くの現場では、ライブカメラ映像を用いたモニタリングが行われていますが、多数のカメラ映像を人手で常時確認し、微細な変化を見逃さず発見することは困難です。画像認識による自動化も、災害や現場ごとに大量の映像データの収集と学習が必要となり、導入の負担が大きいことが課題となっています。このため、追加学習なしで映像内容を理解できるVLMによる解析自動化が期待されています。
しかし、一般的なVLMでは「冠水しているか」などの指示文(プロンプト)で現場状況を問いかけると、事実と異なる回答や回答の揺らぎが生じる場合があり、災害予兆の微細な変化を正確に発見することが難しい状況です。さらに、プロンプト設計・調整には、専門知識を持つ技術者による試行錯誤が必要であり、多くの時間と手間を要するため、河川氾濫・冠水・積雪といった多様な災害や異なる現場への迅速な適用は現実的ではありませんでした。

提供価値

本技術は、ライブカメラ映像から災害につながる状況の進行度をスコア化できるため、災害予兆を早期に発見し、現場確認や対応判断などの迅速化に寄与します。また、被害の未然防止や拡大抑制にも貢献します。さらに、現場ごとに適したプロンプトを自動生成するため、専門知識を持つ技術者による試行錯誤が不要となり、新たな災害や現場への導入・運用の負担が軽減されます。

特長

1.時々刻々と変化する現場状況をスコア化し、災害予兆を発見

一般的なVLMは現場状況を文章で表現できる一方、その程度や度合いといった定量的情報は回答文に出力されず、微細な変化を発見できませんでした。本技術は、VLMが文章を生成する際に内部で計算される確からしさ(注1)を解析するNEC独自技術(注2)により、通常は回答文として表現されない情報を活用し、冠水の程度や積雪量などの現場状況をきめ細かくスコア化します。これにより、従来は難しかった微細な変化や時系列での推移を連続的な数値として捉えることが可能となります。また、運用者はスコア化した数値をもとに、現場や対象災害に適した予兆や危険の判定基準を柔軟に設定できます。

特長1について

2.災害や現場ごとに最適なプロンプトを自動生成し、導入を迅速化

本技術では、観測対象となる冠水や積雪などの災害種別や、ライブカメラ映像ごとの構図に適したプロンプトをAIが自動生成します。このプロンプトは、ライブカメラ映像を用いて、時系列的に前後の画像でスコアが連続するよう順次調整されます。この過程で、VLMが注視すべき画像領域や考慮しなくてよい領域を自動判別し、スコア化に有効な情報としてプロンプトに反映します。これらの処理を自動化することで、画像のわずかな違いによるVLMのスコアの揺れが抑制され、安定した判定が可能になります。これにより、専門知識を持つ技術者がプロンプトを設計・調整する必要がなく、多様な災害や現場への迅速な導入と効率的な運用を実現します。

特長2について

NECは、本技術を通じて、自治体やインフラ事業者のモニタリング業務を効率化し、地域社会の安全・安心の向上に貢献します。

以上

  • (注1)
    例えば、観測対象の災害が冠水の場合、対象画像に対してVLMが「冠水している」と回答する可能性の度合い
  • (注2)
    VLMが動画像を説明する際に計算する文生成尤度を対比することで、動画像間の微細な差異の認識や定量化を可能にするNECの技術。国際会議「ACM Multimedia Asia 2026(MMAsia 2026)」で発表予定。〔C. Matsuhira, Y. Nakatani, and T. Inoshita, “Measuring the Likelihood Contrast in Vision Language Models for Enhancing Fine-Grained Action Difference Recognition,” to appear in Proc. MMAsia, 2026.〕

本技術について

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NEC 研究&事業開発戦略統括部

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